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基礎的収支:黒字化大幅ずれ込む見込み 財政再建道筋失う【毎日JP】
http://mainichi.jp/life/money/news/20090117k0000m020115000c.html
内閣府は、16日の経済財政諮問会議に今後10年間(08〜18年度)の財政見通しの試算を提示した。景気が順調に回復しても「財政再建の一里塚」としてきた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化は従来目標の11年度から18年度に大幅にずれ込む見込み。しかも、消費税率(現行5%)を11年度から段階的に5%引き上げて10%にするのが前提で、与党の反発や景気悪化で消費税増税が見通せない中、政府は財政再建の道筋を失った格好だ。
基礎的財政収支は毎年度の政策経費を新たな借金に頼らず、税収などで賄えているかどうかをみる指標。政府は国と地方の公債残高が名目国内総生産(GDP)を大きく上回り、先進国中最悪の借金を抱える中、小泉政権時代に財政再建のため、11年度黒字化の目標を設定。これを基本に毎年度の予算で公共事業削減や社会保障費抑制を進めてきた。
しかし、今回の試算では、日本の実質成長率が1%台半ばへ復帰▽「骨太の方針06」で決めた歳出削減継続▽消費税増税(11年度から毎年1%ずつ計5%増税)−−の条件を満たしても、11年度の基礎的収支は名目GDP比2.9%、15兆2000億円の赤字と、目標達成が絶望的なことが裏付けられた。しかも、消費税率を10%にして黒字化する18年度も基礎的収支のプラス幅は名目GDP比0.1%、0.8兆円と、税収が少し下振れしただけで赤字に転落する。消費税を3%増にとどめたり、5%のまま据え置けば、18年度も大幅な赤字のままだ。
11年度の基礎的収支黒字化が不可能になり、政府は当面の財政再建目標を失う。与謝野馨経済財政担当相は「目標達成は無理でも、歳出改革の精神は残る」と言うが、形骸(けいがい)化した目標では与党のバラマキ圧力やムダな歳出に歯止めを掛けられず、財政規律の喪失懸念が一段と高まるのは必至だ。【清水憲司】
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プライマリーバランス:「11年度に黒字化」目標見直しへ
毎日新聞 2009年1月16日 21時54分