★阿修羅♪ > 国家破産61 > 133.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
次の景気回復のシグナルかもしれない銀行貸出の増加(KlugView)
2009/01/13 (火) 17:00
日本銀行が発表した12月の貸出・資金吸収動向によると、銀行の貸出総額(特殊要因調整後の平残)は、前年比4.1%増と、1992年2月以来(16年10カ月ぶり)の大幅な伸びを記録しました。
デフレ圧力が高い日本の場合、銀行の貸出が増えることは、経済を活性化させる意味で喜ばしいことと思われます。銀行から貸し出されたお金は、まわりまわって再び銀行の預金口座に戻り、銀行の貸出の源になります。そして銀行は、再び企業に貸出をすることができます。これがいわゆる信用創造です。
信用創造が活発になれば、社会に流通するお金(マネーストック)も増え、消費や設備投資が増える可能性が高まります。足元の日本の景気は、世界経済の減速を背景に輸出の減少によって落ち込む図式となっていますので、銀行の貸出増を通じて、国内の消費や設備投資が拡大すれば、日本の景気回復が早まることも期待されます。
ただ、市場関係者などは、銀行の貸出総額が増えていることを素直に喜んでいないようです。銀行の貸出が増えている理由は、大企業の資金調達方法がコマーシャルペーパー(CP)や社債から銀行融資にシフトしたためと言われています。
じつは、大企業の多くは、つい最近までコマーシャルペーパー(CP)や社債を発行することで、銀行借り入れよりも低い金利で、必要な資金を調達していました。しかし、金融市場の混乱が落ち着かないこともあって、大企業ですら、CPや社債では機動的に資金を調達することができず、銀行からの借り入れ(融資)で資金調達する動きを強めていると言われてます。
また、大企業は何か使途があって資金を調達しているのではなく、万が一のために予備的に資金を確保しているだけと考えています。これでは、いくら銀行の貸出が増えても日本の景気が活性化することはありません。
中小企業においては、銀行貸出が増えていないとの指摘もあります。むしろ大企業が、資金調達を銀行借り入れにシフトさせてきたため、中小企業は銀行から融資を受けにくくなっているとの見方もあります。中小企業は、日本の雇用全体の7割近くを占めるなど、日本経済にとって重要な位置づけにあります。中小企業への銀行貸し出しが増えなければ、日本景気の活性化にはつながらないと考えることもできます。
たしかに、こうした指摘は的を得たもので、銀行貸出が増えたからといって、すぐさま日本の景気が拡大するわけではありません。ただ、景気後退が進んでいる日本において、銀行貸出が増えていることは朗報といえます。
13日に衆院予算委員会を通過した08年度2次補正予算案では、中小企業向け緊急保証制度の保証枠が6兆円から20兆円に拡大される政策が盛り込まれています。このまま2次補正予算案が成立・実施されれば、中小企業への貸出も、いずれ拡大すると思われ、中小企業の資金繰り破綻も緩和される効果が期待されます。
過去にないペースで景気が悪化している日本において、中小企業の資金繰りが楽になる意義は、決して小さくありません。銀行の貸出増を皮肉めいて解釈するのではなく、次の景気回復を示す小さなシグナルと見る考え方も必要と思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
08年度2次補正予算案では、
中小企業向け緊急保証制度の保証枠は
どれくらいに拡大される?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
6兆円から20兆円
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/01/13/004320.php