http://www.asyura2.com/09/gm15/msg/408.html
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妊婦のZIKAウイルス感染が小頭症児出産の要因かどうかは疑問だが、記事のような「小頭症児出産の増加」に疑念を抱く立場はとらない。
記事は、「これまでブラジルでは小頭症が疑われる症例は年平均150件しか報告されていなかったのに昨年から今年は突出している、と当局やメディアは繰り返す。確かに保健省によれば、10〜15年の報告例は年間139〜175件だ。だが見逃してはいけないのは、政府が昨年後半に小児科医や診療所に対して症例の報告を徹底するよう通達を出したこと。以来、報告件数が急増した」と指摘しているが、ブラジル政府が症例の報告を徹底するよう通達を出した背景に“リアルな問題”があったと考えるべきだからである。
「小頭症児出産の増加」=ZIKAウイルス感染と決めつけるのではなく、原因を多面的に考え、原因をできるだけ排除しなければならない。
※ 参照投稿
「ジカ熱 知っておきたい6つの事:ZIKAウイルス感染拡大ではなくブラジルでの小頭症急増が“非常事態”の対象」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/500.html
※関連投稿
「「ジカ熱」に関係していた日本企業 と 「ジカ熱」は小頭症激増の本当の原因隠し? と もう一つの可能性と世界保健機関」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/573.html
投稿者 お天道様はお見通し 日時 2016 年 2 月 14 日 09:35:26: I6W6mAZ85McLw gqiTVpO5l2yCzYKojKmSyoK1
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『ニューズウィーク日本版』2016−2・16
P.44〜45
「ジカ熟報道の「数字」を疑え
感染症:急速に広まるジカウイルスと小頭症の関連性は不確かだ
安易に結び付けてパニックに陥るべきではない
ジカ熱が流行するブラジル北東部で、脳が未発達のまま生まれる小頭症の新生児の急増が伝えられる。メディアはこぞって、ジカウイルスと小頭症の問に恐ろしい関連性がありそうだと報道。しかし政府当局者やメディが示す数字、彼らが使う用語を注意深く見ると、大騒ぎすべきではないことが分かってくる。
先月末に発行された科学誌ネイチャーに、中南米の出生異常を監視している医療団体の報告書の抜粋が掲載された。報告書は、小頭症の新生児の急増は「おそらく積極的な検査と過剰な診断によるものだ」と結論づけた。さらにメディアがこの問題に強い関心を持ったことで「過剰診断」があおられたとし、これまでに収集されたデータだけでは、ジカ熱と小頭症のいかなる関連性も断定できないと指摘した。
この指摘はかなり大きな意味を持つ。だが問題は過剰診断の可能性だけではない。これまでに出ている情報のいくつかを検証してみよう。
■関連性が確認された例は1桁
ブラジル保健省の先月末の発表によれば、同国内で診断された小頭症のうちジカウイルスと「関係がある」と確認されているのはわずか6例だ。
新生児の感染の有無を調べる検査は手順が複雑で、政府は現在、似た症状が出る他のウイルスと区別できる、より簡単で安価な検査方法の確立に取り組んでいる。
■ほとんどが「疑わしい症例」
ブラジルで小頭症の新生児が4000人確認されたと報じているメディアもあるが、それは間違い。昨年10月以降、それぐらいの数の「疑わしい症例」が報告されたということだ。
疑わしい症例とは、医師が赤ちゃんの頭部のサイズを測り、通常よりも小さいという所見を出したもの。この検査は胎児がまだ母親の子宮にいる段階で行われることが多い。だが子宮内では通常より東が小さかった胎児も、多くは最終的に正常に成長すると専門家は言う。
小頭症が疑われると報告されても、後にそうではなかったと判明する場合もある。保健省の発表によると、昨年10月以降に報告されている疑わしい症例、数千件のうち実際に小頭症と診断されたのは270例。一方、結局は小頭症ではなかったと判断されたのは462例にも上る。
■人口と症例数の比率
ブラジルの人口は世界5位で、毎日およそ8000人の赤ちゃんが誕生している。そう考えると、報告されている小頭症の新生児の数も、そこまで異例ではないかもしれない。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のジム・バーコピッチ教授(放射線学)は、彼が診察する新生児の2〜3%に小さな頭の子が見られるが、その多くは「単に頭が小さいだけ」だと言う。頭部が小さいだけでは、新生児に先天的な発達障害があるとは限らないと指摘する。
また米疾病対策センター(CDC)は、アメリカの新生児における小頭症の発生率は0.02〜0.12%だとしている。これほど低い割合でも、新生児が多いブラジルでは毎年数十人が確認される可能性がある。
■過去データの信憑性
これまでブラジルでは小頭症が疑われる症例は年平均150件しか報告されていなかったのに昨年から今年は突出している、と当局やメディアは繰り返す。確かに保健省によれば、10〜15年の報告例は年間139〜175件だ。
だが見逃してはいけないのは、政府が昨年後半に小児科医や診療所に対して症例の報告を徹底するよう通達を出したこと。以来、報告件数が急増した。
ネイチャー誌に掲載された報告書が指摘するように、過剰診断があった可能性は否定できない。加えて、記録管理がずさんだとよく批判される同国において、多くの診療所が以前は症例数をきちんと報告していなかった可能性もある。
■ジカ熟の感染者敬が不明
ブラジル保健省に国内のジカウイルス感染例がどれぐらいあるのかと問い合わせたが、「まったく分からない」との回答だった。同省広報は50万〜150万の間という曖昧な数字を挙げたが、それも単なる推測だと強調。「信頼できるデータがない」らしい。
■ジカウイルス以外の要因も
新生児の頭蓋骨が通常よりも小さくなる要因は数多くある。バーコピッチ教授は、ジカウイルスだけではなく先天性だったり栄養不良など多くの理由が考えられると指摘する。
■誤解を招きやすい病名
「小頭症」という言葉は、あまりにも単純だ。サンパウロで胎児医学を専門とするトーマス・ゴロップ医師は、小頭症は単純に「小さな頭」という意味で、いま問題になっている出生異常はもっと複雑な症状だと言う。
ゴロップは「ジカ症候群(ジカウイルスが原因とみられる新生児の一連の症状)」と言うほうが正確だろうと指摘。新生児の頭蓋が小さいというだけではなく、もっとずっと複雑な症状であり、1つの症状とジカウイルスを単純に結び付けても何の役にも立たないと語る。「残念ながら小頭症という言葉が一般化してしまった。それが多くの混乱を呼んでいる」
*
さまざまな情報を検証してきたが、ジカウイルスと出生異常の関連性について、専門家の開から根拠のある懸念の声が上がっているのも確かだ。ここに記した指摘は、医師たちが現場で認識している事実を否定するものではない。
ゴロップは、ブラジル北東部にいる同僚から深刻な懸念の声を問いたと言う。彼は、多くの診療所が今も、新生児の出生異常について保健省に正確な数字を報告していない可能性を疑っている。ジカウイルスの影響で、何らかの問題を抱えて生まれてくる子の数は、私たちが把握しているよりもずっと多いかもしれない。
ただ、いまブラジルで起こっていることが何であれ、1つ確かなことがある。この間題についてはまだ正確なデータが十分にそろっておらず、世界はパニックに陥るべきではない、ということだ。
ウイル・カレス」
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