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アメリカで発生した二次感染者の自宅は徹底的に消毒され立ち入り禁止に〔PHOTO〕gettyimages
エボラ・パニック 日本上陸は目前「人類滅亡まで、あと100日」の最悪シナリオ徹底シミュレーション
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40963
2014年11月07日(金) 週刊現代 :現代ビジネス
どこか遠くのアフリカの国で流行中の怖い病気。でも、私には関係ない—。そう感じてしまう人も多いエボラ出血熱。だが専門家はいま、ウイルスがすぐにも世界中に広がると真剣に危惧している。
■すべての対策を凌駕する
「10月1日からの60日間で、今回のアウトブレイク(爆発的感染)を抑えられなければ、エボラの感染リスクは劇的に上昇し、行われているすべての対策を凌駕してしまうだろう」
10月14日、国連エボラ緊急対策チームのトップ、アンソニー・バンバリー氏は国連安保理への報告のなかで、こう警告した。
さらに同日、世界保健機関(WHO)のブルース・エイルワード事務局長補は、12月上旬には毎週最大で1万人が新たにエボラに感染することになると懸念を表明した。
世界を震撼させている、エボラ出血熱の大流行。それは国連安保理で緊急の議題にされるほど差し迫った世界レベルの危機だと認識されている。だが日本に住む私たちは、エボラというとどこか遠い外国の出来事で、関係ないと思いがちだ。
専門家たちは、それはとんでもない勘違いだと指摘する。ハーバード大学公衆衛生大学院のイチロー・カワチ教授はこう話す。
「現代は誰もが世界中に旅行する時代です。アメリカと同様、入国ポイントの多い国でエボラ・ウイルスの流入を防ぐのは非常に困難と言えます。貿易などを通じてアフリカの感染国とつながりのある世界のほとんどの地域でエボラ感染者が現れるのは、避けられないと思います」
今回のエボラ出血熱の大流行はシエラレオネ、リベリア、ギニアといった西アフリカの国々から始まった。これまでに1万人近い人々が感染し、約4900人の死者が出ている。
しかし、世界の医療関係者を震撼させたのは、医療先進国にまでウイルスが入り込み、二次感染を起こしたことだった。
9月30日、アメリカ・テキサス州ダラスで、リベリア国籍の男性がエボラ出血熱と診断され、のちに死亡。治療にあたった看護師2人が二次感染した。同国では現在までに、この看護師が発症後に接触した人など120人超が経過観察を受ける異常事態となっている。
またスペインでも死亡した患者と接した看護師らが二次感染。さらに看護師と接触した人が高熱に倒れ、三次感染が疑われている。フランスでも二次感染した疑いで看護師が隔離された。
〈医療先進国では万が一、エボラ・ウイルスが上陸しても、感染が広がることはない〉—。多くの専門家がそう公言してきたが、期待は見事に裏切られた形だ。
エボラ・ウイルスの研究で世界的に知られるカリフォルニア大学サンフランシスコ校のチャールズ・チウ教授が語る。
「残念ながら、今後、週に1万人の感染者が出るという数字さえ、甘い見積もりと言わざるを得ません。
このままアウトブレイクをコントロールできなければ、封じ込めは不可能になります。どのエリアでも継続的に感染者が出つづける、『エンデミック』という危機的状態になる。アジアに感染が広がった場合、とくに人口密度の高い東京や上海などの大都市で大きな混乱が起きるでしょう」
アメリカで感染者が出たダラスなどは自動車通勤が一般的で、家々が密接していることも少ない。だがアジアには人口過密の大都市が多い。たとえば日本では、朝晩の通勤ラッシュで人々が狭い列車内でひしめき合い、接触するのが常だ。チウ教授はこう指摘する。
「エボラ・ウイルスは、すでに発症している感染者の体液との接触で感染します。患者の排泄物や吐瀉物、血液。あるいは至近距離でくしゃみをされて大量の唾や痰などに触れる。ドアノブなどを介して体液と間接的に接触し、その手で目や鼻、口元に触れても感染します。
問題は、初期症状がインフルエンザに似ていて、深刻にとらえられない場合があることです。咳はあまり出ませんが発熱、嘔吐、強い吐き気、筋肉痛、疲労感、下痢などの症状が出ます。
興味深いのは、これらに加えて、しゃっくりが出ることです。エボラ出血熱でしゃっくりが出たときには、どこかで内出血が起きている可能性があり、死に至るリスクも高くなる」
こんなウイルスがアジアの過密都市に流入すれば大感染が起こるのは明らかだ。
■ウイルスが変異を起こす
さらに、国際情勢の変化でアジアへのウイルス流入リスクも高まっている。たとえば中国は天然資源や開発利権を狙ってアフリカ各国に100万人以上の国民を派遣。ダム建設といった大型公共工事を請け負うなど関係強化を加速している。
13・6億人もの人口を抱える中国で感染が始まれば、世界規模の影響を与えることは必定だ。現在、世界が中国を注視しており、10月23日には一部メディアが「西アフリカから帰国した広東省の43人がエボラ検査で陽性だった」と報じた。すぐに打ち消す報道が流れたが、虚実入り混じった情報が飛び交う緊張状態となっている。
こうした事情に加え、さらに感染が想定以上に爆発的なものになる可能性もあると危険視する専門家もいる。アメリカ内科医・外科医協会エグゼクティブディレクター、ジェーン・オリエント医師は、こう話す。
「現在エボラ・ウイルスは呼吸を通しては感染しないとされ、対策も体液への接触を防ぐことを中心に行われています。しかし、このウイルスはエアロゾル感染すると考えられるのです。
たとえば患者が嘔吐した際、勢いが激しいと、空気中に汚染された微小な滴が飛び散る。その一部は乾燥して粉のようになり、空気中にとどまります。通常、ウイルスは乾燥した状態では感染しないとされますが、エボラの場合、空気中を浮遊している小滴内で90分経っても1%のウイルスが感染力を持っていたとする研究があります。このウイルスは、わずか10個以下でも人に感染し、死に至らしめる。1%残っているだけでも感染は起こります」
ウイルスに感染すれば、最悪どのような最期が待っているのか。
その恐怖を、国立感染症研究所呼吸器系ウイルス研究室長、WHOインフルエンザ・呼吸器ウイルス協力センター長などを歴任し、現在は生物資源研究所所長をつとめる根路銘国昭氏が語る。
「1976年に世界で初めて確認された患者第一号はスーダンの綿花工場の従業員でした。最初は風邪かと思っていたら、両目が真っ赤に染まり、皮膚の至るところに赤い発疹ができた。
やがて体中の臓器が破壊され、鼻や口から大量の血が滝のように流れ出した。下痢の汚物にも大量の血が混じり、尻も真っ赤。発熱から11日後に血をまき散らしながら亡くなりました。
エボラは致死率が高いだけでなく、免疫機能をすり抜ける、いわばステルス機能も持つ。まさに史上最強のウイルスと言えます」
※ノースイースタン大学発表の各国感染リスク評価、WHO資料と専門家のアドバイスをもとに本誌作成
「それはウイルスが変異し、より感染しやすくなることです。インフルエンザのように簡単に空気感染するウイルスになるというのではなく、むしろ毒性が弱まり、すぐに死ぬ人が減る。そのかわり長い間、ウイルスが体内にあって、周囲の人に移すことが増える。このまま感染者が増えつづければ、やがてウイルスが変異を起こす可能性が高い」
■加速度的に感染拡大
上の図は、専門家らへの取材を元に本誌が作成した最悪パターンでの感染の拡大地図だ。10月1日から100日後には、人類の多くが住む世界の主要都市に感染が拡大している。
ここでは、12月の第1週までに西アフリカだけで毎週新たに感染する人が5000人から1万人に増加すると仮定。9月下旬に西アフリカでの感染者が7000人前後になった時点でアメリカの1ヵ所で発症者が出たのを踏まえ計算を行った。
西アフリカ諸国の旧宗主国であり、現在も人的交流の多いフランスやイギリス、国際的な乗り継ぎ空港や海運拠点のあるアムステルダムやドバイなどのほか、ニューヨーク、東京など世界30ヵ所を危険度の高い地域とする。西アフリカとの直行便の本数や移民の数などを元に、より危険度の高い場所を重みづけした上で、それぞれの地域で感染が起こる確率を計算した。
このシミュレーションによれば、10月の最終週から12月の第1週まで、毎週最低2都市で新たな二次感染が発生する。
二次感染が起きた場所からは三次感染が起こる。スペインの例を元に三次感染者が発生する割合を計算。危険地域内の大都市で、1人の二次感染者が日常生活で接触する人数を調べ、確率を調整した。すると、電車網の発達したパリやロンドンで11月下旬には週500人前後、12月下旬には週約2000人の新たな三次感染者が出ることになる。
ここからさらに四次感染、五次感染……の確率を計算し、二次感染者の海外渡航による感染拡大などを計算して感染者数を足し合わせると、その総数は爆発的に増加する。各時点の総感染者予想数が地域人口の5%を超えたエリアを灰色、10%を超えたエリアを黒く塗ったのが上図だ。
図の(4)のような状態になれば、もはや地域内だけでも感染が繰り返される『エンデミック』状態となり、致死率70%のウイルスに人々は繰り返し襲われ、やがては全滅に至る。
こうした恐怖の事態を前に日本政府も対策の強化を始めた。だが取材を進めると、関係者は次々に日本の警戒態勢の穴を指摘した。
「国内でエボラの疑いがある人が出れば、WHOの定める生物学的危険物への安全レベルで、最高ランクの4に対応した施設である国立感染症研究所村山庁舎で検体を培養し検査することになる。だが、実は周辺住民の反対もあり、この施設は1981年に完成してからいまだに使われたことがない。早急に稼動を認める必要がある」(エボラなど第一種感染症の指定病院医師)
「国はWHOの指針を鵜呑みにし、入国時に発熱していないか検査をする入国検疫はしているが、出国時の検疫はしていない。
つまり、まだ発症していない人が日本に来て発症し、国内で他人にうつしてから出国してしまったら、感染がどう広がったか足取りの調査もできない状態だ」(感染者が逃亡した場合などに取り締まりを行う県警生活安全課員)
いつ日本に入ってもおかしくないエボラ・ウイルス。危機は、もうすぐそこまで迫っている。
「週刊現代」2014年11月8日号より
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