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鳥インフル論文は当面非公表、テロ悪用の懸念で WHO
2012.02.19
CNN http://www.cnn.co.jp/world/30005662.html
世界保健機関(WHO)は17日、米国が生物テロ兵器への悪用を懸念し強毒性鳥インフルエンザの「H5N1」ウイルスの論文2本の一部非公表を求めた問題で専門家会合を開き、論文は本来、全文掲載すべきとしながらも現段階での公表は見合わせるとの見解を発表した。
WHOは声明で、現時点での公表見合わせを決めた理由について、研究論文が提起した課題について意見交換などを通じた相互理解をさらに深め、ウイルスの安全管理対策面で検討が必要なことを挙げた。この検討の方法や開始する時期には触れていない。
2本の論文は、オランダと米ウィスコンシン大学の研究チームが別々に開発した人工的に変異させたH5N1ウイルスが、哺乳類から哺乳類へ容易に感染し致死性を持つ可能性に触れていた。2チームはこの変異させたウイルスを、インフルエンザにかかった場合、人間と非常に似た症状を示すというフェレットに感染させて実験していた。
しかし、ウイルス開発が昨年12月に報じられて以降、テロ対策と絡めた議論が拡大。バイオセキュリティー政策に関する米政府諮問機関は今年1月、このウイルスの研究データは将来の鳥インフルエンザ感染流行への準備で有効な材料であるとしながらも、テロリストへの情報流出を阻止するため研究論文はウイルス作成方法などを削除して公開されるべきだと主張していた。
論文2本は米科学誌サイエンスと英科学誌ネイチャーに掲載される予定だったが、両誌は結局見合わせている。
WHOは声明で、論文は一部公表より全面公表の方が公共衛生により恩恵を与えるとしながらも、ウイルスの安全管理などの評価に最初に取り組むとの考えを示した。
また、人工的に変異させたH5N1ウイルスの研究を中断させている措置の延長も求めた。ただ、自然界で発見される鳥インフルエンザウイルスの研究は今後の予防措置に必要として継続を認めた。WHOのケイジ・フクダ事務局長補によると、自然界の鳥インフルエンザの感染者の致死率は60%となっている。
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