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原発事故の恐ろしさ、それはイラク・アフガン化だ。 この記事は、原発の過酷事故が起こった場合についてのものです。現在、福島原発はまだきちんとした停止状態になっていず、今後の展開次第では、過酷事故になる可能性があります。 過酷事故とは、原発内に放射性物質の閉じ込めができず、大規模に放射性物質が環境中に拡散するものを言います。みなさんご存知のように1986年当時のソ連で起こったチェルノブイリ原発事故がそのような過酷事故でした。この時の立ち退きエリアを日本の関東地方と重ねた地図が作られている。http://amanakuni.net/GraphicData/108hamaoka.gif がそれだ。浜岡原発で過酷事故が起こった場合、関東地方一帯が居住不可になる。この図はセシウム137についてのものであり、他の放射性物質も放出されるから、現実にはもっと大きなエリアを居住禁止にするしかない。 問題は、日本の場合、狭い敷地に複数の原子炉が建設されていることだ。一基でも過酷事故になれば、基本的に他の原子炉も維持ができなくなり、過酷事故に至るしかないからだ。 原発は、制御棒がきちんと動作して核分裂連鎖反応が停止すればそれで無事終了というものではない。これは、核分裂によって中性子が放出され、その中性子がまた別のウラン原子に当たり、その結果、またそのウラン原子が核分裂し中性子を放出する、という連鎖反応が終わると言うだけの話だ。現実には連鎖反応をしなくても、それぞれの放射性元素が自己崩壊し、崩壊熱を放出する。もちろん、この時のエネルギーは核分裂連鎖反応時よりも格段に小さい。しかし、それでも、水で常時冷やさないとどんどん高熱になり、数千度には達する。その結果、燃料棒の金属被膜を溶かし、原子炉本体や格納容器さえ溶かしてしまう。途中で、冷却用の水と接触して水蒸気爆発を起こし、原発全体を吹き飛ばし、過酷事故になると言われる。 では、どの程度、冷却期間が必要かと言えば、これは、なかなか予測ができない。なぜなら、どの程度、どんな放射性元素が燃料棒の中に生成されているか、ウランやプルトニウムが残っているかによるからだ。原子炉の冷却水が100度以下になると、一応それを「冷温停止状態」と言い、この状態でも普通は冷却水を補給または入れ替える必要がある。これを行う装置系列を「原子炉停止時冷却系」と言う。冷温停止状態になるのに早い場合は24時間程度から数週間程度らしい。そして問題なのは、冷温停止状態でどの程度の期間「原子炉停止時冷却系」を動かす必要があるかということで、それが何年も必要だとされるのだ。この点が、最も問題で、更に、福島第1原発3号炉で使われているプルサーマル燃料の場合は、崩壊熱を出す程度が高い元素が多いので冷温停止状態になる時間が普通の燃料よりもかかるし、「原子炉停止時冷却系」を動かす期間も格段に長くなる。数十年にはなるはずだ。このことは、使用済みプルサーマル燃料の地層処分前の地上保管期間が数十年必要と言われていることからも分かるはずだ。一説には500年地上保管して熱を冷ます必要があるとさえ言われる。 つまり、原発敷地内にある一つの原子炉が過酷事故を起こせば、他の原子炉を何年間にもわたり冷却することはほぼ不可能だということ。そのため、たとえそれらの原子炉がきちんと停止していても、冷温状態を保てず、数日から数か月の間には、つまり、自動運転のためのエネルギーや水が切れた時には、過酷事故になってしまうのだ。 日本の原発は同一敷地内に複数の原子炉が建てられ、しかも発電規模が100万キロワット以上のものが多い。そのため、当然、核物質の量も多く、チェルノブイリの数倍どころではなく、数十倍にもなる。つまり、居住不可能な地域が関東地方だけにとどまらず、日本全域にまで広がるのは確実なのだ。 こういった放射能汚染の恐ろしさはエイズと似ている。急激な死に至ることはなく、徐々に死に至る症状をもたらすからだ。放射能は細胞の遺伝子を壊す。多くの場合は、部分的にしか壊さないから、細胞の再生自体は行われ、それを繰り返すうちに体内被曝が重なり、やがて細胞がガン化する。こうして、数年から数十年でガンで死んでいくことになる。これは非常に悲惨なものだ。体が何年にもわたって徐々に傷んでいくわけで、その期間苦しみ続けなければいけない。更に、赤ん坊が胎内感染する場合もあるし、もともと、生殖細胞の遺伝子が壊れていることもある。結果は奇形児が生まれると言う形になるのだ。 1999年のJOC事故のとき、バケツ内の臨界状態になった核物質から強い放射線を浴びた大内さんは入院した当初、まったく症状がなく、健康そのものに見えたと言う。骨が折れたり、血が流れたりするようなものではないのが放射能被曝の恐ろしさだ。 イラクやアフガニスタンでは米軍の劣化ウラン弾によって国土が放射能汚染したが、日本は原発の過酷事故により同様な状態になる可能性が強い。あるレポートによればアフガニスタンのある地域の新生児の奇形率は20%ほどだと言う。 更に、環境に放出された核物質は環境そのものを汚染する。つまり、地表に降下し、土に混ざり、雨水とともに地下や河川に移動していく。または、湖に直接核物質が行くことになる。このことは、例えば、台風が来れば地表のチリが舞い上がり広範囲に拡散し、その時同時に核物質も広範囲に広がることを意味するし、飲み水や野菜、または、牧草を食べる牛などへも感染が広がることを意味する。そして、これは、何十年も何百年も、または何億年も続くのだ。 今回の東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9になる超巨大地震だった。この影響は大きく、近隣地域でM7程度の余震を起こす可能性が高い。それも、浜岡原発がある東海地震を引き起こしたり、または、中央構造線を刺激して大きな地震を引き起こすかもしれない。その線上には伊方原発があり、その延長上には川内原発がある。余震は数か月から数年の期間にわたって起こる。今後、数年の内に浜岡原発や伊方原発、川内原発が事故に会う確率はかなり高いと言わざるを得ない。 お願いだから、原発廃止に踏み込むべきだ。一刻も早く原発を廃止して、地熱開発に切り替えるべきだ。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<399>>
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