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鹿児島県と宮崎県の県境にある新燃岳が50余年ぶりに噴火した。桜島は小規模な爆発が続いている。太平洋戦争後長く続いてきた地震の静穏期が終わり、地震の頻発期、活動期に入っていると言っていいだろう。
浜岡原発のある東海地震の震源域。東海地震が果たして本当に予知できるのか、それを簡単に検討してみよう。
1.東海地震は日本で起こる大規模で唯一予知できるとされている。その理由は太平洋戦争終了の前後に起こった南海地震や東南海地震の時、東海地震の震源域で大きな地殻変動が観測されたからだ。このことについては「現実的な地震予知の可能性については、茂木清夫(東京大学名誉教授、前地震予知連絡会会長)が指摘した。すなわち、1944年の東南海地震の直前に静岡県掛川市で実施されていた水準測量で、地震の直前に異常な変動が観測されたというものである。これはその後、『東海地震は予知可能』との国の見解や世論へと発展した。一方で鷺谷威(名古屋大学教授)など、その水準測量データや解釈に疑問を持つ科学者も多い。」(ウィキペディアの「地震予知」からの引用:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E4%BA%88%E7%9F%A5)
2.しかし、1で述べた地殻変動を観測した時は東海地震は起こっていないのだ。東海地震が起こらなかったときの地殻変動を観測して、東海地震の予知ができると言っているわけで、これ自体が矛盾している。
3.巨大地震の時には事前にスロースリップが起こるとされる。現在の観測体制はかなりのものがこれを捉えるためのものだ。(ウィキペディアの「東海地震に関連する情報」の「観測体制と予知の根拠 」を参照のこと:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AB%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%81%99%E3%82%8B%E6%83%85%E5%A0%B1#.E8.A6.B3.E6.B8.AC.E4.BD.93.E5.88.B6.E3.81.A8.E4.BA.88.E7.9F.A5.E3.81.AE.E6.A0.B9.E6.8B.A0)しかし、スロースリップによって地震予知が成功した例は今まで世界中で一例もない。日本の東海地震予知が最初の試みなのだ。更に、もし、他の場所で先にスロースリップでの予知に成功しても、地下構造がどこも皆異なるので、それがそのまま東海地震の予知が成功すると言う証しにもならない。つまり、スロースリップが地震の本震の前に起こったとしても、一つ一つの地震で起こり方が異なり、どの程度のスリップが本震の前触れかはなかなか決めらないのだ。
4.南海地震、東南海地震、東海地震の3つを日本におけるプレート境界型地震として、これらが超巨大地震になるとされる。そして、今までの記録を見ると、基本的に東側から起こってきているのだ。つまり、これらの地震がほぼ同時期に起こるとき、歴史は、東海地震や東南海地震が先に起こり、その後南海地震が起こると言う順序になることを示している。この意味でも、東海地震は突然起こる巨大地震ということになる。
5.また、緊急地震予知情報のP波を観測して地震に備えるという方式も、東海地震と浜岡原発の関係では無理なのだ。それは、浜岡原発が東海地震の震源域の真上にあり、しかも、東海地震は震源が10kmから20kmほどとされるかなり浅い地震だからだ。これは、P波とS波の時間差が少ないことを意味していて、その時間差があまりに少ないから緊急停止ができないと言うことだけではない。一定以上の大きさの地震でかつ震源深さがあまりない時、震源の真上にある構造物はP波、つまり縦波(衝撃波ともいう)の直撃を受け、構造物がいっぺんに破壊されてしまう可能性が強いのだ。このことについては、以前投稿した記事を参照してほしい。それを以下に引用する。
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静岡沖地震と浜岡原発、原発は縦波に耐えられるか!?
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/608.html
投稿者 taked4700 日時 2010 年 8 月 01 日 02:53:24: 9XFNe/BiX575U
静岡沖地震
昨年8月11日午前5時ごろに静岡沖地震が起きている。M6.5震源深さ23kmの中規模地震だが、震度6弱の揺れを御前崎市などで観測し、浜岡原発も自動停止した。浜岡原発には合計5基の原発があり、そのうちの1号機、2号機は廃止が決まっている。3号機は定期点検中で、稼働中の4号機と5号機が自動停止した。原子炉のすぐ近くの地盤が20cmほど沈下したり、250本ある制御棒の駆動装置が約30本分故障するなどの被害が出ていた。また、5号機で基準設計で想定していた揺れよりも大きな揺れを観測した結果、一年後の今年もまだ運転再開が出来ていない。
浜岡原発は東海地震の震源域のほぼ真上にあると言われている。また、東海地震の震源深さも10kmから20kmぐらいであるはずで、そうであれば、地震の縦波が原発を直接襲う世界で初めての例になるはずだ。縦波とは粗密波のことで、日本のような地盤が軟らかいところでは比較的減衰しやすい。また、大きな地震が起こるところに原発を立てる事例も世界中では日本や台湾以外ほとんどないし、更に、大きな地震が起こること自体、50年から数百年と言う間隔だから、今まで、原発の直近で強い縦波が起こるような大きさの地震が発生したことがない。
浜岡原発は、東海地震の震源域の真上にあるとされ、しかも、震源からの距離が10kmから20kmほどしかないようなのだ。また、基本的に原発は岩盤の上に直接建てられるから、縦波が減衰しないで原発の建物を直撃することになる。
Googleで検索してみると、「地震 "縦波の加速度" に一致する情報は見つかりませんでした」と出るから、そもそも、縦波の加速度自体を計測してはいない様子だ。それだけ、縦波はあまり影響を与えない事例が多かったのだ。つまり、被害をこうむる建物と震源が離れていて、その間に軟らかい地層があるため縦波そのものが減衰してしまっていたのだろう。
ただ、縦波は衝撃波、粗密波と言われる通り、ハンマーで叩くのと同じような効果を持っている。だから、ヘタをしたら、原発のコンクリートでできた基礎自体が壊れてしまったり、原子炉を支えているスカートの部分が崩壊してしまうなど、原子炉自体の存続が危険にさらされるような被害が出るはずだ。
地震加速度はガルと言う単位で表すことが多い。980ガルはちょうど重力加速度と同じだ。今の原発は縦方向の揺れは横方向の揺れのほぼ二分の一の耐震強度を持つと言われている。浜岡原発は1000ガルの揺れに耐えることが出来るとされているので、縦揺れについては500ガルまでは大丈夫だと言うことのはずだ。しかし、過去の大地震の記録では、人間の体がまるでゴムまりのように跳ね上げられたとか、田んぼの水が一面そのまま1mの高さに跳ね上がったと言うようなことが伝えられている。つまり、優に980ガルを超える縦方向の加速度があったことになる。
更に、こういった揺れは現実には表面波の影響であったことが多いはずで、縦波の影響が観測されてしかも記録として残されている可能性は限りなく少ないはずなのだ。なぜなら、昔は縦波の影響を受けるような建物自体が少なかったはずだからだ。このことは長周期地震動の影響がこの10年ほどでやっと認識されだしたのと同じだ。
静岡沖地震は直接東海地震と結びつくものではないとされている。しかし、元々、東海地震の予知研究自体が、1945年の南海地震、東南海地震の時に東海地方で異常な地面の隆起があったことに基づいている。つまり、本当は起こらなかった地震の前兆を使って、地震の予知をやろうとしているのだ。既に前回の東海地震から150年以上が経過し、いつ起こってもおかしくはないと言われている東海地震。その揺れ、特に縦波に原発が、浜岡原発が耐えられるかどうか、まさに日本はその世界で初めての実験台になろうとしている。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<83>>
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コメント
01. taked4700 2010年8月01日 02:58:16: 9XFNe/BiX575U: tC8f2oPwcc
更に、縦波はP波だから、最初に到達する揺れであり、その後、横波、つまり、S波が建物を襲うことになる。普通の地震なら、P波はほとんど被害を出さないが、浜岡原発は震源域の真上にあるので、P波の影響をまともに受け、かなりの損害を出したところにS波が到来し、さらなる被害を及ぼすという形になる。
02. 2010年8月03日 06:44:43: E1yZCrtQpI
被告の中電が結審延期を申し出たそうですね。
最新鋭の5号機だけの異常な揺れ。
東海地震が来る前に浜岡原発を閉鎖を求める知事あての団体署名、35の市町村のうち28市町村が署名されています。早く止めることが日本を救う道だと信じています。
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以上引用終わり。
結論として、東海地震の予知は限りなく難しく、それが可能であるとする科学的な裏付けも実際にはほとんどないと言うことなのだ。
だから、だからこそ、浜岡原発は早く、一刻も早く、廃止するべきだ。
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