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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu227.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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レアアースと共に産出するトリウムは核兵器の拡散防止に役立つうえに、プルトニウムを含む有害な放射性廃棄物がほとんど発生しない。
2010年11月11日 木曜日
中国の輸出停止で確保が課題(NHKクローズアップ現代より)
レアアース鉱山は世界中に点在している。
◆豊田通商、インドにレアアース精製工場 来年半ばに稼動 10月15日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/1014/NGY201010140039.html
豊田通商が2011年半ばに、ハイブリッド車(HV)に不可欠なレアアース(希土類)の精製工場をインドで立ち上げることが14日、分かった。当初は10年中に稼働を始める計画だったが、用地取得が難航していた。年内に着工する予定だ。
精製工場は、インドで採れた原料の鉱石から不純物を取り除き、純度の高いレアアースをつくる。新工場は、HV用の高性能モーターなどに使う磁石材料のネオジムとジスプロシウムを中心に年3千〜4千トンを供給。中国の輸出枠削減の影響で品薄感の出ている他のレアアースについても、生産が可能か検討する。
豊田通商はHV増産を進めるトヨタの意向を受け、レアアースの供給能力の向上を目指している。インド産レアアースに関しては、販売権益を持つ国内の専門商社を買収。現地で精製して日本に輸出する計画だったが、インド側との交渉が遅れていた。
豊田通商はこのほか、ベトナムでも12年末からの生産を計画中。13年には、インド、ベトナム両国から、国内需要(09年実績)の5分の1程度にあたる1万トン弱を供給することを目指している。
レアアースをめぐっては、世界の9割を供給する中国が、今年の輸出枠を前年比で4割削減すると発表。9月以降は、日本向けの通関手続きが滞る問題もあり、価格が上昇している。自動車や電機をはじめとする国内製造業への影響が懸念されている。(山本知弘)
◆ウランからトリウムへ―世界の核燃料戦略を読む 2009年8月5日 日経BP
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20090805/101975/?P=1
トリウムはウランの従兄弟のようなもので、天然に産する放射性元素である。そのトリウムを原子力燃料としてウランの代わりに利用しようとする動きが世界で静かに広がり始めた。
背景には地球温暖化対策として世界的に原子力発電増設の気運が高まっていることがある。その場合の大きな懸念は、核兵器の拡散と放射性廃棄物である。トリウムは核兵器の拡散防止に役立つうえに、プルトニウムを含む有害な放射性廃棄物がほとんど発生しない。
そんな良いことずくめの技術なのに、なぜ今まで実用化されなかったのだろうか。一言でいえば、理由は第2次大戦後の冷戦構造と核兵器開発競争にある。原子力の民生利用としての原発も、軍事利用と無関係に展開されてきたわけではなかったのである。
核兵器には原料としてウランを使うタイプと、天然にはほとんど存在しないプルトニウムを使うタイプがあるが、プルトニウム型の方が圧倒的につくりやすい。プルトニウムはウランが核分裂反応を起こして燃えるときに生成されるが、トリウムを燃やしてもプルトニウムはほとんど発生しない。したがって、トリウムを原発の燃料とすると、核兵器を効率的につくれなくなる。そのため、政治的に日の目を見ることはなかったわけだ。
米国では1950年代から70年代にかけて、トリウム溶融塩炉と呼ばれる原子炉の技術開発を進めていた時期がある。1965年から69年までの4年間、無事故で運転した実績を持ち、基本技術は確立している。トリウムの燃料利用を想定していたこの原子炉は、核の平和利用の本命であった。
トリウム溶融塩炉の利点は、小型化に適し、経済性が高いということだ。そして、軽水炉の使用済み燃料や解体核兵器に含まれるプルトニウムを、トリウムとともに燃やして処理ができるという点も都合がいい。トリウムそのものは核分裂しないので「火種」としてプルトニウムが使えるからだ。
米国にはトリウム・パワー(Thorium Power Ltd)という核燃料企業もあり、日本など世界で広く使用されている軽水炉でのトリウム利用を推進している。各国では、溶融塩炉だけでなく、さまざまなタイプの原子炉でトリウムを使えるようにする研究開発が行われている。
(中略)
米国、チェコ共和国のほかに、トリウム溶融塩炉の技術開発に向けて動き出した国としてはカナダ、ノルウェー、オーストラリアなどである。インドは60年にわたって独自に開発を進めてきた。そして、忘れてはいけないのが中国の台頭だ。
残念ながら日本では封印された状態である。これまで、ごく少数の技術者が溶融塩炉の実用化の必要性を声高に訴えていたが、全く無視されている。何しろ、東芝、三菱重工、日立製作所といった大企業が軽水炉型の発電所ビジネスでフランスのアレバ社とともに世界にその存在感を示しているわけだから、大型タンカーのように簡単には国策の舵はきれないだろう。しかし、世界の空気を読めないでいると、日本は世界から取り残される恐れも否定できない。
注目すべきは、中国、インドである。両国ともウラン資源が乏しいので埋蔵量世界一を誇るオーストラリア頼みである。中国は、2006年4月、温家宝首相がオーストラリアを訪問してハワード首相と会談を行った際、2010年からウランの中国向け輸出開始で合意した。
オーストラリアはウランの輸出先に核拡散防止条約(NPT)加盟を義務づけている。中国はNPT加盟国ではあるが、軍事利用の心配があるとして、オーストラリアはそれまで中国への輸出には消極的であった。今回の輸出解禁に際し、中国はオーストラリアに対してウランを平和目的以外に利用しないという保証協定を結び、輸入したウランに関連して国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れて、オーストラリアに対して公開する義務を負った。
原子力発電に積極的なインドもオーストラリアにウラン輸出を要請し続けていたが、NPT非加盟国であることからこれまで見送られてきた。しかし、2007年8月になって、インドへの輸出も容認することを決めた。中国と同じ条件で協定を結ぶことになった。これは、核拡散防止条約未加盟国にもかかわらず、インドが米国と原子力に関する二国間協定で合意したことを受けた例外措置だそうだ。
米国やオーストラリアなどが原子力を軸にインドと中国に急速に接近している。ウラン資源は乏しいインドと中国だが、逆にある資源については両国とも豊富という共通点がある。モナズ石などのレアアース(希土類)を多く含む鉱物資源である。
レアアースはエレクトロニクス、IT機器、電気自動車など先端技術産業には欠かせないもので、いま、わが国の産業界でもレアメタルとともに関心が非常に高まっている重要な資源である。
そのモナズ石の中にトリウムが含まれているのだ。とくにインドのモナズ石はトリウム含有量が約8%と非常に高い。一方、中国はレアアース(希土類)では世界の97%の生産量と31%の埋蔵量を誇る。
現在、モナズ石などの鉱物からレアアースを抽出する際には、放射性物質であるトリウムは厄介な不純物として除去しなければならない。ただ、中国のモナズ石などの中に入っているトリウムの含有量は0.3%以下とインドに比べてはるかに少なく、レアアースを取り出すには邪魔ものが少なくて好都合と言える。
とはいえ、なにしろレアアースの生産量世界一の国である。廃棄物としてトリウム資源が少なからず蓄積されている。これを、中国政府は将来の重要なエネルギー資源と見なしているはずだ。最近、清華大学が中心になってトリウム利用推進を訴え、IAEAと共催でトリウムに関する国際会議も開いている。
中国では最近、国営企業2社がオーストラリアの有力なレアアース、レアメタルの探鉱・開発会社の支配権を握った。オーストラリアのモナズ石は、6%のトリウムを含んでいる。(後略)
アメリカでは軽水炉でのトリウム利用の研究が進んでいる。
(私のコメント)
原子炉の事については何度も「株式日記」で書いてきましたが、トリウム溶融塩炉の事についても次世代原子炉として注目されています。昨日のクローズアップ現代でもレアアースを取り出す際に出るトリウムの事が話題になっていましたが、トリウム原子炉こそ有害なプルトニウムの発生が少ない原子炉として注目されています。
◆TWRと呼ぶ原子炉は、低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。2010年3月23日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/92a7fae899265f93e251b01c040a9507?fm=rss
「今までならゴミとして処分に困っていた劣化ウランが宝の山に変わるわけですが、石炭のように簡単に燃えるものではない。ウラン以外にもトリウム溶融塩炉も有望な原子炉なのですが、国家というのは兵器の開発には天文学的な費用をかけるのに、平和利用の原子炉開発には関心が無かった。日本こそ原子炉の平和利用に力を入れても良いはずなのにマスコミが「もんじゅ」などを叩いたように否定的だった。
アメリカにしても宇宙開発を名目で核ミサイルを開発しましたが、原子力発電も核爆弾開発の隠れ蓑だった。しかし核爆弾に繋がらない原子力発電の開発は店晒しにされてきた。核兵器を持たない日本がなぜCANDLE炉やトリウム溶融塩炉のような原子力開発に金をかけてこなかったのだろう。政治家達も橋や道路を作ることは熱心でもエネルギー問題には票にならないから予算を回さない。これからは軽水炉型の原子力発電所を作るより、安全で経済的で廃棄物問題のすくない原子力発電は技術的には可能になるだろう。」
豊田通商がインドでレアアースの精製工場を作るようですが、レアアースは中国だけではなく世界各地に埋蔵している。特にオーストラリアやインドなどに埋蔵量が多く、モナズ石の中に含まれている。しかしトリウムが含まれている為に取り除く為にはコストがかかる。中国産の鉱床にはトリウムが少ないからコストが安く出来る。
もしトリウム原子炉が実用化されれば、廃棄物だったトリウムが宝の山になるわけですが、どういうわけか日本ではトリウム原子炉の開発が行なわれていない。日本は非核三原則でも分かるように原子力平和利用の先進国なのですが、トリウム原子炉を開発に取り組んでいないと言うのはどういうことだろうか?
ウラン型原子炉ではプルトニウムが発生しますが、プルトニウムの利用方法で「もんじゅ」などを開発していますが、2兆円かけても故障などで開発が中断されている。それよりもトリウム原子炉を開発してプルトニウムの発生を抑制すべきだ。核の平和利用が本筋ならばトリウム原子炉を開発すべきなのだ。
アメリカでは実験炉で4年間の運転実績がありますが、なかなか実用化されないのは核兵器に使えるプルトニウムが取れなくなるからだろう。しかしレアアースの精製で発生する廃棄物にトリウムがあるのだから廃棄物利用の意味でもトリウム原子炉を実用化すべきだろう。インドなどでもトリウム原子炉の開発が進んでいる。
核拡散を防ぐ意味でも核兵器に使えるプルトニウムの発生の少ないトリウム原子炉を実用化して、発展途上国などに提供すべきだ。ウラン型原子炉ではプルトニウムの拡散で核兵器が作られてしまう。埋蔵量においてもウラン鉱石よりもトリウムは世界各地にあり埋蔵量も三倍もある。
日本でトリウム原子炉の開発が進まないのは、三菱、東芝、日立の御三家がウラン型原子炉で技術を確立している為ですが、国策としてトリウム型原子炉を開発すべきだ。政治家達も橋や道路造りには熱心でも、技術開発にカネを使おうとはしない。技術開発が疎かだから新技術が生まれず経済も停滞する。
電気自動車や風力発電には高性能磁石に大量のレアアースが必要であり、レアアースの精製には大量のトリウムが廃棄物として発生する。それを利用できるようにする事こそが真の核の平和利用につながる。中国のレアアース禁輸は想定で来た事であり、レアアースは世界中に存在する。しかしトリウムの存在が邪魔になってきましたが、ウランに代わる核燃料として使える。
エネルギー資源やレアアースなどの鉱物資源は国家戦略として取り組むべきものですが、中国がレアアースを禁輸してはじめて経済界はあたふたとしている。エネルギー政策でも国家戦略としての原子力政策は民間任せでは限界があるだろう。国会議員でもトリウム原子炉の事を知っている人はどれだけいるのだろうか?
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