上関町議選あす投票　原発めぐり１７候補激戦（山口新聞）クマのプーさん

上関町議選あす投票　原発めぐり１７候補激戦
２０１０年２月１３日（土）掲載

中国電力の上関原発計画の是非を争点とした上関町議選（定数１２）は１４日投開票される。原発計画が浮上して７度目となる町議選は原発推進派１１人と反対派６人の計１７人によるかつてない激戦を展開。推進派は原発財源による町づくりを訴えて安定過半数を狙う。原発反対派６人は脱原発の自立した町づくりを主張し、目標は全員当選。

今回から定数２減。立候補者は推進派が現職８人、新人３人。反対派は現職２人、元職１人、新人３人。新人１人の共産以外は無所属。反対派新人のうち２人は町外から転入、出馬した。現有勢力は推進派９人、反対派４人（欠員１人）で、推進派長老１人が勇退、反対運動リーダーの現職１人は「反対運動に専念する」と新人に交代した。

選挙戦では推進派候補は「原子炉設置許可申請の提出で原発財源による町づくりがスタートできるときがきた」「原発財源で若者定住や子育て、高齢者福祉を充実させたい」と力説。反対派候補は「これまで膨大な原発交付金が交付されたが、町は衰退するばかり」「豊かな自然や歴史を生かした原発に頼らない、自分の足で立つ町づくりが必要」と強調している。

上関原発計画は浮上して２８年目。昨年、中電は陸と海で原発敷地造成工事に着手し、原子炉設置許可申請を国に提出。１号機の着工時期を２年延期して２０１２年６月とした。しかし、反対派は海面埋め立て工事の阻止を続けており、同工事は中断したままだ。

これまで６度の町議選（１度は無投票）は推進派がいずれも多数を占めてきた。今回、推進派が乱立したため、推進派関係者から票の奪い合いによる共倒れを危惧（きぐ）する声が聞かれる。反対派関係者は出馬を断念した反対派現職の支持者を着実に集票し、原発を建てさせない上関町民の会が推薦した５人全員の当選を目指す。議席獲得数によっては今後、原発依存の町政に影響が出るとあって、推進、反対派の議席獲得争いが注目される。

投票は１４日午前７時から午後６時まで町内１１カ所で行われる。開票は同日午後８時から町中央公民館であり、同１０時前に新議員が誕生する。８日現在の有権者数は３２８０人（男１４８０、女１８００）。

　

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