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中国で原発建設ラッシュ 安全性を心配する声も
2010.1.4 22:11
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http://sankei.jp.msn.com/world/china/100104/chn1001042213010-n1.htm
【北京=矢板明夫】中国各地で原子力発電所の建設ラッシュが始まっている。中国では現在、稼働中の原発が11基あり、24基が建設中だが、2020年までにさらに100基以上を建設する計画もあるという。近年の急速な経済発展にともなう国内エネルギー需要の急増と、二酸化炭素排出量削減への国際社会からの圧力などが背景にあるが、入札をめぐる贈収賄事件も多発しており、手抜き工事や人材不足などを理由に安全性を懸念する声も出ている。
昨年12月21日、北京の人民大会堂で、中国の国有企業、広東核電集団とフランス電力公社(EDF)の共同出資による台山原子力発電所(広東省台山)の起工式が行われた。出力175万キロワットの原発2基を14年までに稼働させる予定で、総資本約167億元(約2200億円)は、外国と共同出資による原発プラントとしては最大規模。フランスが持つ最新技術の採用が中国側の最大の狙いだといわれる。
広東核電集団は1994年に設立され、広東省周辺を中心に事業を展開し、2つの稼働原発のほかに建設中の原発5つを抱え、さらには内陸部の湖北省などで複数の原発を新設する計画があると報じられている。
中国政府は2007年に策定した原発整備計画で、20年までに発電量4000万キロワットを目指すとしていたが、09年春に7000万キロワットに目標を上方修正した。しかしその後、内陸部における公共投資拡大路線の中で、原発の新設計画が次々と提出され、建設ペースはすでに目標を超えたもようだ。「今後10年は毎年10基の勢いで原発を建設し、(発電量は)1億キロワットに達する可能性も出てきた」(政府関係者)という。
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http://sankei.jp.msn.com/world/china/100104/chn1001042213010-n2.htm
しかし、原発の安全性を懸念する声は少なくない。建設計画の多くは人口密度の高い地方都市の近郊に予定されており、08年5月に起きた四川省大地震の震源地から約300キロと近い南充市にも原発の整備計画があり、放射能漏れ事故が懸念されている。技術者育成も建設ラッシュに追いつかず、運用や管理の面での人材不足も指摘されている。
さらに、建設に絡む汚職の拡大も危ぐされる。中国最大の国有原発関連企業、中国核工業集団のトップ、康日新総経理は今年夏、原発建設の入札に絡み、18億元(約230億円)の贈収賄事件に巻き込まれ、逮捕された。
投資資金が巨大のうえに専門性が高い原発建設は、汚職の温床となり、これまでにもたびたび責任者が摘発されてきた。インターネットの掲示板などでは、これらの汚職事件が、原発の安全に及ぼす影響を心配する声があがっている。