★阿修羅♪ > 原発・フッ素6 > 359.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 原発の隠された費用ーその2ー 投稿者 taked4700 日時 2009 年 12 月 14 日 02:04:48)
http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/jisin6.html
地震学者が警告の論文発表
原発震災
岩波の雑誌「科学」10月号に、『大地動乱の時代』(岩波新書)の著者石橋克彦さん(神戸大学都市安全研究センター)が、「原発震災−破滅を避けるために−」と題して論文を発表し、大地震と原発事故の複合災害の現実的な危険性を警告しました。
--------------------------------------------------------------------------------
根本的に間違っている地震の想定
--------------------------------------------------------------------------------
現在の原発の耐震設計は、1981年以前は正式な基準すらなく、その後『耐震設計審査指針』が作られ、過去のものもこれに適合しているとされてきました。
そして、阪神大震災後の国民の不安に対しても、政府と電力会社は一体となって「原発は地震でも大丈夫」と宣伝を繰り広げてきました。しかし、実際には原発の耐震性には多くの疑問、不安があることは、このネットワーク紙上(主に70号〜77号)でも繰り返し指摘してきたとおりです。
石橋論文は、まず通産省の主張する安全論について、以下のように全面的に批判しています。
「最大地震を考慮した設計」について
「実は、これらの作業の根底をなす地震の想定が根本的に間違っており、したがってそれにもとづく地震動の評価と耐震設計はきわめて不十分だ」
「"活断層がなければ直下のM7級大地震はおこらない"という考えにもとづき、原発は活断層の上に立地しないからその直下でM6.5を越える地震が発生することはないという」が「このような考え方は,地震科学的に完全に誤っている」
「日本海側の原発はどこでも直下でM7級の大地震がおこっても不思議ではない。」
「事情は太平洋側の原発でも同じである。」
それ以外に北海道〜関東の太平洋岸や東海地方以西の太平洋岸では、プレート中の深さ数十kmでの巨大地震が発生する可能性を考慮しなければならないが「通産省は、プレート境界の地震と内陸の活断層の地震しか考えていない。」
「地震の想定が間違っていれば、大型コンピュータや大型振動台を駆使しても意味がない。」
--------------------------------------------------------------------------------
東海地震震源域に建つ浜岡原発は危ない
--------------------------------------------------------------------------------
次に、石橋論文は、東海地震の予想震源域の中にある浜岡原発を例に、原発震災の具体的な危険性を検証し、つぎのように警告しています。
「浜岡での地震動の時刻歴や継続時間は、兵庫県南部地震の震度7の地点よりも複雑で長時間で、はるかに厳しいはずで」あり、原発を直撃する地震動は、設計の想定値を越える恐れが強い。
「さらに,地震時に浜岡はlm程度隆起すると考えられるが、それに伴って地盤が傾動・変形・破壊すれば原発には致命的」
津波に関しても中部電力は敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないというが「それを越える大津波もありうる」
「建築技術者が強調する原子炉建屋の耐震性の高さはあまり意味がない」
「正常な安全感覚があるならば、来世紀半ばまでには確実に発生する巨大地震の震源域の中心に位置する浜岡原発は廃炉を目指すべきであり、まして増設を許すべきではない。
--------------------------------------------------------------------------------
原発震災回避のために脱原発に向けた努力を
--------------------------------------------------------------------------------
最終章、「原発震災を回避するために」では、
「原発震災がおこる可能性は現実的な問題」
「原発だけは将釆も安全神話が成り立つという合理的な理由はなにもない」
「したがって、これからの地震防災論や震災対策は、原発震災を抜きにしては考えられない」
と指摘し、以下のようにに脱原発の努力を訴えて締めくくっています。
「防災対策で原発震災をなくせないのは明らかだから、根本的には、原子力からの脱却に向けて努力すべきである」
「大地震によって通常震災と原発災害が複合する"原発震災"が発生し、しかも地震動を感じなかった遠方にまで何世代にもわたって深刻な被害を及ぼすのである。膨大な人々が二度と自宅に戻れず、国土の片隈でガンと遺伝的障害におびえながら細々と暮らすという未来図もけっして大袈裟ではない」
「浜岡以外の原発でも、直下や近傍の大地震によって浜岡と同様の原発震災がおこる可能性は現実的な問題である」
「原子力開発最盛期以降の20〜30年間に日本列島の地震発生様式の理解を深めた地震科学が、原発の直近で大地震はおこらないという楽観論を否定し、原発震災による破滅を避けるための具体策の必要性を示しているのである。全国の原発について、原発震災のポテンシャルが相対的に高い原子炉から順次廃炉にし、日本全体の原発震災の確率を段階的に下げていくというような道筋を真剣に考えなければならない」。
★★★★★★★★★★★★
内容的には、原発に反対する市民団体や研究者が今まで指摘してきたとおりですが、地震学の専門家が公式に論文でこれほど明確に発言したことには大きな意味があると思います。
政府や電力会社は、これにきちんと答える義務があります。