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平成15年12月
山川元志
http://www.mukugi.com/kinomi30kikei.htm
テレビ番組で、植物の奇形問題が取り上げられていた。
都市の公園や道路脇で、茎が帯状になったり花が双頭になったタンポポやレッドクローバーが見られるという。
実はこの現象は化学物質過敏症と大いに関係がありそうなのだ。
北海道のとあるご夫婦が宅地を購入し家を新築されたのだが、その庭から奇形の帯化タンポポがいくつも見られたというのである。
タンポポには有性生殖の日本タンポポと無性生殖の西洋タンポポの2種類があって、それは通常の遺伝子からはあり得ない交雑が起こり育った奇形らしいのだ。
つまりDNAに何らかの異常がおこっているらしい。
原因物質を特定するため、土壌に蓄積されている物質を分析すると、奇形が見つかった土壌からは他より明らかに高濃度の「リン酸トリス」という有機リン系の物質が見つかった。「リン酸トリス」とは、難燃剤や可塑剤に使用されている物質である。
因果関係は証明されてはいないが、疑うに足る物質である。
私が大変気になったのは、その家がエコクロスを使用するなど材料に気を遣い新築されたにもかかわらず、10ヶ月ほどしか住んでおられず、空き家のまま放置されていることである。
その理由は、入居後ご夫婦はシックハウスになられ、病院で化学物質過敏症と診断されたのだという。以来この家には住めず、ローンだけを払っているのだという。そしてこの家の庭には散見されるタンポポやレッドクローバーの奇形。そしてその土壌からは異常に多いリン酸トリス。有機リン系の中の「リン酸トリス」だけでも年間1万トン以上も生産されているという。
私が大学院に在籍していた頃、熊本の水俣病裁判に協力して、住宅調査に携わった経験がある。
水俣病は「水俣チッソ」によって垂れ流されていた有機水銀の中毒で、中枢神経がおかされ起こる。
当時は会社がなかなか非を認めず裁判になっていたのである。
当時聞いた話で印象に残るのは、有明海の汚染で水俣病患者が発生し、広く世間に認識される以前、魚を食べた猫が狂い死に、カラスが突然空から落ちてくるというような現象が見られたという。
現在の化学物質過敏症や花粉症などアレルギー問題を考えるとき、いつもこのことが頭から離れない。
つまり、タンポポの奇形、アレルギー患者の増大は、有明海という海よりもっと大きな地球規模の大問題なのだ。しかも、将来訪れるであろう大問題の兆候だと考える。その大問題のひとつが化学物質過敏症という問題である。だからこの問題は我々は皆自分自身の問題として取り組まなくてはいけない。
この番組でも述べられていたが、タンポポ自身が特定物質の影響で化学物質過敏になる。そのため通常では反応しない性的結合が起こり奇形が生まれる。ベトナム戦争の枯葉剤で生まれたドクちゃんべくちゃんの悲劇。そんな危険がいま私達の身近な住まいや生活環境のなかに満ちあふれ潜んでいる。私たちはもっともっとその危険を知るべきである。
特に有機リン系はあやしい証拠がいっぱい出てきている。シックハウス法など中途半端な法律は悲劇を先延はしにし、拡大こそすれ何の助けにもならない。本来は即、製造と使用を許可制にして限定すべきなのだ。明らかな因果関係の証明が出来てからでは遅い。国が怪しいのなら認めず、というような積極的な対策が出来ないなら、我々自身が自己防衛のためにまず買わない、使わない、使わせないという行動を起こすしかない。自らと家族を守るために。
志木ではかなりこだわってムク木の家を作っている。しかしこうした有害物質は、けっしてゼロには出来ないくらい生活のいろんなところに入り込んでいる。とはいえ完全にゼロでなくても病気になることはないので、必要以上に神経質になることはないのだが、かなりこだわっても、思わぬ所にこうした物質は潜んでいるというのは事実である。
塩化ビニールクロス(可塑剤、難燃剤に使われる)など面積の多いものは特に要注意である。そして吸着性のある、呼吸性のある仕上げを重視することが大切であると思う。