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(祝島島民の会blog)
http://blog.shimabito.net/?eid=893373
10/28に上関原発建設予定地の工事海域を示すブイを本来の位置からずれた位置に設置した中国電力は、そのまま11/5から海の埋め立て工事の準備作業を本格化させました。そのため漁業者をはじめとした祝島島民やシーカヤッカーは、田名埠頭に続いてここでも強引な工事に対して抗議をしてきましたが、そのような状況の中で11/8にシーカヤッカー1名が作業員らに取り押さえられた際に負傷するという事態が起きてしまいました
下記に掲載した文章は、有志が関係者や撮影した映像などをもとに当時の状況をまとめたものです
今回の件に対する島民の会としての正式な見解ではありませんが、海上保安庁からの正式な発表がないため情報が錯綜し、またその保安庁が祝島の漁業者やシーカヤッカーから聞き取り調査を行わない現状では、少なくとも当事者や祝島の漁業者、シーカヤッカーたちから見た当時の状況をお知らせする必要があると判断し掲載するものです
なお祝島島民の会としては11/13に中国電力の埋め立て工事の進め方についての山口県と二井山口県知事の認識を問い、また工事の中止を求める申し入れを行う予定です
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2009年11月7日から8日の上関原発建設予定地の海上での状況について
2009年11月5日より中国電力は、祝島島民をはじめとする上関原発建設や海の埋め立てを望まない地元住民に対して説明や理解を求めるアクションを何もしないまま、上関原発建設予定地周辺の海域の埋め立て工事の準備作業を本格化させてきました。祝島の漁業者は漁業補償金の受け取りを拒否し、漁業者以外の島民らとともに埋め立て免許の取り消しを求める訴訟を申し立てるなど、原発に反対し海を守り、島での生活や自分たちの命を守るという意思を原発建設計画が浮上してから27年にわたり明確に示し続けてきました。そのためこの埋め立て工事の強行に対しても、同じ思いを持つ島外のシーカヤッカーたちとともに同海域で抗議行動をしてきました。
11月7日、祝島を望む原発建設予定地のやや沖合では、作業台船が上関町内の漁船10隻前後や数隻の警戒船とともに午前5時20分ごろに現場海上に現れ、漁船を台船の周囲に配置し綱で結び、工事に抗議する祝島の漁船やシーカヤックを台船に近づけさせないようにする形で作業を行いました。その作業の際、クレーンからワイヤーで吊りあげたブイやそれを固定するためのコンクリートのブロックが台船周囲の漁船や祝島の漁船、シーカヤックの頭上を通る形でアームを回転させ、設置ポイント付近に漁船やシーカヤックがいてもかまわずそのブロックを海に落とし込む作業の仕方をしてきました。
また台船の周囲にいる漁船は作業船や警戒船であることを示す標識等はいっさい明示しておらず、乗船している漁業者も通常の漁業者の服装をしており、ヘルメット等の防護装備も一切していませんでした。中には前述の服装で台船に上り、作業員らと作業の進め方を相談していると見受けられるような行動をする漁業者もいて、さらにその中には山口県漁協の理事を務める人物もいました。
台船上には中国電力の社員も目撃されています。服装は通常の中国電力社員が着る特徴的な緑色の作業着でなく他の作業員と同じような色のものを着ていましたが、田名埠頭での阻止行動の際に中国電力の社員として船上にいた人物であることを、その田名埠頭で何度も間近で顔を合わせたシーカヤッカーが確認しています。
埋め立て工事そのものはもちろん、こういった中国電力側の作業の進め方にも抗議の意思を示すために祝島の漁船はブロックを投下すると思しきポイント付近や台船の周囲に船を留めましたが、台船やその周囲の漁船は、祝島の漁船を船体でゆっくりと押し出すようにして移動させ、作業を行いました。またシーカヤッカーが抗議のためにワイヤーに手をかける行為をした際には、ワイヤーを沈めてシーカヤックを横転させたり、仮桟橋付近の作業台船はワイヤーにしがみついたシーカヤッカーをそのまま台船上まで吊り上げるといった対応もとりました。
この日、海上保安庁の船は現場近辺の海上に姿を見せていなかったため、こういった一連の経過について保安庁に連絡をした祝島の漁業者もいましたが、保安庁の船は現場に見に来ることはありませんでした。
翌11月8日、工事海域に停泊していた台船は、前日以上に綱をしっかり張って固定した漁船10隻前後で周囲を囲みました。台船と側面と漁船の舷側の隙間が50pもないほどでした。漁船に乗った漁業者や作業員は、近づこうとするシーカヤックを先に金属製のカギのついた竹ざお(ハッカという漁業者の道具)などで突く、あるいはカギの部分をカヤックの船体にひっかけてひっぱるなどして接近を阻止しました。
そしてコンクリートのブロックを沈める際は台船の周囲の漁船の頭上まで吊り上げ、下ろす時だけ台船と漁船の間にわずかな隙間を作ってそこに落とし込む方法をとりました。漁船の漁業者は昨日と同じような服装や装備でした。
この日、この作業台船は3つのブイの設置作業を行いましたが、負傷者が出たのは3つ目のブイを作業台船が設置しようとした午前8時前後です。負傷したシーカヤッカーは、2つめのブイの設置作業の際に漁船と台船の間にシーカヤックを入れ、船体同士の間に起きる不規則な波でシーカヤックが不安定な状態になったので漁船のふちに手をかけたところその漁船の漁業者に「触るな」と言われて手を払われ、転覆する前に身の安全を優先させて自らシーカヤックを降りて海に浮かびました。その際、漁船上にいた漁業者と作業員に手や服をつかまれて半身を引きずり上げられましたが、その時は振りほどいて流れて行ったシーカヤックまで泳いでいき、そのまま海上で乗り込みました。
そして3つめのブイの設置作業の際も先ほどと同様の状況になり、自らシーカヤックを降り、今度は台船と漁船の間に吊るされたワイヤーにしがみつきました。そしてそのすぐ後に漁船上にいた作業員を含む4名に手や服などをつかまれて羽交い絞めにされた格好でワイヤーから離され、漁船の上に引きずり上げられました。その後、漁船上で作業員らにそのままうつぶせに手足を取り押さえられ、背中や腰を膝で押され、またその際には首も絞められたとのことです。
最終的に仰向けの状態で腕や足、首などを作業員や漁業者3〜4人がかりで押さえられ、ブイの設置が終わった後に船上の状況に気づいた別のシーカヤッカーが助けに入るまでその状況は続きました。
作業員らが体から離れた後、助けに入ったシーカヤッカーの手を借りて立ち上がりました。足元はふらついておぼつかなく、台船に向かって一度叫びましたが、すぐにその漁船上に座り込んでしまいました。多少の受け答えやお茶を飲む行為はできていましたが、助けたシーカヤッカーによると目がうつろで反応が鈍く朦朧とした様子で、また本人によると首を絞められて呼吸ができなくなったあたりから記憶が途切れ、その後はうっすらと飛び飛びでしか記憶がないとのことです。
しばらく拘束を受けていた漁船に座っていた後、漁船横につけた祝島の漁船にシーカヤッカーの手を借りるなどして移動し、そのまま現場海上から平生町の田名埠頭まで移動しました。そこで連絡を受けて待機していた医師の診察を受け、頭部の外傷は無いが意識レベルの低下と誤嚥性肺炎の疑いがあるため、医師の判断により救急車で最寄りの総合病院まで搬送されました。総合病院の緊急外来で診察を受けた時には意識レベルはかなり改善していましたが、発熱および咳嗽があり誤嚥性肺炎の疑いで入院となりました。
入院後、悪寒、発熱があるものの会話も可能となり、海上保安庁の事情聴取を受けました。
一方、現場海域周辺にはこの日も海上保安庁の船はおらず、祝島の漁業者からの通報を受けてようやく現場に来て、事情聴取を始めました。しかし作業台船や台船周囲の漁船の話のみを聴き、助けに入ったシーカヤッカーを含む他のシーカヤッカーや、祝島の漁業者に対しては一切事情を聴こうとはしませんでした。この状況に危惧を覚えたシーカヤッカーらが作業台船側だけでなくこちら側の話も聞くよう呼びかけましたが、保安庁は無視したとのことです。