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http://www.kahoku.co.jp/news/2009/11/20091108t11019.htm
東北電力が女川原発3号機(宮城県女川町、石巻市)でのプルサーマル実施に向け、県と女川町、石巻市に安全協定に基づく事前協議を昨年11月に申し入れてから1年がたった。九州電力が5日に佐賀県の玄海原発で国内初のプルサーマルをスタートさせ、宮城県も受け入れ可否の判断をする検討を本格化させている。しかしトラブルが続発する原子力施設に対する住民の不信が収まらない中、受け入れの前提条件となる「住民の理解」をどう見極めるか、自治体の試行錯誤が続いている。
<議論は平行線>
「プルトニウム利用のリスクは大きい」
「安全性は通常発電と変わらない」
一般の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルを考えてもらおうと、県など3自治体が10月31日に石巻市で開いた「対話フォーラム」。慎重派と推進派の専門家がプルサーマルの必要性や安全性について主張を展開した。だが議論は平行線をたどり、参加者からは「内容が難しい」(40代主婦)と戸惑いの声が漏れた。
村井嘉浩知事が受け入れの前提条件に掲げるのは「安全性の確認」と「住民の理解」。計3回開く対話フォーラムは、住民らに考える素材を提供する取り組みの一環だ。3自治体の共催だが、前提条件が確保されるかどうかを検討する手法をめぐり、県と地元市町に微妙な温度差があることも表面化している。
専門家の意見を聞くため3自治体が9月に設けた「安全性検討会議」は当初、県が設置に消極的だった。原発周辺の環境放射能などを監視する既存の有識者組織で対応できるとする県に、市民団体が反発。市や町も「既存組織では無理がある」との見解を示し、県が方針転換した経緯がある。
<独自に勉強会>
こうした流れの中で石巻市の亀山紘市長は4日、独自に市民代表をメンバーとする勉強会を開くことを表明した。
市長は、安全性検討会議で議論の対象外とした国のエネルギー政策についても住民とともに再確認する必要性に言及。「住民の安心安全を守る立場」(亀山市長)の基礎自治体として、県とは異なるアプローチをする姿勢をにじませた。
プルサーマルへの対応をめぐり地元自治体が「試行錯誤」(石巻市)の対応を強いられているのは、原子力関連施設の相次ぐトラブルや不祥事で住民の不信が募り、住民理解のハードルが高くなっているからだ。
<重み増す同意>
稼働延期が続く青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場、事故で実用化が不透明な高速増殖炉計画…。核燃料サイクル政策は全体として停滞感を深め、住民不信を背景にプルサーマル実施の際に必要な安全協定上の地元自治体の「同意」は国の法律上の許可以上に重みを増してもいる。
リスクコミュニケーションの専門家で対話フォーラムの進行役も務める北村正晴東北大名誉教授は「住民はできるだけ議論を聞き、考えを行政に伝えてほしい。自治体は住民の声を深いところまでくみ取り、最終的には政治判断が求められる」と話す。
女川原発のプルサーマルに関する国の安全審査は早ければ年内にも最終結果がまとまる見込み。プルサーマルの行方は地元の判断に委ねられることになる。