★阿修羅♪ > 原発・フッ素6 > 314.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 【主張】プルサーマル 運転通じ安全情報発信を【産経】 投稿者 ワヤクチャ 日時 2009 年 11 月 07 日 14:30:40)
【始動プルサーマル】(中)先送りでたまる“在庫”2009/11/7【フジサンケイ】
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200911070105a.nwc
夏場でも冷たい「やませ」がオホーツク海から吹き寄せる本州北端の下北半島にある青森県六ケ所村。
青い水をたたえた水深12メートルの巨大なプールの底に、“宝の山”であると同時に、やっかいな問題を抱えたものが沈んでいる。
全国53基の原子力発電所から日本原燃が運営する再処理施設に運び込まれた使用済み核燃料だ。
「年間に生まれる使用済み核燃料は1000トン。
六ケ所の再処理工場が稼働しないと、これがどんどん積み上がっていく」
電力会社の幹部は、危機感を隠さない。
地球温暖化対策のための原子力推進で将来的には1200トンに増えると見込まれている。
◆貯蔵施設余力300トン
六ケ所村の再処理工場に設けられた貯蔵施設の収容能力は3000トン。
現時点ですでに2692トンが運び込まれており、余力はわずかだ。
平成18年に始まった試験運転は、昨年12月のトラブル以降、中断したままで在庫は減らない。
電力会社は、それぞれの原発に併設した貯蔵プールでも保管しているが、再処理工場が稼働しないと、後3〜4年で満杯になる原発もあるとされる。
そうなれば、新しい燃料を搬入できず、原発を停止せざるを得なくなる。
電力危機を招く可能性も否定できない。
“純国産エネルギー”ともいえる使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」。
少資源国ニッポンのエネルギー政策の柱は人口約1万1千人のこの村がなければ、成り立たない。
直線距離で1300キロ以上離れた九州電力の玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)で5日始動したプルサーマル発電。
プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電と再処理は、サイクルを回す両輪といえる。
だが、再処理工場が来年10月に予定通り営業運転に入ることができたとしても、処理能力は年800トンにとどまり、使用済み核燃料の発生量を下回る。
「積み上がった在庫が減るどころ、毎年、確実に増えていく」(電力会社幹部)。
六ケ所村からさらに北上した青森県むつ市。
陸奥湾にほど近い場所で、問題を解決する一つの計画が進んでいる。
東京電力と日本原子力発電が平成24年の操業開始を目指す「中間貯蔵施設」だ。
2棟で5000トンの施設を建設する計画で、再処理の順番がくるまで使用済み核燃料を保管しておく。
「来年には2つ目の再処理工場をどうするかの議論が始まるが、正直、いつになるか分からない。
各社の自助努力で中間貯蔵を建設せざるを得ない」(電力業界関係者)
プルサーマルを始動させた九州電力社長の真部利応も「玄海原発の貯蔵施設の拡張工事に加え、新たな中間貯蔵施設の建設も検討している」と明かす。
◆処分場は民間任せ
中間貯蔵施設と同様に建設が急がれるのが、再処理の過程で排出される高レベル放射性廃棄物を埋設する最終処分だ。
核燃料サイクルは最終処分場がなければ完結しない。
六ケ所村の再処理施設には、一時的に保管しておく「貯蔵管理センター」があるが、地元との取り決めで、最終的に県外に埋設することになっている。
プルサーマル発電と再処理が本格稼働すれば、廃棄物もどんどん増える。
最終処分場は、民間の「原子力発電環境整備機構」(NUMO)が建設することになっているが、自治体からの公募を待つというまったくの受け身だ。
これまでに正式に候補地に名乗りを上げたのは、高知県東洋町だけ。
しかし、反対運動が激化し、町長選で推進派の現職町長が敗れ、撤回された。
使用済み核燃料の保管や最終処分といったやっかいな問題を先送りしてきたツケが、これから本格的に表面化してくる。
政府はこれまで、自治体への補助金や税制優遇などの“アメ”は出してきたが、基本的には民間の電力業界にまかせ、矢面に立つことはなかった。
鳩山由紀夫政権は、温室効果ガスの排出量を2020(平成32)年までに1990(2)年比で25%削減する高い目標を掲げる。だが、原子力発電の推進を抜きに、その達成はおぼつかない。
プルサーマル始動は、国が先頭に立ち、“トイレのないマンション”と揶揄(やゆ)される日本の核燃料サイクルの現状を打開する好機でもある。(敬称略)