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http://new-k.livedoor.biz/archives/785808.html
2009年09月26日16:23
シーカヤックが台船を阻止 新展開迎えた抗議10日目
強硬な作業着手に抗議するカヤックの列に中電の船が対峙する。
9月22日、上関原発予定地の海域埋立工事に着手するためのブイ設置作業は、反対派住民らの抗議活動で延期されて10日目を迎えました。ブイが置かれている平生町(ひらおちょう)田名埠頭(たなふとう)ではこの日、長引く抗議活動の疲れや生活への影響からか、祝島の漁船や住民らの姿はなく、クレーン台船によるブイの積み込みが10日目にして決行されるとの見方が広がっていました。しかし、海を守ろうと集まった有志のシーカヤック約10隻が、朝から埠頭前に1列に並び、中国電力側の激しい圧力を受けながらも台船の接岸を阻止しました。正午前には祝島の漁船約5隻も駆けつけ、中国電力側は15時に作業中止を決定しました。上関原発計画27年間の中で、祝島以外の船のみによる海上阻止行動が行われたのは、恐らく初めてと思われます。
埠頭に置かれたブイ(右)の前に並んだシーカヤック
この日シーカヤックに乗ったのは、数年前から祝島の阻止行動に協力してきたカヤック愛好家や、上関原発に反対する地元の若者、県外から駆けつけた有志など、独自の意志で集まった約15人。朝7時、時折風雨が舞う荒れた海上で、ブイが置かれる埠頭前に9隻が横1列に並ぶと、7時半に中国電力の警戒船2隻とクレーン台船が到着し、対峙する形となりました。クレーン台船はいかりを下ろしましたが、いつでも発進できるように牽引船(タグボート)を前方につないで待ち構える態勢をとり続けました。
カヤッカーに近づきビデオで撮影しながら呼びかける中電社員
中電社員は船上から、作業船の進入のために進路を開けるよう求めた上で、ビデオカメラを回しながらカヤッカーひとりひとりに接近して名前や目的を尋ね、損害が発生していることを肉声で述べたようですが、船のエンジン音や陸上の反対派のマイク音などもうるさく、カヤッカーらは呼びかけに応じず、その場にとどまり続けました。
その後中国電力の警戒船は、小刻みに船を前後させるなどしてカヤック隊に圧力をかけ、あわや衝突という距離まで接近した時は、陸上に駆けつけた反対派住民から悲鳴があがり、「危険です!」「危ないからやめて下さい!」などとマイクで注意が呼びかけられました。
また、10時前には祝島の漁船1隻が現場に現れ、様子を伺って帰っていきました。
推進派の漁船がカヤックに接近し、阻止活動に対して荒い口調で抗議した。
11時頃には、地元の原発推進派の漁船1隻がシーカヤックの前に現れ、「なんしよるんか?」「遊び半分なら負けんど。遊びよるんか?」「いい加減にせーや」「漁師は飯を食わんにゃいけんのんど」「漁ができんじゃないかお前らがこうして邪魔しちょったら」などと厳しい口調でカヤッカーらに迫りました。この漁船は山口県漁業組合平生町支店の船らしく、前日には地元ニュースの取材で「イワシ漁の迷惑になる」と苦情を述べていた漁業者のようです。カヤッカーらが無言を貫き続けると、漁業者は漁船を急発進させ、シーカヤックの列の間に割り込むように猛スピードで旋回を繰り返した後に、去っていきました。危険な状況に緊張が走りましたが、後方に見守っていた海上保安庁の巡視艇は特に注意しませんでした。
海保の巡視艇(右後方)がカヤックに対して作業船から離れるよう呼びかけた。
11時過ぎ、潮の流れや風向きが変わり、シーカヤックの列が数十mほど前方に流されると、クレーン台船とシーカヤックが数mの距離にまで接近しました。すると、後方で両者の対峙を監視していた海上保安庁の巡視艇が近寄り、「こちらは海上保安庁です。カヤックの皆さんにお伝えします。作業台船が岸壁に接岸しようとしています。進路をふさぐと航行に危険ですので、船から離れて下さい」と、二度に渡ってマイクで呼びかけました。
後退するカヤック隊に中電の警戒船とクレーン台船が迫る。
これを受けてカヤック隊は元の位置まで戻ろうとすると、中国電力側もマイクで「進路を開けて下さい」と呼びかけながら警戒船を激しく前後させながら前進し、一時騒然となりました。しかし、カヤック隊が元の位置にまで戻ると、海保の巡視艇は後方に下がり、再び中国電力側とカヤックの対峙が続きました。
祝島の漁船が到着すると中電側に諦めムードが広がった。
正午前、カヤック隊が厳しい状況にあると連絡を受けた祝島の漁船が、水色の反対旗をつけて次々と駆けつけ、タグボートの前に立ちはだかりました。すると、これまで攻勢を仕掛けていた中国電力側の態度は一転し、警戒船も後方に退きました。最終的に祝島の船は約6隻が現地に集まり、カヤッカーらの張りつめた緊張感も解けたのか、この日初めての笑顔がこぼれました。
祝島に戻る漁船に手を振るカヤック隊のメンバー。
13時半過ぎ、中国電力側はクレーン台船のいかだをあげると、警戒船とともに撤収しましたが、これまでは作業中止時はその旨をマイクで発表していたものの、今回は何も述べずに停泊港の上関町白浜港方面へと帰っていきました。それを確認して祝島漁船やカヤック隊も引き揚げました。しかし14時半頃、クレーン台船が上関町沖で引き返しているとの情報が入ると、カヤック隊は再び田名埠頭沖にカヤックを出しましたが、結局15時頃に中国電力は作業中止を発表しました。
十分な話し合いの場が設定されぬまま、強行されようとする埋め立て工事に対し、祝島以外の船と住民による海上阻止行動という初めての事態が起き、上関原発計画問題は新たな展開を迎えたといえそうです。抗議活動後のマスコミ取材に対し、カヤック隊のリーダー格で山口県長門市から来た男性は「原発は祝島の人だけの問題ではない。かけがえのない海を埋め立てて原発をつくる問題に多くの人が耳を傾けてほしい」と話し、上関原発を建てさせない祝島島民の会の山戸代表は「原発に反対しているのは祝島だけではない。(推進派は)祝島だけ孤立させたがっているけど、逆に広がっている証明」と話したようです。一方の中国電力は、「新たな打開策を検討する段階にきている」と繰り替えし、山口県や上関町に仲介を依頼せずに、「事業者である自分たちが解決すべき問題」と強調しているようです。