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http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090811-247096/news/20090812-OYT1T00056.htm
「東海」関連ないのか…発生早まったとの見方も
駿河湾で11日発生した震度6弱の地震について、気象庁の地震防災対策強化地域判定会(判定会)は、「想定される東海地震に結びつくものではない」と判断した。
しかし、判定会は、東海地震で予知可能とされるシナリオの一つを検討したに過ぎない。本当に東海地震との関連はないのだろうか。
東海地震は、国内で唯一、直前予知が可能な地震とされる。海のプレートが沈み込む時に陸のプレートが引きずられ、東海地域の岩盤にひずみがたまる。その力が地震で解放される直前に、前兆すべりと呼ばれる揺り戻し現象が起きるので、それを検知できるとの考えに基づく。
11日の判定会打ち合わせ会は、駿河湾の地震後、前兆すべりが観測されたかどうかが焦点となった。余震分布や岩盤のひずみを測る体積ひずみ計のデータなどを分析した結果、「想定される東海地震との結びつきはない」との判断を下した。
◆判定会以外の専門家の気になる指摘◆
しかし、判定会以外の専門家には、「今回の地震が東海地震と無関係とは言い切れない」と指摘する意見も少なくない。
東海地震が切迫していることを最初に提唱した石橋克彦・神戸大名誉教授は「判定会が発表したのは、数日以内に巨大地震はないという短期的な視点。中長期的に見れば、この地震によって東海地震の発生が早まった可能性もある。さらなる調査が必要だ」と訴える。
駿河湾から四国沖にかけてのプレート境界で90〜150年周期で起きる巨大地震は、東から東海地震、東南海地震、南海地震と呼ばれる。東南海地震と南海地震は約60年前に1度起きているが、東海地震は約150年間起きておらず、ひずみをため続けているとみられる。
松村正三・防災科学技術研究所研究参事は、「今回の地震でさらにひずみがプレート境界に蓄積され、東海地震が起こりやすくなった恐れがある」とみる。
大竹政和・東北大名誉教授も「今回の地震で断層がずれた方向は、海側のプレートが沈み込む方向とほぼ同じ。東海地震の発生が早まったのでは」と推測する。
◆本当に確認できるか「前兆すべり」◆
本当に、東海地震が起きる前兆をとらえることができるのだろうか。判定会が想定しているのは、前兆すべりを伴う東海地震のみだが、前兆すべりが起きないまま、東海地震が発生する可能性も否定できない。
判定会の元会長の茂木清夫・東京大学名誉教授は「判定会が想定する東海地震は、この地域で過去に一度も単独で発生した記録がない地震。実際に前兆すべりが起きるのか、だれにもわからない」と話す。
2003年9月に発生した北海道・十勝沖地震は、マグニチュード8・0という東海地震と同じレベルの巨大地震にもかかわらず、前兆すべりは確認できなかった。
気象庁も、前兆すべりが急に起きたり、ひずみ計から遠く離れた海底で発生したりした場合は、東海地震の予知は困難になると認めている。
茂木名誉教授は、「観測体制を整えるのは大事だが、東海地震も十勝沖地震のように、ある日突然発生する可能性を忘れてはいけない」と警告する。石橋名誉教授も、「東海地震は、いつ起きてもおかしくない状態にあり、今回の地震をきっかけに、巨大地震の防災に対する意識を引き締める必要がある」と注意を呼びかけている。
(2009年8月12日03時28分 読売新聞)