★阿修羅♪ > 原発・フッ素6 > 155.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/06/20090606t73014.htm
プルサーマル見直し 原発不信、先送り招く
電気事業連合会(電事連)が5日、「2010年度までに16〜18基の原発で実施する」としていたプルサーマル計画の見直し方針を青森県などに伝えた。電力各社で相次いだ原発の不祥事やトラブルを背景に計画は遅れ、目標達成は事実上困難となっていただけに、現実に即した対応にようやく踏み出した形だ。事業者には実態を直視して迅速に対応する努力が求められる。そうした姿勢がなければ、計画をいくら見直しても信頼回復はおぼつかないだろう。
国の核燃料サイクル政策の前提となるプルサーマルについて、電力業界が現行計画を策定したのは1997年。98―2000年には、東京電力の福島第1原発3号機(福島県大熊町)などでの実施を国が許可した。しかし、英国製の燃料データ不正(99年)や東電の原発トラブル隠し発覚(02年)、関西電力美浜原発死傷事故(04年)などが相次ぎ、原発不信の高まりで停滞が続いた。
東北電力の女川原発でも05年、8.16宮城地震で設計想定を上回る揺れが確認され耐震安全性の問題が浮上。その後もミスが相次ぎ、品質保証体制の総点検を求められる事態となったこともあり、地元への申し入れは08年11月にずれ込んだ。
九州、四国、中部の3電力の依頼で製造された混合酸化物燃料(MOX燃料)のフランスからの輸送が今年5月に完了。11月にも国内初のプルサーマルが始まる見通しとなったが、地元了解を得ているのは、これらを含む7原発8基にとどまっている。
目標達成が困難な情勢になっても、電力業界は「10年度までに全実施」の看板を掲げ続けてきた。再処理工場を抱える青森県は、プルトニウムがたまり続ける懸念などから核燃料サイクル事業の着実な前進を求めている。見直しが「事業の後退」と受け止められることを過剰に恐れ、表明に踏み切れなかったという背景はなかったか。
「現実に沿った目標数値で説明しなければ、住民の理解を得られない」。東北のある原発立地自治体関係者が指摘する通り、実態を踏まえた誠実な説明こそが信頼関係の大前提といえる。
(解説=報道部・佐藤崇)
2009年06月06日土曜日