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俳優の高倉健(81)が26日、6年ぶりの主演映画「あなたへ」(降旗康男監督)の撮影を行った富山市の富山刑務所を訪問した。約350人の受刑者が集まった講堂の壇上に上がった健さんは、タイトルにちなみ「早く“あなた”にとって大切な人のところへ帰ってあげてください」と語りかけた。感動のあまり、涙を流す受刑者たちの姿に、健さん自身も目を潤ませていた。
「舎房衣」という統一されたユニホームを身につけ、整然と座っていた受刑者たちが、健さんの登場に沸き立った。1年に1度、あるかないか、という総集行事(受刑者が1か所に集まり行われる行事)に登場した“特別ゲスト”。約350人の受刑者は、皆、子供のように目を輝かせた。
任きょう映画で人気を博した健さん。「網走番外地」や「昭和残侠伝」シリーズなどで何度も服役囚を演じている。壇上から場内をグルリと見回し、「自分はたぶん、日本の俳優では一番多く皆さんのようなユニホームを着た俳優だと思っています」と自己紹介。自らの緊張をもほぐすかのように、軽いジョークで場を和ませたが、その後、信じられない光景が起こった。
「皆さんは一日も早く、あなたにとって大切な人のところへ帰ってあげてください。一日も早く出所されてください。心から祈っています」
一言一言、かみしめるように訴える目には光るものがあった。健さんをよく知る関係者も「見たことがない」という公の場での涙。退場の際、そっと手で目元をぬぐう健さんの姿を見る受刑者たちの瞳も、涙でぬれていた。
今回の訪問は、16日に長崎・平戸市で行われた特別上映会と同じく、健さんの発案で決定した。刑務所での作業の指導技官という役柄。昨年9月、最初の地方ロケとして訪問し、妻役の田中裕子(57)との重要なシーンを撮影した刑務所だ。今回は直接、感謝の意を示したいと考えて訪問が実現した。受刑者たちはこの日、配給する東宝では史上初となる公開中の作品鑑賞を刑務所内で体験した。
刑務所を後にした健さんは「なぜか、涙が出ましたね。不思議な映画の始まりだと思いました。受刑者のみんなも泣いてたね」。ほんのわずかな時間だったが、充実した時を過ごせたことを喜んだ。
景山城佳(きよし)所長は「受刑者に直接、激励の言葉をいただき、受刑者も改善更生や社会復帰に向け、決意を新たにしたところです」と書面でコメントした。健さんの言葉は、受刑者にとって、どんな説諭よりも心に響いたに違いない。
◆イタリアン満喫 〇…刑務所の訪問後、健さんは富山市内の劇場で田中、降旗監督と計4回の舞台あいさつを行った。健さんは昨秋の撮影時を振り返り、「富山は魚がおいしい土地ですが、自分は魚がダメなんで小さなイタリアンの店を見付けて通い、あとはホテルでステーキを食べてました」とのエピソードを披露した。25日に全国339スクリーンで公開された同作は初日だけで動員10万人を突破。東宝では250万人を見込んでいるという。
◆富山刑務所 1872年に旧富山藩から牢獄を引き継ぎ、設置されたのが始まり。1975年に現在地に移転された。再犯者の短期処遇が目的の刑務所。おおむね26歳以上の成人男子が収容され、収容定員は505人。26日現在の収容人数は466人。作品にも登場する御輿(みこし)の製作は刑務作業の一環として78年から行われており、これまでに約5000基が作られている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120827-00000040-sph-ent
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