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日本における外国人参政権(Wikipedia)
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投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 11 月 14 日 20:07:30: mY9T/8MdR98ug
 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%8F%82%E6%94%BF%E6%A8%A9

日本における外国人参政権をめぐる動き

平成7年判決

事の始まり

1990年、永住資格をもつ在日韓国人(特別永住者)が、大阪市の各選挙管理委員会に対して、彼らを選挙名簿に登録することを求めて公職選挙法24条に基づき、異議の申出をしたことに始まる。異議を選挙管理委員会により却下されたため、在日韓国人らが却下決定取消しを求めて訴えを提起した。

大阪地裁の判断

大阪地裁は、(1)憲法15条の「国民」とは「日本国籍を有する者」に限られ、定住外国人には公務員の選定・罷免権は認められない、(2)憲法93 条2項の「住民」は「日本の国民であること」が前提となっている、(3)よって日本国籍を有しない定住外国人には参政権を憲法が保障していると認めることはできないとして、請求を棄却した。 これを不服とした原告の在日韓国人は、公職選挙法25条3項に基づき最高裁に上告した。

最高裁判所の「判断」

最高裁判所は在日韓国人の上告を棄却した。上告棄却により、大阪地裁での判断が確定し、原告在日韓国人の訴えは認められなかった。

最高裁判所の「傍論」

最高裁判所の判例では、「参政権は国民主権に由来し認められるものであるから、その享有主体は憲法上日本国籍を有する国民に限られる」と判断している。

傍論(裁判官の意見のうち、判決理由には入らない部分)として、「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」と付け加え、「このような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生じるものではない」と結んでいる。[1]。 傍論を入れるよう強く主張した当時、裁判官であった園部逸夫は傍論について後に以下のように述べている。

園部逸夫 「この傍論を重視するのは、法の世界から離れた俗論である」(『自治体法務研究』第9号)

(ただし当該事件の裁判長は可部恒雄。また、本判決は傍論部分も含めて全員一致、意見なしである。)
「傍論」による影響

この傍論部分を根拠に、左派勢力を中心に、国民主権の中心的意義は治者と被治者の自同性(統治する者と統治される者が同一であるべきこと)にあることを理由に、日本国籍を持たないが日本と重要な関連を有する者(永住外国人など)にも参政権を認めるべきであるとの主張が為されることとなった。 政党においては公明党や民主党が積極的である。

法学界においては、定住外国人に地方参政権を認めないこと自体が憲法違反であるとの見解(要請説)もある。

各政党の反応

* 公明党は、政党で外国人参政権に特に積極的であり同党は永住外国人の地方選挙権の付与をマニフェストに掲げており、度々、その趣旨に沿った法案を国会へ提出している。

* 民主党は外国人参政権付与法案を公明党の次に多く提出しており、結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げている[2]。ただし2009年 第45回衆議院総選挙のマニフェストには、このことは記載されていない。民主党の推進派議員によって「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」を設立して国会で法案を通すための活動をしているが、党内には慎重な姿勢を見せる議員もおり、2008年5月に党規約に基づく代表の諮問機関として「永住外国人地方参政権検討委員会」を設置し、外国人参政権の取り扱いについて議論を継続している[3]。

o 2009年4月民主党の鳩山由紀夫(当時民主党幹事長)は、ニコニコ動画におけるインタビューにおいて、在日外国人地方参政権について語り、「参政権くらい付与されるべきだ」「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」と発言してしまい、インターネット上では非難が殺到した[4]。

* 日本共産党も党として地方参政権付与を推進している[5]。2009年1月には志位委員長が在日本大韓民国民団中央本部主催の新年会において、「日本共産党は永住外国人に選挙権だけでなく、被選挙権も付与する立場でがんばっています。」と党の方針を述べ、永住外国人に対する被選挙権を与えると表明した[6]。

* 自民党は党としてはなんらの見解も表明していないが、所属国会議員の多くは外国人参政権に消極的である。しかし、一部議員は公明党等と同調して容認する動きを見せている。

日本国内の特別永住者(ほとんどが韓国籍または朝鮮籍)に対する地方参政権付与は、韓国における永住外国人の地方参政権付与を前提にした互恵的制度として日韓間で法案準備がされてきた。その後韓国内で一度廃案が決まった経緯から、日本の自民党では、「すでに一度終わった話」とする意見が多かった。

その後韓国内で永住外国人に地方参政権を与える法律が成立したが、これに対し日本の自民党や民主党の保守派議員からは、韓国に永住する在韓日本人は二桁であり、日本に永住する在日韓国人が50万人以上というオーダーである事などから互恵的とは言えないという意見や、そもそも地方参政権といえども国民固有の権利であり憲法違反であるとして、外国人には与えるべきではないという意見も根強い。
民団・総連の反応

在日コリアン団体の反応では賛否が分れている。韓国民団は地方参政権を得るべきであると主張しており、参政権付与に積極的な民主党と公明党の支援を表明している[7]。そもそも、この平成7年裁判を起こしたのも在日韓国人であることから考えれば当然ではある。

かたや、朝鮮総連は「在日同胞は共和国公民である」という立場から「日本国への政治参加が在日同胞の民族意識を稀薄化させることにつながる」として反対を表明している。その他、「参政権は日本の政治地図を在日コリアンに反映させることになり、さらなる党派分裂もたらす」と危惧する声(金敬得など)もあり、それらが結論においてのみ朝鮮総連と一致するという現象もみられる。
反対派の意見

日本人の反対派からは次のような意見が多い。日本国籍を取得した外国人には、当然参政権がある。日本国籍を持たない外国人に参政権を与えた場合、その者が国籍を持つ国と日本の両方の参政権が二重に与えられることも問題とされる。外国人が参政権を求める場合は日本国籍を取得すべきだというものである。また、保守勢力を中心に、主に安全保障上の理由から外国人参政権に対する拒否感があると言われている。
法的解釈

参政権は基本的人権の一つと考えられているが、人権は法令により付与されるのではなく人として存在するだけで必然的に発生する権利とするのが通説である。一方、日本国憲法も多くの国と同じく国民の参政権については「固有の権利」としており、自動的に外国人の参政権を排除した規定のしかたをしているとの見解がある。参政権に関する諸法令では日本国民であることを明示的に要件としているために、結果としても外国人参政権は本来、排除されている。「国民固有の権利」という表現自体を歪曲して解釈することが地方自治体で横行してきたため戦後、次第に国民国有の権利が外国人によって侵害されてきたという意見がある。

学説においては,(1)憲法上,外国人に参政権を認めることは禁止されているという禁止説,(2)憲法上,外国人に当然には参政権は保障されないが,定住外国人に対し立法措置により参政権を認めることは許されているという許容説(立法裁量説),(3)憲法上,定住外国人に対し,参政権を認めることが求められているとする要請説が唱えられている。(1)が伝統的通説であり,(2)(3)は近時の有力説である。また,国政レベルの参政権と地方レベルの参政権とで議論状況もまた分かれている。

外国人の人権あるいは政治活動の自由についてはマクリーン事件における最高裁法廷判決により「憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきであり、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶものと解するのが、相当である。」と判断されている[8]

定住外国人の地方参政権が問題となった事件で,最高裁判所は1995年(平成7年)2月28日付けの判決において、「公務員を選定罷免する権利を保障した憲法15条1項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である」「憲法93条2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない」として地方参政権を求めた原告の訴えを棄却した。

但し、その際、次のとおり,日本国憲法は定住外国人に対し地方参政権を否定はしていないので立法的施策が可能である、との傍論が付けられた。「・・・このように、憲法93条2項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第8章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」

なお,同判決に関わった園部逸夫裁判官は,強制連行等の歴史的経緯を重視したことを述べている。

同判決に素直に従えば,最高裁は,地方レベルでは許容説に立ち,国政レベルでは禁止説または許容説に立つことが窺われる。

同判決に対しては,これはあくまでも「強制連行された外国人など(つまり日本に住んでいるのが本人の意思でなく日本政府などによって強制された結果)」という前提の話であって、すべての外国人に対して立法措置が可能という意味ではないとの意見がある。また傍論は法的には一切の効力を与えない。

野党などが中心となって1998年10月に初めて国会提出し、審議されるようになった。教職など一定の範囲の公務については外国人に就任を認める立法がなされている。

一方マクリーン事件および定住外国人地方参政権事件の最高裁判例より、国政レベルでの参政権は永住外国人に対して憲法上保障されていないとするのが通説的見解である。

 

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