http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/943.html
Tweet |
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20131012302.htm
「金の卵」掘り当てるか 宇奈月で温泉発電調査
福島第1原発事故後、原発を代替する再生可能エネルギーとして注目を集めるのが地熱 発電だ。富山県は地下の熱量が国内で北海道に次いで2番目に多く、黒部市の宇奈月温泉 周辺に集中しているとされる。地元ではこのポテンシャルの高さに目を付け、地熱発電の 一種「温泉発電」の調査が本格化している。果たして「金の卵」を掘り当てることができ るか。(黒詰拓也)
8日、宇奈月温泉街近くのスキー場。温泉発電の地下調査の専門家5人が斜面に登り、 コイルと円形状のセンサーを埋めていた。試掘に向け、地質構造を探るためである。
温泉発電に取り組むのは、地元の自治振興会や温泉旅館協同組合などが加盟するプロジ ェクトチーム。自然エネルギーを活用して誘客につなげる目的で、町おこしの一環でもあ る。大高建設(黒部市)が調査主体で三菱マテリアルテクノ(東京)に委託しており、昨 年度から経済産業省の助成事業に選定されている。
これまでの調査では地下約1キロに100度、地下約1・5キロに150度の熱源があ る可能性が大きいことが分かったという。17日からは重力探査に移り、断層や地下水の 有無を調べる。来年2月ごろには温泉街の地下構造を判明させ、2015年度までに試掘 を始める計画である。最大で約4億円を見込む試掘費用は国の全額補助となる。
「全てをクリーンエネルギーで賄う全国初の温泉街にしたい」。チームの代表者である 大高建設の大橋聡司社長は意気込みを語る。宇奈月温泉では小型水力発電装置も導入する 予定で、既に実験を終えており、温泉発電を加えて「先進的なエコリゾート地を目指す」 と鼻息が荒い。
資源エネルギー庁によると、宇奈月温泉や立山を含む「中部山岳国立公園」周辺の熱量 は、最大で200万キロワットの発電能力を持つとの研究結果もあるらしい。志賀原発2 号機(出力135万8千キロワット)の約1・5倍に達する規模だ。一般的に地熱発電は 再生エネの中でも天候に左右される太陽光や風力より稼働率が安定しているといわれるが 、温泉資源に恵まれた北陸ではまだ一つもない。本当に実現性はあるのか。
チームのアドバイザーを務める富大大学院理工学研究部の上田晃教授(地球化学)は、 これほど高温の湯が大量に出る地点は全国有数と期待感を示しながら、こう語った。「熱 源を一から掘り当て、温泉発電を始めるのはギャンブルに近い」
九州電力は国内で最も多い6基の地熱発電所を持つ。広報担当者によると、出力が1、 2号機で約11万キロワットと最大の八丁原発電所(大分県)では調査開始から運転まで 15年ほど掛かった。初期投資も膨大で熱源までの掘削に数十億円を要するとされ、「原 発や火力、水力よりコストの回収に時間が掛かる面がある」という。
地熱発電については「うちの温泉が枯れたらどうする」と反対する人がいるとの話を聞 いたこともある。もちろん規模は違うだろうが、課題も少なくないようだ。
とはいえ、宇奈月温泉の人たちは真剣だ。熱源の発掘と同時に、温泉街を流れる黒部川 上流の源泉を活用する構想を描き、温室栽培やウナギの養殖ができないかどうかも検討し ているという。
プロジェクトチームのメンバーは27日から11月2日まで、自然エネルギーの普及が 進むドイツとアイスランドを視察する。アイスランドはエネルギーの65%を地熱発電で 賄う「地熱王国」。暖房用に使われる温泉が入ったタンクなどを見て回る。
黒部市の堀内康男市長と川端康夫黒部商工会議所会頭も参加する予定で、地元の関心の 高さがうかがえる。黒部川の電源開発で栄えた宇奈月温泉は今年開湯90周年を迎えた。 温泉客が減少する中、町おこしにつなげようと難題に立ち向かう姿は、地元の人たちを元 気づけるに違いない。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。