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地熱発電についてのとても優れた記事二つの紹介
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/914.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 8 月 07 日 23:59:30: 9XFNe/BiX575U
 

地熱発電についての大変に優れた記事です。そのうちに誰かがこちらの掲示板へ投稿するだろうと思っていたのですが、未だに紹介されないので自分で投稿することにしました。

どう考えても今この時期に地熱発電の大規模開発をしなければ日本の先行きはないと思います。原発を至急廃炉にして地熱発電をやるべきです。次の大地震は10年以内には来ます。廃炉は急に実現しません。

また、このままで行くと、一気に化石燃料の輸入代金のために数年で財政破たんし、それが産業の空洞化を招きという形で悪循環に入り、数年間で日本社会は様変わりになる可能性が大変に高いと思います。その意味でも、なるべく早く地熱発電をもっと大規模にやるべきです。大規模と言う意味は、地方都市で1万キロワットから3万キロワットの発電所を1000か所程度作るという意味です。


世界初の地熱発電が日本の原発を不要にするシェールガス革命がもたらした日本の最新技術
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38323


国の政策で豊かな地下資源を“棄てた”日本デフレ突入とともに地熱開発をやめ、技術は後退
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38351  

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コメント
 
01. 2013年8月08日 09:41:06 : e9xeV93vFQ

シェール革命の父、ジョージ・ミッチェル
フラッキングを可能にした稀代の事業家の生涯

2013年8月8日(木)  The Economist


 米国はこのところ、悲観の泥沼にはまり込んでいる。その雰囲気は、米国について書かれた数々の本の書名を見れば分かる。『かつての超大国アメリカ――どこで間違えたのか どうすれば復活できるのか』(トーマス・フリードマン、マイケル・マンデルバウム)、『考え始めるべき時――凋落時代の米国』(エドワード・ルース)といった書名だ。

 米国では、自分の子供の暮らしが、現在の自分たちの暮らしよりも悪くなるだろうと考える人が、数十年ぶりに多数派を占めるようになった。いまや、「米国人は何でもできる」という楽観主義の熱は冷めた。代わりに、「何もできるはずがない」という欧州的な消極主義に落ち込んでも不思議ではない。

 この変化には十分な理由がある。別の、やはり悲観的な本の言葉を借りるなら、政治システムは、「見かけ以上に悪い」状況にある。中間層の生活水準は伸び悩んでいる。イラク戦争は大失敗に終わった。

ミッチェル氏が体現する米国の底力

 しかし、悲観論者は、米国を反転させる大きな力に目を向けていない。米国には、自らを作り替えるケタ外れの能力があるのだ。これほど多くの革新的な新興企業を、これほど多様な業界で生み出す国は、ほかにない。コンピューターとインターネットが支えるニューエコノミーの分野だけではない。小売り、製造、エネルギーなどのオールドエコノミーの分野でも、革新的な企業が次々と生まれている。

 米国の没落説の誤りを証明するには、7月26日に亡くなったジョージ・ミッチェル氏1人を挙げれば十分だ。

 米国のエネルギー産業は、1970年代から地位の低下に甘んじてきた。その凋落は、明らかに避け難く見えた。アナリストが作成するグラフは、米国産の石油と天然ガスが近く枯渇することを示していた。石油メジャーは、生き残りを賭けて世界に手を広げていった。しかしミッチェル氏は、地下深く眠るシェール(頁岩)層に閉じ込められた膨大な石油・天然ガス資源を地上に取り出せると確信していた。

 ミッチェル氏は数十年かけて、シェール層から石油や天然ガスを採取する技術を完成させた。地下に高圧の液体を注入し、岩に割れ目を作って(これをフラッキング=水圧破砕という)、閉じ込められた石油や天然ガスの通り道を作る。また、1本の坑井の産出量を高めるため、縦坑を掘ってから横向きに掘り進む(水平坑井掘削)。

 こうして革命は起こった。ミッチェル氏は、2012年に英エコノミスト誌のインタビューに答え、フラッキングが米国のエネルギー市場をいずれ根底から覆すことに、一片の疑いも抱かなかったと述べている。そのミッチェル氏でさえ、変化の速さには驚いたという。現在米国で産出する天然ガスの4分の1以上がシェール層から採掘されている。2000年にはわずか1%にすぎなかったのだ。

 米国はもはや、天然ガスの純輸出国になりつつある。その結果、サウジアラビアやロシアなど、従来の石油大国は、国際取引上の優位を失い始めている。

成功する事業家の条件はビジョンと気骨

 ミッチェル氏の人生は、まさにアメリカンドリームそのものだった。父親は、ギリシャで山羊を飼って暮らしていたが、米国に移住し、後にテキサス州ガルベストンで靴磨き店を経営するようになる。暮らしは貧しく、ミッチェル氏は独力で大学への道を切り開かなければならなかった。それでも大学はクラス一番の成績で卒業した。

 ミッチェル氏が残した遺産は20億ドル(約2000億円)以上に上る。ミッチェル氏が行った慈善事業の足跡はテキサス州の各地に残る。特に大学の研究部門とガルベストンの町には、惜しみなく支援を与えた。

 ミッチェル氏は、起業家精神の権化でもあった。シェールガスやシェールオイルを発見したのはミッチェル氏ではない。シェール層の存在は、ミッチェル氏が採掘を始める何十年も前から地質学的調査で明らかになっていた。フラッキング法の発明さえ、ミッチェル氏の功績ではない。この技法は、1940年代から実用化されていた。

 しかし、偉大な起業家で、全く新しい発明をした者などほとんどいない。ミッチェル氏の偉大さは、ビジョンと気骨を併せ持っていた点にある。そのビジョンゆえに、ミッチェル氏はバーネットシェール層(ダラスとフォートワースの地下に広がる)に埋蔵された膨大なエネルギーを、技術的に解き放つことが可能だと確信していた。そして、その気骨ゆえに、頑固な岩盤がついに屈して豊かな資源を差し出すまで、あきらめずに格闘を続けた。

 ミッチェル氏は大学で石油工学と地質学を学び、第2次世界大戦中は陸軍工兵隊に所属した。退役後は、大きな組織を信じなくなっていた。テキサス州に戻ったミッチェル氏は、地元の大手企業ではなく、小さな個人経営企業でキャリアを開始した。また、ギャンブラー的な才能も発揮した。当時「山師の墓場」と呼ばれていた土地の権利をシカゴのブックメーカーから買い取り、すぐに13本の噴油井を掘り当てたのだ。

 だが、不屈の精神こそが、ミッチェル氏の最大の特質だった。ミッチェル氏は、投資家や友人たちの嘲笑を受けながら、20年にわたってフォートワース周辺の土地に穴を掘り続けた。「皆に『ジョージ、きみはカネをドブに捨てている』と言われたが、それでも、あきらめることなど考えもしなかった」

 そして1998年、既に80歳に近づいていたミッチェル氏の会社の開発チームは、それまでのねばねばした掘削液に代えて、水*を使うアイデアにたどり着く。これで掘削コストが激減し、バーネットシェールは金鉱となった。

*:水に薬品と砂を混ぜたもの。抵抗が少ないため加圧注入が容易になった。砂が割れ目に入り込み、減圧後も割れ目を維持する

起業を支える米国政府の役割

 ミッチェル氏の物語は、努力が報われ、先見の明が裏付けられたという単純な個人の成功譚ではない。そこからは、政府がいかに起業家精神を支えられるかという側面も見て取れる。

 ミッチェル氏の会社は、様々な公的機関の支えに頼ってきた。例えば、シェールガスの埋蔵資源地図を作成し(これにより、資源量が豊富であることがはっきりしていた)、ダイヤモンドドリルビットなどの技術開発に助成金を出したのは公的機関だ。

 ジミー・カーター政権は1980年代に、石油会社の「たなぼた利益」に課税し始めたが、その時でさえ、非従来型の天然ガス掘削に対しては課税を控除した。

環境保護と発展にどう折り合いをつけるか

 このところ、英国をはじめとする世界中で、環境保護論者がフラッキング反対運動を行っている。しかし彼らも、ミッチェル氏が早くから、環境保護と経済成長の両立を目指していたことを知れば驚くだろう。

 ミッチェル氏は1974年に、ヒューストンの北にある松林の中に「ウッドランズ」という計画的コミュニティーを建設した。それは、都市のスプロール化問題に対処する1つの提案だった。この町には、100万ドル(約1億円)クラスの豪邸もあれば、公共施設も事業所もある。

 ミッチェル氏は晩年、フラッキングを厳しく規制するよう、政府に求めていた。個人事業の乱暴な掘削人が、いいかげんなフラッキングをして環境を損ない、自分が開発した技法の信用を貶めることを心配していたのだ。

 ミッチェル氏の息子のトッド・ミッチェル氏によると、「ミッチェル氏の矛盾」というものがある。まず、ミッチェル氏は、人口をコントロールすることを正しいことと考えていたが、自分は10人の子供を作った。また、持続可能な発展を支持していたが、再生可能エネルギーには投資しなかった。

 フラッキングと持続可能性という2つの方向に向かったミッチェル氏の一対の情熱に、どう折り合いをつけるかは、これから何十年もかけて人類が取り組むべき重要な課題となるはずだ。

 1つだけ確かなことがある。ミッチェル氏がテキサスの荒野に穴を掘ることから始めた革命は、シリコンバレーで生み出されたアルゴリズムと同じくらい確かに、世界を変えつつあるということだ。 


02. 2013年8月30日 02:51:59 : niiL5nr8dQ
JBpress>日本再生>地球の明日 [地球の明日]
日本の地熱発電技術、世界一から滑り落ちる危機
発電量が安定、コストも安いのになぜ二の足踏むのか
2013年08月30日(Fri) 川嶋 諭
 福島第一原子力発電所から漏洩が続く高濃度の汚染水は非常に厄介な問題だ。しかし、これを早期に解決できないようでは日本が原発を再稼働させる資格はない。東京電力任せにせず国を挙げて全力で取り組む必要がある。

 一方で、この問題が示唆するのは、原発に代わる代替エネルギー源を一刻も早く開発、実用化させていくことだろう。恐らく、その最右翼にいるのが地熱発電である(地熱発電に関するこれまでの記事1、2)。

世界第3位の地熱資源大国

 何しろ、日本は小さい国土ながら地熱の資源では世界有数の資源国なのである。日本の地熱発電研究で第一人者である弘前大学の村岡洋文教授(北日本新エネルギー研究所長)によれば、地熱資源量が最も多いのが米国の3000万キロワット。

 次いでインドネシアの2779万キロワット。これに次いで日本は世界第3位。2347万キロワットもの資源を有する。4位以降は一気に資源量が激減して、4位フィリピンとメキシコが600万キロワットでしかない。

 米国の陸地面積が963万平方キロで日本(38万平方キロ)の約24倍、インドネシアの陸地面積は191万平方キロで日本の約5倍であることを考えると、地熱資源の密度はこの2つの国を圧倒する。

 しかし、前回書いたように日本は原発一辺倒にエネルギー政策の舵を切ったために、この豊かな資源をほとんど開発してこなかった。その結果、今や人口がわずか32万人のアイスランドよりも地熱発電量は少ない。

 日本が原発に現を抜かし、日本の地下に眠る大資源に見向きもしなくなった頃、エネルギー自給に敏感な世界の国々は、日本よりも圧倒的に少ない地熱資源を効率良く回収する仕組みにしのぎを削り始めた。

 それがバイナリー発電という方式である。これは日本のように恵まれた地熱資源のない国が、少ない資源を有効活用する発電方法だ。

 日本では少し地中深く掘れば、地熱発電に適した摂氏200度以上の熱水を容易に得られるが、資源の乏しい国ではかなり深く掘っても得られる熱水はせいぜい150度にしかならない。あるいは温泉のように100度以下の場合もある。

 こうした温度の低い熱水では、蒸気の力が弱く発電効率が極めて低くなる。そこで、温水の熱を熱交換器を通して冷媒と呼ばれる沸点の低い化合物に移し、その冷媒が低い温度でも蒸発して勢いよく噴き出す力を利用してタービンを回し発電するのがバイナリー発電だ。

 この方式だと、常温では蒸気とならない100度以下の温水でもタービンを回すことが可能になるため、地熱資源の乏しい国を中心に普及が進み始めている。

 日本が豊かな資源を眠らせたままにしている間、世界では少ない資源を効率的に使おうという努力が続けられてきたわけである。

バイナリー発電で伸張著しいイスラエル

 日本が地熱発電の研究から手を引く15年ほど前にはほとんど見られなかったこのバイナリー発電は、今や世界の地熱発電の4分の1を占めるまでになり、さらにシェアを拡大しそうな勢いだ。

 この分野で急速に力を伸ばしているのがイスラエルの企業。弘前大学の村岡教授は「イスラエルのオーマットという会社が、日本にはない軍事技術の転用でバイナリー発電の圧力容器では世界市場をほぼ独占的に握っています」と言う。

 地熱発電のタービンでもかつては圧倒的に強かった日本メーカーの牙城を崩し、イスラエルが世界市場の24%を占めるまでに拡大してきた。優れたガスタービン技術などを持つ日本メーカーはまだ強いとはいえ、すでに世界シェアは50%を割り込んだ。

 このままの状態が続けば、日本が地熱発電の技術で世界一の座から滑り落ちるのも時間の問題だろう。兎と亀の寓話ではないが、資源も技術もあることに胡坐をかいてうとうとしている間に、日本は追い抜かれ、世界の景色が全く変わってしまっていたということになりかねない。産業育成という意味でも原発依存は大きな問題がある。

 しかし、3.11は少しずつではあるが日本にも変化をもたらし始めている。地熱発電の研究開発予算が復活したり、規制緩和されて企業の新規参入が容易になり始めたりしているのだ。

 例えば、電気事業法の一部が改正され、300キロワット未満のバイナリー発電に関しては、専任のボイラー・タービン技術者を置かなくてもよくなった。これは前から要望が出されていながら実現されなかった規制緩和策で、明らかに3.11の原発事故が後押ししたと言っていい。

 小さな規制緩和に見えるが、その効果は大きい。

 専任の技術者が不要になることで発電コストが大きく下がると見た企業が相次いでバイナリー発電に参入し始めたのだ。

 神戸製鋼所はスクリュータービンと発電機を1つの軸で直結して小型化した基本出力70キロワットの「マイクロバイナリー」という発電システムを商品化した。日本のお家芸とも言える高効率のヒートポンプや冷凍・圧縮機の技術を組み合わせて高効率なシステムとなっている。

 一方、IHIはターボチャージャーやジェットエンジンなどの得意技術を駆使し、今年8月、出力20キロワットの小型バイナリー発電機「ヒートリカバリー」を発売した。70度から95度の温水があれば発電できるという。

軽トラックで運べる超小型発電機

 温泉地などでの余った温水や高温の工場排水などから電力を取り出すことができるため、地域分散型の発電システムとして期待が持てる。

 またアルバックの100%子会社であるアルバック理工は軽トラックで持ち運ぶことができる超小型のバイナリー発電機を開発している。使い方の一例として、91度のお湯が毎秒43リットル得られれば、エネルギー回収率7.8%で3.8キロワットの発電ができるという。

 これ1台で一般家庭5〜20軒分が使う電力が得られるそうだ。こうした小型のバイナリー発電機が普及し、日本中で排出される200度以下の廃熱から発電すれば、理論上は日本の全家庭が使う電力の45%を賄えるという。

 また、川崎重工業も250キロワットのバイナリー発電機用タービン「グリーンバイナリータービン」を開発した。

 小型化が得意な日本の技術が十二分に生かされる分野と言えるだろう。こうした企業の取り組みを見るにつけ、日本という国にとって規制緩和の効果がいかに大きいかが分かる。

 さらに世界的なバイナリー発電の需要に応える形で、大型のバイナリー発電機の開発も進められている。富士電機は2000キロワットのバイナリー発電システムを開発、インドネシアなど地熱発電に力を入れる東南アジア市場を目指している。

 日本が本格的に地熱発電に力を入れれば、企業の開発にも弾みがつくことは間違いない。そして確実にコストは下がり、発電効率は上がっていく。

 地熱発電について3回(第1回、第2回)にわたってお送りしてきた。日本が原子力に偏って地熱発電に積極的に取り組まない理由がないことをお分かりいただけたと思う。

 コスト的にも、現在の技術でも「1キロワット時当たり8〜10円のコストで発電できる地熱発電に適した場所は日本にかなりある」と弘前大学の村岡教授は話す。「1キロワット時20円であれば日本中至る所で発電できる可能性があります」と言う。

 3.11を契機として、風力や太陽光発電など自然エネルギーから得られた電力は1キロワット時当たり42円で買い取ってくれることになった。地熱発電も1.5万キロワット以下であれば42円で買い取ってくれることになった。1.5万キロワットを超える大規模発電所の場合でも27.3円である。

 太陽光や風力など安定しないエネルギー源と違って、地熱は常に一定の電力が得られるという大きな強みもある。地熱発電への関心は少しずつ高まっているが、もっと大々的に取り組んでもいいのではないか。

 第1回で触れたように、世界初で非常に高効率な地熱発電が日本に誕生する可能性があり、それはまた、付随する産業を刺激して育てる可能性が高い。

 福島第一原子力発電所の高濃度汚染水の漏洩問題がなかなか解決できないのを考えると、地震大国・地熱資源大国の日本が進むべき方向性は自ずと見えてくるのではないだろうか。


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