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北海道電、電力網に蓄電池
住友電工製、発電量変動を調整 再生エネ拡大に弾み
北海道電力が再生可能エネルギーの導入拡大に向け、寿命が長く安全性も高い新型の大容量蓄電池を導入することが分かった。住友電気工業が開発し、2015年にも電力網につないで稼働させる。太陽光発電などを大量導入すると電力網の電圧などが不安定になるのを蓄電池の充放電で防ぐ。電力会社が大容量蓄電池を本格導入する初の事例になり、再生エネ普及の弾みになりそうだ。
北海道電は新型蓄電池を基幹変電所に設置する計画だ。電気をためられる能力は6万キロワット時(一般家庭6千世帯の1日分の消費電力に相当)で世界最大級となる。導入費用は200億円規模とみられ、再生エネ導入拡大や蓄電池ビジネス事業の育成を狙う経済産業省が資金支援する。
昨年7月から始まった再生エネの固定価格買い取り制度に伴い、土地の取得が容易なことなどからメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業などに参入する事業者が急増。ただ太陽光発電や風力発電は気象条件などにより発電量が大きく変動し、大量に導入した場合には電力網の電圧や周波数に影響を与えかねない問題があった。
このため北海道電は受け入れ能力に限界があるとして4月に電力網への接続を太陽光発電分(出力2千キロワット以上)については40万キロワットに制限すると発表。今後各地でメガソーラーなどの建設が進めば他の電力会社でも同じ問題が起きる可能性があり、再生エネ普及に向けた課題になっていた。北海道電は新型蓄電池により導入可能量を1割程度増やせるとみられる。
住友電工が納入するのは同社が開発を進めてきた「レドックスフロー電池」と呼ばれる大容量蓄電池。寿命は20年程度持つ。実用化で先行するリチウムイオン電池の倍の長さだ。電気を大量に蓄えても発火を防げるなど安全面にも優れている。
同社は現在、横浜製作所に5千キロワット時のレドックスフロー電池を設置し、実証試験を始めている。14年度からは大阪製作所で電池の量産を始め、5〜6年間で年1千億円規模に育てる考えだ。
日本は電力の有効利用に必要な大容量蓄電池技術で世界に先行している。政府は昨年7月に「蓄電池戦略」を策定。次世代蓄電池の実用化を後押しし、日本企業の世界シェアを現在の2割弱から20年に5割に高める目標を掲げている。
[日経新聞7月5日朝刊P.13]
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