http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/881.html
Tweet |
日経新聞は、風力や地熱といった発電施設が抱える隘路を規制の面から紹介する記事を連載した。
「規制緩和」ブームが続いているが、この20年間で進んできた「規制緩和」をさらに進める動きだから、昨今の「規制緩和」の標的は、商売のためなら人々の健康や生活環境を“少々”は犠牲にしてもかまわないという領域に入ったという印象を受ける。
電力自由化も「規制緩和」政策のなかの重大な一つだが、「電力自由化」に限っては、従来の電力会社に「規制なき独占」のメリットを付与する政策といえるものだ。
日経新聞社は「電力自由化」の旗振りを務めているが、転載する記事を読めば、それが、自らも使っている用語である「規制なき独占」のメリットを電力会社に付与するための旗振りであることがわかるだろう。
従来の電力会社が寡占と言うより独占と言ったほうがふさわしい電力供給事業を“自由化”すれば、たとえ、“発送電分離”を行おうとも、旧電力会社に「規制なき独占」(勝手気まま)を許すことになるだけだ。
今なお、全体の販売量に占めるシェアが3%程度しかない新電力業界のある会社の幹部のインタビューを読めば、「電力自由化」なる政策がいかに虚構の話なのか理解できるはずだ。
独占の業界は、需要者が大きな損失を被らないよう、法でがんじがらめに規制するしかないのである。
「いま規制されている家庭向けの小売りも将来、解禁される。それでも発電量の大半を握る大手から調達できなければ我々は売るものがない。『規制なき独占』に陥る」
「大型の火力発電所をつくるにはとても時間がかかる。建設計画をたてて、環境影響評価(アセスメント)を受けて、完成するまでに10年は必要だ。小型の火力発電所なら短期間で稼働するが、効率が悪くて採算がとれない」
※ 参照投稿
「“旧電力”9社で発電総量の96.5%シェア:その自由化が電力会社に対する“勝手気まま優遇政策”になると理解されぬ日本」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/816.html
「「電力自由化」と電力供給活動の特殊性:「電力自由化」は電力会社の勝手気ままな利益追求を許しかねない政策」
http://www.asyura2.com/12/senkyo142/msg/113.html
================================================================================================================================
エネルギーの明日へ
(5)新電力に「規制なき独占」の壁
インタビュー
2013/6/11 2:00
電気代をもっと安く――。電力会社が独占してきた世界に風穴を開けようと、2000年の規制緩和を受けて「新電力」と呼ばれる会社が発電や小売りに参入した。工場や商業施設など大口客に安い電気を供給しているが、全体の販売量に占めるシェアは3%程度。なぜ広がらないのか。新電力の最大手、エネット(東京・港)の谷口直行経営企画部長に聞いた。
――料金の安い新電力が普及しないのはなぜですか。
「売る電力がないからだ。大手電力から余った電気を買う市場があるが、大手はなかなか売ってくれない。業界をずっと独占してきた大手からみると、競争が起きるのが怖いのだろう」
「いま規制されている家庭向けの小売りも将来、解禁される。それでも発電量の大半を握る大手から調達できなければ我々は売るものがない。『規制なき独占』に陥る」
――大手電力から買えないなら、自前の発電所をつくれませんか。
「大型の火力発電所をつくるにはとても時間がかかる。建設計画をたてて、環境影響評価(アセスメント)を受けて、完成するまでに10年は必要だ。小型の火力発電所なら短期間で稼働するが、効率が悪くて採算がとれない」
――電気をつくっても、大手の送電網を使うとお金がかかります。
「託送料と呼ばれる負担が大きいうえに、金額が会社によって平等なのかよくわからない。さらに当社の客の消費量が発電量を3%以上、上回ったときは大手電力会社に『罰金』を払う。大型発電施設が1日止まると、会社全体の1カ月分の利益が吹き飛ぶほどの金額だ。大手に足りない電力を補ってもらうとはいえ、負担が大きすぎる。一つの参入障壁になっている」
――政府は4月に家庭向けの小売り自由化や発送電分離を決めました。これで新電力が普及しなかったらどうしますか。
「(独占的な企業を厳しく縛り、新規参入企業を優遇する)『非対称規制』を導入すべきだ。電電公社の民営化のときも、NTTに対して非対称規制をかけたことで現在のKDDIやソフトバンクといった会社が参入し、競争が生まれた」
「電力業界にあてはめるなら新電力に対して、大手から一定量の電力を安く買う権利を与えるといった方法がある。そうすればわれわれ新電力にも調達のチャンスが広がり、きちんとした競争ができる」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0604B_X00C13A6000000/
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。