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平成25年4月19日パシフィコ横浜にて「神奈川発水素革命」と称するセミナーが行われた。
神奈川県・NEDO・東京ガス・JX日鉱日石エネルギー・日産自動車が構成メンバーの「神奈川発水素革命実行委員会」主催のイベントだった。
水素エネルギーは40年前から研究開発が進められていたが、近年燃料電池の開発が開花しコスト低減が進んだことも原因して産業化が急ピッチで進んだというのが現状だ。
エネファームや燃料電池自動車(FCEV)が商品化され普及段階に入った事により注目度をあげている。今まであまり関心のなかった技術だけに、今回は大変よい勉強になった。
水素革命の要点を次に列記する。
1. 水素エネルギーは二次エネルギーだ
2. 石炭・石油・天然ガス・バイオ燃料・自然エネルギーなどの一次エネルギーから得られる
3. 多様な原料から生成されるため、エネルギーの統合活用のプラットホームになる
4. 電気分解と燃料電池は電気と水素の架け橋となり、貯エネの重要な手段となる
5. 太陽や風力など自然エネルギーの不安定性をカバーする大量蓄電に資する
6. 水素革命の中核技術は燃料電池である
7. エネファームは熱と電気の併行供給によりエネルギー効率を飛躍的に高める
8. 水素の特徴は、軽い(空気の10分の1)、反応しやすい、輸送可能、クリーンなエネルギー
9. 水素革命の裾野は広く多くの産業の活性化につながる
今回のセミナーの第2部でパネルディスカッションが行われた。黒岩神奈川県知事がコーディネートし持ち前の前キャスターのうまい司会ぶりをいかんなく発揮された。
エネルギー革命の中心的役割を神奈川県が担う意味は、化学プラント会社が多数存在し2次的産品として水素が供給されること、NEDOはじめ関連研究機関が立地すること、黒岩知事の肝いりで太陽光発電の普及を進め初期の成果を上げており貯電技術が求められていること、同日海老名の燃料電池自動車の水素補給マルチプラットホームの開所式があったこと、エネファームの普及が4万台に達し神奈川県が上位を占めていること、神奈川県が当初からエネルギーの地産地消を目標としていること、等々通産省の支援も期待できる。
黒岩知事は水素革命の成否は安全性の確保にあると述べていたが各部門の技術者は安全性の確保には十分力を入れており、例えば燃料電池自動車などでは水素タンクの改良を徹底的に進め、火にくべても高所から落下されても銃弾を撃ってもびくともしないところまで行っている。むしろ安全性を一般にどうやって説明し徹底させるかの方が難しいと云っていた。
最後に水素革命の今後の課題について述べておく。
エネファームも燃料電池自動車も燃料電池の小型化が進み新型では従来型の2.5分の1となっている。今後はコスト低減をいかに前倒しするかが課題となる。
家庭用のエネファームは現在200万の価格を70万〜80万にすることを目標にしている。また電気自動車については200万を切ることが当面の課題とされている。充電時間も30分から3分に短縮された。
水素革命・夢の新技術として水素吸蔵合金(FeとTi 合金など)の紹介があったが、水素を消費しない技術として注目される。
更にこれは私見ではあるが地層深部化石燃料の開発が進むほど採掘技術として水素技術活用の方向が一層深まるのではないか。特に石炭ガス化・IGCCとの関連、CCS(CO2の地層処分)との関連などに関心がある。 動画掲載:http://iy5.org/
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