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<font size='4' color="#00084">メタンハイドレートの有効利用はまだまだ無理
本日の明るいニュースとしてメタンハイドレートの試験採取成功が大きく報じられている。しかし、実用化というか商業的な利用はまだまだ無理だ。以下その根拠。
1.深さ1000メートルの海底から更に200mから300m深い地殻の中から掘り出すわけで、1000メートルの水深だけを考えても、水深10メートルで1気圧なので100気圧程度の圧力がかかる。沸騰水型原発の圧力容器で耐圧100気圧はないということで、この深さで動く機器の開発はとても大変。
2.メタンハイドレートは高圧と低温でメタンガスが結晶化しているもの。そのままでは固体なので海底から連続的に取り出すことはできない。海底油田のように連続的に取り出すためには気化させる必要があるが、気化させるためには減圧する範囲を決める必要がある。しかし、そもそもどのぐらいの範囲にどのようにメタンハイドレートが分布しているのかはほとんど分からない。多分現状はかなり推量で範囲を決め、そこを物理的に何らかの形で囲い込んで減圧している。だから、物理的に囲い込んだ部分からはガスを採取できるが、そこだけなので、新たにまた物理的に囲い込みをしなければならず、こんなことをやっていたらとても採算は合わない。つまり、減圧法ではそれこそ数十メートル四方ごとに井戸を掘るようなことになるがとても無理。
3.そのためたとえば温水を送り込んで強制的に気化させるような手法が考えられ居るはずだが、これだとコントロールが難しく、海底の地盤に閉じ込められているメタンハイドレートが勝手に気化しはじめて地盤を壊し、海中へどんどんと漏れてしまう可能性がある。ある程度は海水に溶けるがかなりの分量が大気中へ漏れることになるはずで、これは大変な環境汚染になる。メタンガスの温暖化効果は二酸化炭素よりもずっと大きい。
4.陸上まで運ぶためには、船上で再度液状化する必要があるが、これがまた大変。液状化しないのなら海底パイプラインを引くことになるがこちらもかなりの技術開発が必要。つまり、海底から採掘したメタンハイドレートは水分などが含まれていてそのままパイプラインで送るのはいろいろな問題がある。ガス自体の純度だけでなく圧力調整などいろいろな関門がある。
5.そもそも、実用化のめどが5年後となっているが、それまでに化石燃料の輸入代で日本経済がパンクしてしまう。財政破たんが4年後程度で来るはずで、とても間に合わない。
6.日本には地熱があり、既に商業的に十分に利用できる状態になっている。こちらが利用できないのに、まだ技術開発もできていないものに希望をかけるのはおかしい。原発再稼働への圧力があってそれがすべての世論をゆがめている。日本以外の地熱資源国はアメリカをはじめとして今大規模に地熱開発をやっている。
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http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130312-OYT1T00555.htm?from=top
メタンハイドレートの試験採取成功…愛知沖
経済産業省は12日、愛知県沖約80キロ・メートルの海底地層から天然ガスの一種「メタンハイドレート」の試験採取に成功したと発表した。
海底からのガス採取は世界で初めてという。日本近海には、国内の天然ガス消費量の約100年分に当たるメタンハイドレートがあるとの推計もある。政府は2018年度の商業化を目指しており、安定的な生産の道筋がつけば、豊富な国産エネルギーとして活用することが期待できる。
地球深部探査船「ちきゅう」が同日午前6時前、水深約1000メートルの海底までおろした掘削機を使って、固形状のメタンハイドレートを水と天然ガスに分解し、ガスを取り出して海上まで引き揚げる作業を開始。約4時間後の同10時頃、船尾に設置したバーナーから、ガスの産出を示す炎(フレア)が上がった。
(2013年3月12日13時24分 読売新聞)
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130312/k10013138431000.html
海底からメタンハイドレート採取に成功
3月12日 11時51分
資源エネルギー庁は、将来の国産天然ガスの資源として期待されている「メタンハイドレート」について、愛知県と三重県の沖合で世界で初めて海底からのガスの採取に成功したと発表しました。
発表によりますと、12日午前9時半ごろ、愛知県と三重県の沖合で、国の委託を受けた独立行政法人のJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構が中心に進めているメタンハイドレートの試験開発で、海底より数百メートルの深さの地層から天然ガスの採取に成功しました。
資源エネルギー庁によりますと、海底にあるメタンハイドレートからの天然ガスの採取は世界でも初めてということです。
メタンハイドレートは、天然ガスと水が結びついてシャーベット状になった天然資源で、「燃える氷」とも呼ばれています。
日本近海の海底でも埋蔵が確認されているため、将来の国産天然ガス資源として期待が高まっていて、政府はこのうち愛知県と三重県の沖合で、ことし1月から試験開発を進めてきました。
現場では今後、2週間ほどかけてガスが安定的に採取できるかを調査するということです。
今回の海底には日本の天然ガス使用量の14年分に相当するメタンハイドレートの埋蔵が見込まれていて、資源エネルギー庁は、5年後をめどに商業化に向けた技術を確立したいとしています。
課題は生産コストと効率
エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本。
特に原発事故以降は、火力発電用の燃料輸入が増大しているため、国産エネルギーの開発を急ピッチで進めています。
この中でも、将来の国産のエネルギー源として最も期待されているのがメタンハイドレートです。
メタンハイドレートは、日本近海の広い範囲で埋蔵されていることが分かっています。
今回、試験開発されている海域だけでも、日本の天然ガス消費量の14年分の埋蔵量が見込まれています。
さらに、新潟県の上越沖や北海道の網走沖、日本海の秋田県から山形県にかけての沖合などで実際にメタンハイドレートが確認されているほか、紀伊半島から四国、九州にかけての太平洋沿岸でも埋蔵の可能性が指摘されていて、日本近海の埋蔵量を合わせれば、日本の天然ガス消費量の100年分に相当するという試算もあります。
このため、政府内には「商業生産が実現すればエネルギーの輸入依存体質を大きく変えられる」といった見方もあり、開発にはこれまで588億円が投じられています。
ガスと水が結びついたシャーベット状のメタンハイドレートから、天然ガスを採取するには高い技術が求められますが、日本はこの技術面で世界をリードしています。
世界で初めて内陸部のメタンハイドレートからガスが採取されたカナダ北西部の内陸部での試験開発も、日本政府が中心になって進めました。
一方、課題は生産コストです。
通常の天然ガスは、埋蔵している地層にパイプを通せばガスが出てくるのに対し、メタンハイドレートは、シャーベット状の固体からガスだけを取り出す必要があります。
このため、今回の試験採取については、アメリカで生産が増加しているシェールガスと比べても、コストは17倍になっているという試算もあります。
また、一般的なガス田に比べると、メタンハイドレートからガスを採取する効率は10分の1程度とされ、効率の悪さも課題です。
政府は、商業生産に向けて5年後をめどに生産技術の確立を目指すとしていますが、コストの圧縮や、効率の向上が大きな課題となりそうです。
一方、電力会社やガス会社は、今回のガス採取について期待感をもっているものの、商業生産に向けてはまだ多くの技術的な課題があるとして、今後の開発状況を見極めたいとしています。
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http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE92B04L20130312
愛知沖でメタンハイドレート生産に成功、実用化には課題も
2013年 03月 12日 16:34 JST
[東京 12日 ロイター] 経済産業省資源エネルギー庁は12日、愛知県と三重県の沖合の深海で天然ガスの一種であるメタンハイドレート10+ 件の産出に成功したと発表した。
同庁によると海洋でのメタンハイドレート10+ 件の生産成功は世界初。日本近海に豊富な埋蔵が見込まれるため、国産資源としての期待は高いが、商業ベースでの本格的な実用化には採掘技術やコストなどで課題があるという。
今回の地点は、愛知県の渥美半島から約80キロ、三重県の志摩半島から約50キロの沖合。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(独立行政法人)が事業主体となり、操業を担当した石油資源開発(1662.T: 株価, ニュース, レポート)が地球深部探査船「ちきゅう」を用いて、メタンハイドレート10+ 件を分解し天然ガスの成分を取り出す試験の準備を1月下旬に開始。深度約1000メートル海底面からさらに270─330メートル下にあるメタンハイドレート層まで掘削装置を貫通させ、12日に生産実験を始め天然ガスの生産を確認した。この試験は約2週間実施し、生産されたガス量の集計や実験結果の解析を行う。
エネ庁によると、過去の探査で今回の海域(東部南海トラフ)には、日本の天然ガス消費量の約11年分に相当する1.1兆立方メートルのメタンハードレートの埋蔵が推定されている。政府の計画では2018年までに取り出す技術を完成させることを目標に置いている。エネ庁の担当者は実用化までに「10年以上かかると見込んでいる。(克服すべき課題は)まだまだある」との見通しを示す。
メタンハイドレートは天然ガスの主成分であるメタンが低温、高圧の状態で結晶化した物質。主に海底に分布するが、陸地では永久凍土の中に存在することもある。石油や天然ガスだと生産井から自噴するように取り出せるが、メタンハイドレート10+ 件の場合、シャーベット状という形状のため簡単に取り出せないことが難点だ。今回の試験でも、「ポンプで吸い上げるという、人工の手間をかけているので、その分コストが割高になる」(同)と課題が指摘される。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています<<1380>>TC:38620, BC:21649
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