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ロスネフチとエクソン、ロシア極東で協力拡大 LNGの新構想 :ロシア、LNG輸出権を自由化へ 大統領が検討指示
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投稿者 あっしら 日時 2013 年 2 月 18 日 18:00:55: Mo7ApAlflbQ6s
 


ロスネフチとエクソン、ロシア極東で協力拡大 LNGの新構想

 【モスクワ=石川陽平】ロシア極東に新たな液化天然ガス(LNG)の生産施設を建設する構想が浮上している。国営石油ロスネフチと米石油大手エクソンモービルが本格的検討に着手する。LNGの需要が急増する日本などアジア市場への輸出を目指すとみられる。日ロが共同建設で大筋合意している極東ウラジオストクでのLNG基地など他のLNG事業に影響を与える可能性もある。

 ロスネフチとエクソンは13日、2011年に結んだ戦略的な協力関係を広げることで合意。極東でLNG事業を検討する覚書を交わした。さらにロシア北極圏の大陸棚の7鉱区を両社による共同開発の対象に加え、エクソンが進める米アラスカ州の天然ガス開発事業の権益25%を取得できる権利をロスネフチが得た。

 エクソンとロスネフチは13日「共同の作業グループを今後、数週間で立ち上げ、入手可能な天然ガスの資源を利用するLNGプロジェクトの実現可能性を検討する」と発表。インタファクス通信によると、エクソンのロシア子会社のウォラー社長は13日夜、天然ガスの供給源として「サハリンのガス資源を見ている」と記者団に語った。

 ロシア極東でエクソンとロスネフチが実施中の共同事業はサハリン沖の大陸棚開発「サハリン1」だけで、同事業には日本の官民が参加するサハリン石油ガス開発(SODECO)も30%の権益を持つ。売却先が決まらず一部生産にとどまっているサハリン1の天然ガスの活用が検討される可能性がある。

 エクソンとロスネフチによるLNG事業は、検討が始まったばかりで実現するかどうかは不透明だ。ただロスネフチのセチン社長はプーチン大統領の側近で、政権に強い影響力を持つ。資源開発で競う国営ガスプロムへの攻勢を強めている。

 仮に極東での新たなLNG生産施設が実現に動き出せば、ガスプロムと伊藤忠商事や石油資源開発(JAPEX)などが共同建設で大筋合意しているウラジオストクのLNG基地計画や、既に稼働中のサハリン2のLNG生産事業と、アジア市場への輸出で競合しそうだ。サハリン1のガスはウラジオストクのLNG基地に供給されることも検討されている。

 ロシアでは現在、ガスプロムや三井物産、三菱商事などが進めるサハリン2に唯一のLNG生産基地がある。13日にはプーチン大統領が燃料エネルギー産業の発展に関する委員会を開き、LNG生産の拡大に向け、LNG輸出の段階的な自由化を検討するよう関係当局に指示した。

 ロシアでは国営ガスプロムが独占的にガスの輸出権を持つが、プーチン大統領の旧友のゲンナジー・チムチェンコ氏が共同経営者の民間ガス会社ノバテクやロスネフチのセチン社長がLNG輸出の自由化を求めている。

[日経新聞2月15日朝刊P.6]


ロシア、LNG輸出権を自由化へ 大統領が検討指示、段階的に

 【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領は13日、液化天然ガス(LNG)輸出の段階的な自由化を検討するよう政府に指示した。現在は国営のガスプロムが天然ガスの輸出を独占しているが、民間ガス会社やガスを生産する石油会社にも、初めて輸出権を認める可能性が高まった。ロシアは世界最大の天然ガス埋蔵量を有しており、世界のガス需給にも影響しそうだ。

 プーチン大統領は13日、政府や資源エネルギー企業の幹部をモスクワ郊外に集めて、燃料エネルギー産業の発展と環境保全に関する委員会を開いた。大統領はLNG政策について「もし活発な政策を取らなければ、この市場を競争相手に完全に明け渡す恐れがある」と指摘した。

 現在、ロシアが持つLNG生産施設はガスプロムと三井物産、三菱商事、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルによるサハリン沖の大陸棚開発事業「サハリン2」にあり、生産能力は年約1000万トン。大統領は「ロシアが世界のLNG供給で3.6%しか占めていない」と不満を示した。
 大統領は世界の天然ガス取引の主流を占めつつあるLNGの開発を急ぎ、政府の主な財源であるガス輸出を増やす意向だ。新型ガスのシェールガスとの競合が激しさを増す中、国営ガスプロムからガス輸出の独占権を取り上げ、民間ガス会社や石油会社のガス開発を促す必要があるとみているようだ。

 LNGの輸出自由化は、大統領に近い有力企業家も強く求めている。大統領の旧友で民間の大手ガス会社ノバテクを共同所有するゲンナジー・チムチェンコ氏は、同社が北部ヤマル半島で計画するLNG生産で、ガスプロムを通さず直接輸出できるよう政府に働きかけていた。
 大統領側近で国営石油ロスネフチの社長を務めるセチン前副首相も13日の委員会で、LNG輸出を自由化するよう強く要望。ロスネフチが欧米メジャー(国際石油資本)などと計画する北極圏の大陸棚資源開発を加速するため、LNGの輸出権を得たい考えだ。
 米石油大手エクソンモービル幹部も13日、業務提携しているロスネフチと、日本に近い極東の大陸棚開発でLNG工場の建設を検討していると明らかにした。

[日経新聞2月14日夕刊P.3]

 

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