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CO2回収、4割省エネ 新日鉄住金エンジがプラント
工業ガス会社向け、400億円受注めざす
新日鉄住金エンジニアリングは従来より4割少ないエネルギーで二酸化炭素(CO2)を回収し、工業ガス原料などに再利用できるプラントを開発した。新日鉄住金などが開発したCO2を効率的に吸収できる特殊な液体を使い、燃焼ガスを大量に排出する工場に設置してCO2を回収する。国内外で工業ガス会社などに売り込み、今後5年間で400億円の受注をめざす。
鉄鋼大手は共同で製鉄所から出るCO2を大幅に削減する技術開発を進めている。新開発のプラントで使うCO2吸収液は同プロジェクトの一環で、新日鉄住金と地球環境産業技術研究機構(RITE)が開発した。新日鉄住金エンジが利用許諾を得た。地球温暖化対策から生まれた技術を異業種向けのプラントとして商業利用する形だ。
まず工場の排ガスをためたタンク内で吸収液を散布する。CO2を多量に含んだ吸収液を別のタンクに移して加熱し、CO2を放出させる。分離・回収したCO2は炭酸ガスとして工業ガスや炭酸飲料、ドライアイスの原料などに使う。
アジアやアフリカなどでは産出能力が落ちた油田にCO2を注入して回収量を増やす「石油増進回収技術(EOR)」が注目されており、今後導入が広がる見通し。海外では特に油田向けの需要を狙う。
これまでも吸収液を使う手法はあったが、吸収液からCO2を放出させるためにセ氏120度程度まで加熱する必要があった。新開発のプラントは95度程度で済む。工場で発生する廃熱や蒸気をそのまま加熱に利用しやすくなり、省エネと燃料コスト低減につながる。
排ガス中のCO2を吸収する際に生じる熱も再利用できる。従来のCO2回収プラントに比べ、必要な熱エネルギーを43%削減できる見込みだ。
工業ガス会社などに新プラントの売り込みを進める。工業ガス会社が化学会社などと連携してコンビナートなど排ガスが大量に出る場所に設置することを想定する。
価格は工業ガス原料やドライアイス向けなどに年間で5万トン程度のCO2を回収できる機種が20億円程度。油田向けに年100万トン程度のCO2が回収できる機種が90億円程度。5年間で国内、海外でそれぞれ200億円の受注を狙う。
[日経新聞12月23日朝刊P.7]
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