http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/835.html
Tweet |
LNG、値下がり連鎖 シェール革命・欧州需要減で
米国から始まった「シェールガス革命」が世界の天然ガス市場に影響を及ぼしている。米国は安価な国産天然ガスで自給率が向上、販路を失ったガス産出国はアジアに売り込みを図る。欧州の需要減、オーストラリアや東アフリカの新ガス田開発なども重なり需給が緩和、値下げの「ドミノ倒し」が起きる可能性がある。割高なアジア価格を引き下げる好機となっている。(1面参照)
米国のシェールガス生産量は2011年に7兆立方フィート程度と00年比で約20倍に拡大。同国の天然ガス生産全体の3分の1を占める。このため世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国カタールなどはアジア向けのスポット供給に販路を変更している。東日本大震災以降、日本の原子力発電所の長期停止が続くなか、電力各社が代替の火力発電用LNGを調達できたのはシェールガスの副次効果といえる。
強気の姿勢を続けてきた産出国や欧米メジャー(国際石油資本)の戦略にも変化が出始めた。ロシアのガスプロムはパイプライン経由で欧州に天然ガスを供給するが、欧州債務危機による需要自体の減退と、北米向けだったLNGとの競合という2つの影響が直撃。代わりにアジアの需要開拓に動く。
英BPが関西電力と米国の市場価格連動のLNG売買契約を結んだのも同様の理由だ。
エネルギー問題の権威として知られるダニエル・ヤーギン氏は「ガス市場の分散化、多様化が、いずれアジアの価格決定メカニズムにも影響してくる」と予測する。
ただ開発会社が低採算と判断し、遅延や中止になるLNGプロジェクトもある。買い主は価格引き下げを求めるだけでなく、自らも権益参画でリスクを取りプロジェクトを立ち上げさせる施策も求められる。
[日経新聞12月22日朝刊P.11]
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。