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海洋エネ発電、実用化へ 16年度にもシステム発売
三菱重工が波力 川崎重工は潮力
三菱重工業は波力、川崎重工業は潮力を活用した発電システムを2016年度にも国内で売り出す。原子力発電所の再稼働に時間がかかっているうえ、電気料金の引き上げを受け、再生可能エネルギーの需要が増大すると判断した。海洋エネルギーを使った発電はこれまで国内外でほとんど使われていない。日本勢が実用化で世界に先駆け、電力会社などに売り込む。
三菱重工が開発中のシステムは、防波堤の海側にせり出す形で箱状の構造物を設置。構造物に波が入り込むと、内部の空気が外に押し出されて発電機のタービンが回り、発電する仕組み。
1台当たりの出力は100キロワット。防波堤の面積にもよるが、10台設置すれば発電能力は1メガ(メガは100万)ワットと、メガソーラー(大規模太陽光発電所)並みになる。家庭200〜300戸分に相当する。
斜め前方から押し寄せる波も取り込める構造を採用し、発電効率を2倍に高めた。その結果、1キロワット時当たりの発電コストを目標(40円)まで下げられるメドが立ち、離島では波力発電が優位に立つ可能性が高まった。離島ではディーゼル発電機を使うことが多く、燃料の輸送代を含む総コストは1キロワット時当たり40円以上かかることも珍しくない。
子会社で防波堤の設計・建設などを手がける三菱重工鉄構エンジニアリング(広島市)がシステム開発を担当。14年度に山形県の酒田港(酒田市)に実証機を設置し、実用化に向けて改良を重ねる。1ユニットの建設コストは約4億円。主にコストが高い離島の電力供給用などに、電力会社や新電力に売り込む。
川崎重工は潮の満ち引きの力で発電する潮流発電システムを国内で売り出す。潮の満ち引きに伴う海水の流れで、風車のようなプロペラを回して発電する。海底に固定する発電機に海水の浸入を防ぐため、船舶や潜水艦などで培った防水技術を活用する。
海洋エネルギー発電の導入に積極的な英スコットランドで実証試験し、15年にも海外で売り込みを目指す。国内では沖縄電力などと沖縄県で15年に実証試験に着手し、16年度の事業化を狙う。
島国の日本は海洋発電に向くとされてきたが、これまで使われてこなかった。環境省は30年までに発電能力ベースで、原発1基分に当たる100万〜150万キロワットの海洋発電(波力・潮力)を導入する目標を掲げている。
海外勢では、独シーメンスが日本で潮流発電システム事業参入を目指している。国内の海洋土木会社やエンジニアリング会社などと連携を探っており、今後、開発競争が激化する可能性がある。
[日経新聞11月6日朝刊P.13]
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