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原発1基分の波力・潮力発電、20年メド実用化 スコットランド首相「川重などと連携」
スコットランド自治政府は2020年までに波力・潮力発電を実用化し、100万キロワット(原子力発電1基に相当)規模の電源確保を目指す。アレックス・サモンド首相が日本経済新聞記者に対し「川崎重工業や三菱重工業と連携したい」と発言。日本企業との共同開発や日本での実験施設の立ち上げを支援し、関係者を10月末に派遣することも明かした。
スコットランドは2020年に必要電力の100%を再生可能エネルギーで賄う方針。11年の実績は35%と31%の目標を上回ったという。深海に適した発電機を開発する「三菱重の技術がカギを握る」とした。
波力・風力は20年以降の電力輸出の拡大や、再生エネルギー関連の産業育成につなげる。スコットランドで必要な600万キロワットを超える900万キロワットを英国やアイルランドに輸出し、「20年以降は欧州大陸にも輸出する」。再生エネで13万人の雇用創出を狙う。
北部のオークニー諸島には海洋エネルギー発電の世界最大の実証実験施設「欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)」があり、世界の波力・潮力の発電機の半分以上の実験をこなす。様々な方式の発電機が実験中で、いくつかは初期のテスト段階を終え「発電規模を拡大した実験段階に進んでいる」という。
川重は昨年、EMECで潮力発電機の実験を行うと決定。発電機の技術はスコットランド企業発のものも多いが、技術の幅を広げ開発能力を高めるため、川重や三菱重などと「長期的な連携を築きたい」とした。
日本では産学でつくる海洋エネルギー資源利用推進機構が海洋エネルギーの実証実験施設の整備を目指す。EMECと同機構は3月に覚書を交わした。日本に対する復興協力の一環としてEMECは月末に訪日し、設立場所や運営方法について助言する。
サモンド首相は「まず場所選びが重要、海岸線が長い日本は波力・潮力発電に向いている」と指摘した。(ロンドン=松崎雄典)
▼波力・潮力発電 波のうねりによる海面の上下の動きでタービンなどを回して発電するのが波力発電で、潮の流れを生かすのが潮力発電。温暖化ガスを増やさない再生可能エネルギーとして太陽光や風力などと並び普及が期待されている。
海中や海上に構造物を設ける海洋発電は大規模な実証実験ができる海域の確保が必要。日本政府は5月、海洋発電のための実証海域を自治体と提携して2013年度中に選定することを決めた。
[日経新聞10月17日夕刊P.1]
波力・潮力発電 大規模化には時間
【ロンドン=松崎雄典】波力・潮力など海洋エネルギーを使った発電は欧州など一部で実用化が始まっているが、発電規模は小さい。耐用年数や出力の安定性など確認すべき項目は多く、大規模化には時間をかけた実証実験が必要だ。(1面参照)
スコットランドでは、エディンバラ本社のペラミス・ウエーブ・パワーが開発する発電機「ペラミス」への注目が高い。海面の浮き沈みとともに蛇のように連結部が動き発電する。波の力に逆らわず漂い「柔道での人の動きのよう」(サモンド首相)とも言われる。
2008年、ペラミスはポルトガルの沖合5キロメートル地点に設置され、世界で初めて商業用に波力発電が利用された。
[日経新聞10月17日夕刊P.2]
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