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穏やかで常識的な政策 エネルギー政策  武田邦彦 
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投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 8 月 22 日 14:13:58: igsppGRN/E9PQ
 

穏やかで常識的な政策 エネルギー政策
http://takedanet.com/2012/08/post_b9cb.html
平成24年8月20日 武田邦彦(中部大学)


このところ、日本の政策は振れ幅もおおきく、政策もあまりにも極端になっています。ここではエネルギー政策や環境政策から検討を始めますが、このような「科学系」の内容を含む政策ばかりではなく、「年金」、「減税」、「教育」などのお金や子供の政策もおおきくぶれて、国民が将来に安心感を持てなくなっています。

そこで、このシリーズでは「穏やかで常識的な政策」を提案していきたいと思います。第一回は「エネルギー」で、順次、お金、外交などに進みたいと思います。

・・・・・・・・・

石油、石炭、天然ガス(シェールガスを含む)がいつ無くなるかは難しい問題です。石油会社は40年、国家レベルでは200年、そして資源学では1000年というところでしょうか。

なぜ、このような違いが出てくるかというと、石油会社は「資源がないと言わないとガソリン価格が下がる」という事情があり、資源学は「鉱脈から言って、簡単にはなくならない」と考えていて、国家は利害関係があるので、中間的な数字を使っているということです。

このような場合、「誰が何を言っているか」ではなく、「誰が何をしているか」から考えた方が正確に判断できます。

石油、石炭、天然ガスなどを扱う会社はものすごく規模がおおきく、メジャーとかスーパーメジャーとか言われます。それらの会社は「残りあと40年」と口では言っていますが、心の中でそのように考えている節はありません。というのは、石油などは発見してからそれが出荷されるまで早くても20年ほどはかかります。

だから、もし彼らの言うとおりに40年でなくなるとすると、彼らの仕事はおおむねあと20年でなくなってしまいます。比較的、小さな会社でも「残り20年のビジネス」ということになると、「それに変わる仕事を作っておかなければ」と考えます。

つまり、「後40年」が本当であって、日本で話題になっている「自然エネルギー」が有望とすると、彼らは常に100年ほどの展望でビジネスをしていますので、自然エネルギーの開発に手を出しているはずですが、本腰は入っていません。

つまり、素直に考えれば「資源がなくなるというのは価格のことを考えてのことで、100年以上は持つと内部では結論が出ている」と考えるべきでしょう。日本以外の外国の政府もそのように考えているからこそ、今後30年は化石燃料に依存する計画なのです。

また、1970年代の第一次石油ショックで、「あと30年」と言われ大騒ぎをして、大きな損を出した日本ですが、もうすでに一回、ダマされていることを思い出す必要があります。

「技術と資源」の話は別の機会にしますが、「日本には資源がない」と言いますが、それは「資源が枯渇しそうな場合に問題」であって、資源が充分にあれば、「資源セキュリティー」の問題は発生しません。今は、資源が比較的豊富にあるので、日本に技術があれば資源は容易に手に入るからです。

たとえば、「自動車」という製品も資源の塊ですが、「自動車セキュリティー」という言葉はありません。自動車を生産していない国では「我が国は自動車を生産していないので、もし外国が輸出してくれないと困る」ということになりますが、そんな心配はしていないのです。

つまり、資源も自動車も、資源であり、工業製品ですから(資源は今や工業製品)、食料などと違って国際的な商品なのです。ましてシェールガスは全世界に広がっていて少なくとも34カ国以上でとれるといわれています。自動車生産国以上の国の数です。

・・・・・・・・・

原発がエネルギーから外れた今、日本の基本政策は「当面、100年程度は化石燃料に依存する。技術を高めておく」というのが穏やかで常識的な政策なのです。

世界各国が化石燃料に依存しているのに、日本だけが特殊な考えに染まっているのは、それなりの理由があるのですが、そろそろ「国際的感覚」をもって「日本に有利」に政策を切るべきと思います。そうしないと、私たちの世代は良くても、子供の世代はひどく貧乏な国になってしまいます。


 

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コメント
 
01. 2012年8月29日 16:14:34 : U8MpKd02C6
わが国は資源の無い国と叩き込まれてきたが、いつの間にか油田やガス田が東北にできています、又、藻から石油を造る事が着々と実施されています、日本近海にはメタハイがあって開発できれば輸出も可能と言われています。それなのに資源の無い国でいなければならないとか、資源の事を話すと命まで狙われるとか常識を疑うような話が飛び交ってます。この際タブーに挑戦して独立国家として真相を明らかにすべきです。

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