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日本の地熱発電のポテンシャルは原発119基分に相当する?(週刊プレイボーイ)
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/735.html
投稿者 BRIAN ENO 日時 2012 年 8 月 07 日 16:00:12: tZW9Ar4r/Y2EU
 

福島第一原発の事故以降、にわかに脚光を浴びる再生可能エネルギー(再エネ)。連日のようにメガソーラーや風力発電など再エネを利用した発電計画が報じられ、7月1日にスタートした固定価格買取制度も、普及への弾みをつけるものとして期待されている。

再エネにはさまざまなものがあるが、弘前大学・北日本新エネルギー研究所の村岡洋文教授は、こう断言する。

「太陽光、風力、バイオマス……再生可能エネルギーの中で、いま日本が最も開発を急ぐべきなのは、間違いなく地熱発電です」

しかし、地熱発電という言葉自体、国民にはなじみが薄い代物。そもそもどのような仕組みで発電するものか、村岡教授に解説してもらう。

「地熱発電にもいくつか方式がありますが、一般的なのは、地下2〜3kmにある熱水たまりに向けて地上から井戸を通し、その井戸から出てくる蒸気の力でタービンを回し発電するものです。火力発電は石油や石炭を燃やして蒸気を起こしますが、その代わりに天然の蒸気を使うと考えればわかりやすい」

初めて営業を開始した岩手県の松川地熱発電所(1966年〜)をはじめ、日本では現在、13ヵ所の事業用地熱発電所が稼働中だ。

固定価格買取制度で1kWh当たり27.3〜42円(1kWh当たり42円の太陽光とほぼ同額)で電力会社が買い取ることが定められたのを受け、新規事業も立ち上がっている。出光興産など9社は、2020年代初めの開業を目指し福島県の磐梯朝日国立公園内に国内最大の地熱発電所を建設すると発表した。福島県の土湯温泉では、地元住民主導の地熱発電が早ければ来年秋に稼働予定だ。

順調に普及に向けて動き出したかに見える地熱発電だが、村岡教授によると、「現在の地熱発電の総量は54万kW。これは日本の地熱エネルギーのポテンシャルからすれば、約1%しか生かせていない」という。

「実は日本は、アメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱大国なんです。地熱資源は国によって大きな違いがありますが、100を超える活火山を抱える日本は、発電に利用する蒸気のもととなる熱水が地下に多く存在する。そのポテンシャルを電力に換算すると4240万kW。これは原発42基分に相当するんです」(村岡教授)

さらに、この発電量は飛躍的に伸びる可能性があるという。

「現在、再生可能エネルギーとしての地熱の可能性に気づいた世界各国はEGSという新技術の開発にしのぎを削っているのですが、この技術が実用化されれば、日本の地熱発電ポテンシャルは1億1940万kW。これは原発119基分にも上るのです」

それが本当なら、現在、日本にある原発54基の2倍以上の発電量が、この地熱発電で稼げるわけだ。

「EGSというのは、従来の地熱開発より深い地下5kmくらいまで掘り進み、岩盤の間に隙間を空けて水を注入する。そして人工的に熱水たまりを作り、そこから立ち上る蒸気で発電しようというものです。深く掘れば掘るほど地中の温度は上昇する。この方法なら、日本ほど地下に豊富な熱水がない国でも地熱発電が可能になります。この技術は今後5〜10年で実用化されるとみられています」(村岡教授)

EGSが実用化されれば、ポスト原発を担う再エネを模索する日本において、地熱発電の存在感はますます高まるに違いない。

(取材・文/戎小次郎)

■週刊プレイボーイ33号「日本がいま『地熱発電』を進めるべき5つの理由」より

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120731-00000005-playboyz-soci
 

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コメント
 
01. 2012年8月10日 02:08:00 : QBjXcLVFaA
地熱発電を阻害して放射性瓦礫の全国拡散に尽力しているのが環境省だ。
環境省のあり方は廃止を含めて検討し、地熱発電を大々的に進めてもらいたい。
代替エネルギーが速やかに必要であれば、国の責任で井戸を掘り、地熱の出る井戸を競売にかけるようにすればよい。

02. 2012年8月11日 05:58:53 : 1laTubqZew

      開発予測地熱容量 既開発設備容量 開発率
地域    A(MW)      B(MW):2009年  B/A(%)
---------- ---------------- -------------- ------
米国    23000      3168      13.8
フィリピン   6000      1970      32.8
インドネシア  27791       992      3.57
メキシコ    6000       958      16.0
イタリア    3267       842.5     25.8
ニュージーランド 3650       632      17.3
アイスランド   5800       575      9.9
日本    20540       535.26     2.61
---------- ---------------- -------------- ------
合計    96048      9672.76    10.1
 
 
世界諸地域の開発予測地熱容量と既開発設備容量

[出典: 矢野雄策, 村岡洋文, 地熱発電の開発可能性, 地熱発電に関する研究会資料5, 2008.12.1, International Energy Agency, Geothermal Energy, 13th Annual Report 〜2009, 2011.4]


03. 2012年8月28日 07:35:06 : B5offegeiY
阿修羅さんへ
原発20機とされる試算の10倍くらいはあるでしょうね。
また、自然公園(国定公園?)だからとか言っていますが、日本はどこを掘っても地熱が取り出せるのです。
ちょっと深くなるだけですよ。倍ぐらい。熱を取り出すのはヒートパイプでね。

当然、東京都庁の真下を掘っても地熱発電はできます。
(ただし、いろいろな事情があって、発電所を作ったところで使い物にならなくなると思われるので、こんなところには作らない方が無難。)


04. 2012年9月25日 18:27:51 : 3RvltgXoZI
温泉くみ上げない地熱発電…室蘭工業大など開発中 : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120917-OYT8T00331.htm

 室蘭工業大と大手肌着メーカー「グンゼ」が共同して、温泉が枯れない熱交換方式の「地熱発電」の開発に取り組んでいる。両者が開発したセラミック複合材製の熱交換器が、地上から送り込んだ水を温め、地中の熱だけを回収することを可能にした。「安全・安心な再生可能エネルギー」として注目されそうだ。

 地熱発電はこれまで、火山の地中で噴出する熱水や蒸気を使ってタービンを回し、発電してきた。しかし、熱水などをくみ上げると温泉の湯量の減少につながるとの指摘があり、一部の温泉地からは「地熱発電は温泉に悪影響を与える」と、心配する声が上がっている。

 両者が開発する地熱発電は、地上から地中へ水を注入して地熱によって熱水に改める仕組みだ。熱回収には室工大の環境・エネルギーシステム材料研究機構(機構長・香山晃特任教授)とグンゼが開発したセラミック複合材料を表面に巻いた二重構造の管を使用している。セラミック素材は1600度の高温に耐えられ、地中深くの地熱の高い場所で長期間、安定的に運用できるという。

 温泉源となる熱水を使用しないで済むため、温泉が枯れるリスクがなく、熱水に含まれる不純物によって地熱発電設備が腐食したり管が閉塞したりすることもなく、保全コストの大幅軽減が見込める。

 今月からは大分・別府温泉で九州の民間事業者がモデル施設の実験を始めた。

 室工大の香山教授は「地熱発電に慎重な考えを持つ人たちと問題点を確認しつつ、実用化を進めたい」と話す。グンゼの平田弘会長は「新素材は環境と安全に優れた日本の再生可能エネルギーの一端を担えるはず」と期待している。


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