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太陽電池の補助金・・・もう止めよう、みっともない!
http://takedanet.com/2012/04/post_b6c7.html
平成24年4月28日 武田邦彦(中部大学)
人は自分の収入を法に触れないとか、他人に過度の迷惑をかけないという範囲では、自由に使っても問題はありません。日本に住み、日本の大人であれば、それは基本的人権として当たり前のことでもあります。そして、「節約が大切だ」とも言いますが、普通の人は「節約」をしようとしてもできません。なぜなら、節約してもお金が余れば銀行に預金しますし、それはやがてどこかで使うのですから、長い人生では節約はなかなかできないのです。
また、人には理想があります。たとえば太陽電池を購入する人は「石炭や天然ガスを節約した方が良い」と考えているのでしょう。でも、自分の考えを自分のお金でするなら良いのですが、太陽電池をつけるのに200万円のうち100万円を補助金(他人のお金)を使い、電力会社に3倍の値段で買い取ってもらって、それは他の人が払うというのは感心しません。
自分が太陽電池が良いと思い、それは普通に電気を使うよりお金がかかるなら、自分のお金でやらなければ意味がないでしょう。人によっては「補助金を半分出してもらい、電気を3倍で買ってもらったので、電気料金は2割ぐらい安くなった」と言って自慢している人がいますが、それなら、最初から電気料金を割引してもらった方が社会には迷惑になりません。
具体的に少し計算してみましょう。200万円の太陽電池のうち100万円を補助(他人のお金)を使い、1年10万円の電気のうち、2万円分を6万円で売ったとすると、その人は、20年間で自分のために他人のお金を(最初に100万円、1年ずつ4万円で80万円の合計180万円)もらうことになります。
私ならその人に180万円をあげるぐらいなら、毎年2万円、20年間で40万円を最初に渡してしまって、「太陽電池をつけないで普通の電気を使ってください」と言います。補助金や「高く買ってもらう」というのは他人のお金に目をつけているのですから、いわば乞食です。なんで太陽電池のように高邁なことを言っているのに乞食をやるのか、屋根に太陽電池をつけている家を見ると、ずいぶん自分勝手で自分の今年か考えない人だなと思います。
太陽電池が高いのは、シリコンなどを作るのに大量の電気やエネルギーを使うからで、それが自分の目には見えないというだけです。「環境」というのは自分だけが良かったり(電気代が節約できたり)、全体を考えなかったりするのではダメで、少なくとも日本全体のことまで見えなければ環境を語る資格はないように思います。
太陽電池のメーカーが中小企業なら国家が補助金を出すのもわかりますが、大メーカーばかりです。大メーカーなら自分で技術開発もできますし、大量生産したらどのぐらいのコストになるかぐらいは簡単に計算できます。かつて太陽電池の大メーカーの技術担当重役に会ったときです。先回の記事の年金のような話を聞いたことがあります。
武田「あなたのような大メーカーがなんで太陽電池の補助金をもらわなければならないのですか?」
重役「お金は要らないんですよ。でも去年、財務省に呼ばれて予算が余っているから太陽電池に使ってくれ。経産省には連絡してあると言われたので、乗ったんです」
年金課長の回顧録といい、この話と言い「税金は足りない」というのがいかにウソであるかがよくわかった瞬間でした。自然エネルギーに力を入れたヨーロッパが、高い電気代に苦しみ、結局はロシアからの大量の天然ガスや石油などに頼っているという現実もよく考える必要があります。
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