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環境汚染の懸念残る 米欧では規制強化の動き
【ニューヨーク=小川義也】世界のエネルギー地図を塗り替えつつあるシェールガスだが、「水圧破砕法」(ハイドロリック・フラクチャリング)と呼ばれる開発手法を巡っては環境汚染の懸念が根強く、規制の動きが広がっている。フランスに続き、今月18日にはブルガリアでも水圧破砕法を使った探査・採掘の禁止が決まった。各国の規制動向次第では、開発の遅れやコストの上昇につながる可能性もある。
米国ではニューヨーク州、ペンシルベニア州、ウェストバージニア州などで水源周辺など特定区域における水圧破砕法の使用を禁止または凍結する自治体が増加。テキサス州などは水圧破砕法で使用する化学物質の情報開示を義務付けた。
オバマ米大統領は24日の一般教書演説で、シェールガスの「安全な開発」に向け、あらゆる可能な対策を講じると表明。公有地で水圧破砕法を使用する場合、化学物質の情報開示を義務付ける方針を示した。
より厳しい規制に動いたのがフランスとブルガリア。フランスでは昨年7月、水圧破砕法による石油やガスの探査・採掘を禁止する法案が成立。同国内で採掘は事実上不可能になった。仏政府は当初、開発に積極的だったが、環境汚染や地球温暖化を懸念する住民らの抗議活動が活発化。大統領選挙を控え、サルコジ大統領が世論に配慮したとみられている。
ブルガリアでも今月18日、議会で水圧破砕法によるシェールガス探査・採掘を禁じる決議案が可決された。環境汚染などに対する懸念から、各地でデモが発生。政府は17日にシェブロンへの許可も取り消した。
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シェールガス、中印も開発
米欧から採掘技術 新興国、エネ需要賄う
【北京=多部田俊輔】地中の岩盤層に含まれる「シェールガス」と呼ばれる新型の天然ガスの開発が北米から中国やインドなど新興国に広がってきた。経済成長に伴って急増するエネルギー需要を賄うため、中国は欧米の石油大手などと協力して本格的な開発に乗り出した。これまで技術的に難しいとされてきたシェールガスの生産が軌道に乗れば、世界のエネルギー秩序に影響を与えるのは確実だ。
中国政府はこのほどシェールガスを独立した資源として認定し、資源開発を推進する方針を決めた。政府の試算によると、中国のシェールガスの推定埋蔵量は世界最大の21兆〜45兆立方メートル。2020年までに年800億〜1千億立方メートルの生産を目指す。
政府はシェールガス開発の5カ年計画を詰めており、15年までに1兆立方メートルの埋蔵量を確認し、年65億立方メートルを生産する目標を掲げる方針。昨年初めて実施した探査プロジェクトの入札についても入札条件緩和や、探査企業への補助金支給などの優遇措置を実施して開発を加速する。
シェールガスの採掘は技術力が必要なため、中国は欧米企業とも協力する。国有石油大手の中国石油天然気集団(CNPC)は英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと共同で四川省などで探鉱、昨年末に鉱床を発見した。
中国石油化工集団(シノペックグループ)はこのほど米石油探査会社デボン・エナジーが米国に持つシェールガス権益の一部を22億ドル(約1700億円)で取得することで合意した。海外資源の獲得に加え、シェールガス開発のノウハウ吸収も目指す。
インド政府もシェールガスの国内採掘に前向きだ。採掘技術、法規制、投資誘致などで協力を取り付けるため、10年11月に米国との間で覚書に署名した。現在は埋蔵量の調査や政策立案を進める。
背景にあるのは天然ガス需要の増加だ。インドのガス需要は12年度(12年4月〜13年3月)見込みの日量2億9千万立方メートルから16年度には4億7千万立方メートルに膨らむ見通し。しかし、供給力は12年度見込みが1億2400万立方メートルで需要超過が目立つ。
ロシアからの天然ガス輸入に頼ってきたポーランドは米エクソンモービルなどにシェールガス採掘許可を発給、15年をめどに本格生産を目指す。同国のシェールガス埋蔵量は推定5兆3千億立方メートルとされ、天然ガス需要の300年分に達する。
ウクライナではシェルと国営エネルギー大手が探査採掘許可を受けており、シェルは8億ドルを投じて開発を進める方針。ポーランドとウクライナはロシアの天然ガスにエネルギーを依存する体質の脱却を狙っている。
[日経新聞1月31日朝刊P.]
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