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太陽光発電のコストダウンはどこまで可能か  (@IT MONOist )
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/586.html
投稿者 蓄電 日時 2011 年 11 月 14 日 10:29:17: TR/B2VKXCoTU6
 


太陽光発電のコストダウンはどこまで可能か
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1108/11/news015.html

世界最大の太陽光発電システム導入国であるドイツの事例から学べることは何か。
長期にわたって計画的に固定価格買い取り制度を続けることで、太陽光発電システムの市場規模を拡大できるだけでなく、系統電力に匹敵するコストダウンを促せることだ。
過去5年間の価格推移と、今後10年間の予測をドイツのBSW-Solarがまとめた。

ドイツのベルリンに拠点を置く太陽光関連の業界団体Bundesverband Solarwirtschaft(BSW-Solar、連邦太陽光発電工業協会)は、太陽光発電のコストダウンについて過去5年間の実績を公開した。あわせて、グリッドパリティに至り、その後どこまでシステムコストが下がるのか、今後の見通しを示した。

 ドイツは世界最大の太陽光発電導入国であり、規模の経済が働きやすい。現在では約50カ国に広がっている再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT:Feed-In Tariff)の元となる制度を早くも1991年に導入、2000年には風力発電を主な対象とした制度に改革し、太陽光発電導入に対する長期的で着実なインセンティブを与えてきた。

 FIT制度は太陽光発電の導入量を増やし、システム価格を引き下げるだけでなく、技術革新も促す。土地面積が限られている場合は、安価な太陽電池を大量に導入するよりも、変換効率が高く、小面積で大量の電力が得られる太陽電池が望ましいからだ。

 その結果、ドイツでは何が起こったのだろうか。

2009年からシステム価格が急降下

 ドイツにおける太陽光発電システムの導入量は2004年に初めて1000MWを超え、2006年には2899MW、2010年には17320MWに達した。つまり、2006年から2010年までに導入量が約6倍に増えている。

 この結果、BSW-Solarによれば、100kW級*1)の太陽光発電システムの1kW当たりの小売価格は半減した(図1)。2006年に1kW当たり5000ユーロ(55万円)だったシステム価格は、2011年第1四半期時点で、2422ユーロ(26万7000円)まで下がっている。特に2009年以降の価格低下が著しい。

*1)太陽光発電導入量の8割以上が一般住宅の屋根向けである日本(平均導入量は3〜4kW)とは異なり、ドイツでは容量の大きな公共設置用途が主力である。

図1 ドイツにおける太陽光発電システムの小売価格の推移 2006年第2四半期に1kW当たり5000ユーロ(55万円)だったシステム導入コストが、2011年第1四半期には48%の2422ユーロ(26万7000円)まで下がっている。縦軸はユーロ/kW。グラフの肩には「屋上設置型システムの平均小売価格(付加価値税を除く)、ピーク出力100kWの場合」とある。出典:BSW-Solar

2013年には家庭用電力料金を下回る

 図1に示した傾向は今後も続くというのがBSW-Solarの予想だ。エネルギー専門家の多くは、太陽光発電の発電コストがさまざまなエネルギー源のうちで最も安価になり得るという意見を表明しているという。

 BSW-SolarのCEOを務めるカールステン・ケーニッヒ氏(Carsten Konig)によれば、「技術の進歩と大量生産が、価格引き下げを押し進め、エネルギー革命に結び付く」という。さらに、「今後数年間の世界的な太陽光発電市場の力強い成長により、太陽光発電のコスト競争力はさらに高まっていく」とした。BSW-Solarの推定では、2020年時点の太陽電池モジュールの売上高は、現在の3倍に達する見込みだ。

 ドイツでは2012年には家庭用電力料金と太陽光発電システムの発電コストが等しくなる。いわゆる最初のグリッドパリティ*2)の達成だ。

*2)グリッドパリティとは系統(グリッド)電力並みの発電コストを達成すること。国内では新エネルギー・産業技術総合機構(NEDO)が3種類の目標、すなわち家庭用電力並(23円/kWh)、業務用電力並(14円/kWh)、事業用電力並(7円/kWh)という数値を示している。太陽光発電がグリッドパリティに達すると、政策上の支援が全くなくても、市場原理だけに従って普及が進むようになる。

 その後はどこまでシステム導入コストが下がるのだろうか。


2017年以降は政府の支援が不要に

 BSW-Solarによれば、2013年には家庭用電力料金を下回り*3)、2014年には海上設置型の風力発電を規模においても上回る(図2)。2017年には財政上の支援がなくても、他の動力源に対して優位に発電所を建設して経営できるようになるという。ドイツの経営戦略コンサルティング企業であるRoland Bergerと、経済研究やコンサルティングに注力するスイス企業Prognosの協力によって、コストを算出した。

*3)消費者ポータルのVerivoxによれば、ドイツの平均的な家庭の年間消費電力量は4000kWhである。電気料金は24.68ユーロセント/kWh(約27円/kWh)だ。太陽光発電に対する固定価格買い取り制度の買い取り価格は、28.74ユーロセント/kWh。買い取り価格は今後最大年率24%の割合で引き下げられる。

図2 太陽光発電と家庭用電力の料金の推移 太陽光の発電コスト(青線)と家庭用電力料金(赤線)を比較した。縦軸は価格(ユーロセント/kWh)。2000年時点は、太陽光発電が70ユーロセント/kWh以上だったが、ほぼ直線状に発電コストが下がり、2012年には約27ユーロセント/kWhとなって、家庭用電力料金と一致し、その後、2020年に至ると家庭用電力料金の半額まで下がっていく。出典:BSW-Solar

 ドイツの教訓から学べることは、太陽光発電システムにおいても、規模の経済がきちんと働くことだ。さらにFIT制度の設計が重要であることも分かる。買い取り価格が高すぎても低すぎても、市場の形成に悪影響を及ぼす。太陽光発電システムに対する投資を促しながら、過剰な投資が集まらないように制度を設計しなければならない。

 グリッドパリティ以後は太陽光発電システムの導入量が市場原理だけに従って伸びていく。これは世界的な流れとなり、今後数年間で太陽光発電システム市場の勝者が明らかになっていくだろう。  

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