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使いにくい風力を使いやすく、東京電力など電力3社が風力発電拡大へ (monoist)
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/531.html
投稿者 蓄電 日時 2011 年 10 月 17 日 20:43:35: TR/B2VKXCoTU6
 

使いにくい風力を使いやすく、東京電力など電力3社が風力発電拡大へ

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1110/04/news023.html


風力発電を大量導入するには、出力変動を吸収する仕組みが必要だ。
個別の電力会社がそれぞれ対応するよりも共同で取り組んだ方が、より導入量を増やせる。
北海道電力と東北電力は、東京電力が持つ火力発電能力を使って風力発電の大量導入に取り組む。
新規導入量は60万kW(600MW)だ。

風力発電にはさまざまな課題がある。中でも風次第で出力(発電量)にムラが生じやすいことが問題視されている。電力の「品質」*1)が悪く、電力需要とは無関係に出力が上下するため必要なときに電力が得られない、余ったときに対応しにくい……。

*1)風力発電の出力が安定しないと、一定の周波数、一定の電圧で系統に供給できない。

 発電のムラを吸収する手法として、幾つかの技術が開発されている。風力発電の先進国であるスペインでは、精密な気象観測と予測を基に全国の風力発電所を連携させることで対応している*2)。

*2)スペインは全発電量の約2割を風力発電に頼っている。これはガス火力(コンバインドサイクル)や水力発電、原子力発電などとほぼ同等の規模である。


 六ヶ所村二又風力発電所(青森県六ヶ所村)では、出力51MW(34基)の風力発電機を、容量34MW(17基)のNaS(ナトリウム硫黄)電池と組み合わせている。NaS電池は寿命が15年と長く、大容量化しやすいため、発電所と組み合わせる二次電池(蓄電池)として適している。

風力発電を「どぶ」に捨てないためには

 風力発電と火力発電を組み合わせる手法も優れている。石炭火力を除く火力発電は現在でもピーク需要に応じて稼働するピーク供給力として使われている。風力の出力が上がった場合は、火力を減らし、風力が下がったときは火力を上げればよい。

 ただし、火力発電を使う方式にも課題がある。風力発電を増やせば増やすほど、火力発電の調整能力がより必要になり、火力発電を増強しなければならなくなるからだ。このため、風力発電の導入量には限界点(連系可能量)がある。例えば、2008年時点で、北海道電力の連系可能量は31万kW。東北電力の連系可能量は85万kWだ(図1)。


図1 電力10社の風力発電連系量 既に連系している風力発電の容量(右列)は、東北電力が48.2万kWと最も大きく、北海道電力は3位である。北海道電力は2014年までに連系する風力発電所を20万kW追加し、東北電力は2016年までに40万kWの新設風力発電と連系する。連系可能容量のうち、風力発電所単独で発電能力を100%発揮できるのは「一般枠」(中央列)だ。北海道電力は31万kW、東北電力は85万kWである。出典:経済産業省資源エネルギー庁「次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループ(WG1)(第8回)「資料2 電力系統利用協議会における検討状況について(電力系統利用協議会資料)」、2011年1月

 連系可能量を超えて新規に事業者が風力発電所を建設しようとするとどうなるのだろうか。これまでは電力会社が解列条件などを付けていた。解列とは電力需要が低下する時期、すなわち最大連系量よりも低い量しか風力に対応できない時期に、系統の安定性を維持するため、風力発電機を停止することを義務付けるものだ。停止しなければならない時間は、例えば年間の20%にも及ぶ。

 これは風力発電の電力を20%捨てていることにも等しく、大変にもったいない。

図2 東北電力の風力発電との連系可能量 東北電力は連系可能量を徐々に増やしているが、風力発電の導入量との差は縮まる一方だ。2020年度の目標200万kWを達成するにはこれまでとは異なる取り組みが必要だ。出典:東北電力

 東北電力は風力発電所と二次電池を組み合わせることで、さらに連系可能量を33万kW増やしたとしている。しかし、同社は2020年度に東北地方全体で風力発電の導入規模200万kWを目指している(図2)。解列や二次電池で対応しようにも量が巨大すぎる。どうすればよいのだろうか。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1110/04/news023_2.html

東日本の電力会社3社が共同で風力を安定化、大量導入に備える

 北海道電力と東北電力、東京電力は、2011年9月30日、共同で「風力発電導入拡大に向けた実証実験」を開始すると発表した*3)。従来の電力会社ごとの風力の導入拡大ではなく、大量の火力発電所を抱える東京電力がバッファ役となり、北海道電力と東北電力の風力発電拡大を助ける形だ。共同実証実験では、3社間を接続するのではなく、北海道電力と東京電力、東北電力と東京電力という2社間で組む。

*3)3社は2009年12月時点で、風力発電導入拡大のため、先行して北海道電力と東京電力の2社で「北海道地域内における風力発電導入拡大の実証試験」を行うことについて基本合意したと発表している。このとき2014年をめどに合計10〜20万kWの風力発電を新規に導入し、北海道電力が受電するとしていた。今回の発表は、この発表を受け、さらに拡大した形になっている。

 北海道電力と東京電力の取り組みは、次のように進める。まず2013年度中に北海道地域で新規に風力発電を20万kW募集する。「風力発電所の稼働後、2014〜2015年に実証実験を開始する。風力発電の連系が全て完了するまで1〜2年実験を続ける」(東京電力)。

 東北電力と東京電力の実証実験への募集期間は2013〜2014年度だ。新規風力発電の募集量は40万kW。「2016年から実証実験を開始し、40万kWが全て連系完了するまで数年間実験を続ける」(東京電力)。

北海道電力と東北電力は性格が異なる

 風力発電の出力変動には2種類ある。1つは出力の変化量が小さく、数分程度で変化する短周期変動、もう1つは数時間単位で出力が緩やかに大きく変動する長周期変動だ。北海道電力、東北電力とも短周期変動には単独で対応できる。必要な火力発電の容量が小さくてもよいからだ。北海道電力は30分より短い周期の出力変動を自社で調整するとしている(図3)。


北海道電力は30分以上の長周期変動に対応する能力が低いため、風力発電所が出力する電力が過大な場合は、北海道・本州間電力連系設備(双方向60万kW、直流±25万V)を通じて、最大20万kWの電力を東京電力に送る(図4)。

図4 北海道電力と東北電力、東京電力の協力関係 風力発電の出力が連系可能量を超えて、過大になったとき、(1)連系線を通じて東京電力に送電し、(2)風力発電所に遠方指令を出して、出力上限時を定める。出典:東京電力
 さらに過大なときは、北海道電力が風力発電事業者に遠方指令を出し、出力上限値を定める(図5)。解列条件と似ているように見えるが、あらかじめ決められた時間に出力を停止しなければならない解列条件よりも、風量発電の出力を有効に利用できる。


図5 過大な電力を受けそうな場合の処理 各風力発電所に動的に給電指令を送り、出力制御指令値以下に押さえ込む。出典:北海道電力

 東北電力は長周期変動に対応する能力もある。しかし、消費電力量が小さい(負荷が小さい)季節では問題が起こる可能性がある。春季や冬季の夜間は負荷が小さいため、火力発電を最低限度まで絞っている。ここで風力発電の出力が増えると対応できない。そこで、東京電力に相馬双葉幹線(東京電力方向500万kW、交流50万V)を通じて最大24万kWを送電し、同時に火力発電の出力を上げる。わざわざ火力の出力を上げる理由は、その後の火力の「下げ代」を増やすためだ(図6)。


図6 東北電力と東京電力の関係 夜間など火力発電がほとんど動いていない時間帯では、風力発電の変動を吸収できなくなる(左上)。そこで、火力の出力を上げつつ、東京電力に送電する(中央下)。東京電力は送られてきた電力を社内で吸収する(図右上)。出典:東北電力

 この方式でも吸収できない場合は、北海道電力同様、東北電力の遠方指令により、風力発電所に対して出力制御指令値を伝える。
 

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