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こんにちは、ドイツ滞在中の気候変動・エネルギー担当の高田です。
昨日の歴史的な脱原発法可決から一夜明けたドイツ。小雨で寒かった天気もすっかり晴れて、今日は青空が広がっています。ハンブルクにあるグリーンピース・ドイツの事務所も今朝はひっそり。新しいスタートを前に、エネルギー担当チームはひと時の休息をとっています。
ヨーロッパでは、ドイツを始め、スイスやイタリアでも脱原発の方針が鮮明になっています。また、長く反原発を貫いているオーストリアでは、原発で発電された電力の輸入を禁止する制度の導入が首相レベルで検討されています。隣国のチェコやスロバキアなどでは、輸出目的の原発建設計画が持ち上がっており、オーストリアの動向はこうした計画にも大きな影響をあたえることが予想されます。
「そうは言っても、原発がなくなると地域の雇用が厳しくなるのでは?」――いいえ、ドイツでは実際はまったく逆です。
2004年、ドイツで自然エネルギー関係の雇用は16万人でした。
2010年、自然エネルギー関連の雇用は、37万人に。
わずか6年間で20万人の雇用が生まれたことになります。
(Development of renewable energy sources in Germany 2010, ドイツ環境自然保護原子炉安全省, 2011年, 41ページ,下記図参照)
http://www.erneuerbare-energien.de/files/english/pdf/application/pdf/ee_in_deutschland_graf_tab_en.pdf
一方、2010年に原発関連の雇用は3万人ほど。石炭火力発電関連の雇用も7万人ほどに限られています。
つまり現在ドイツでは、原発よりも自然エネルギー雇用が12倍多く生まれています。自然エネルギー関連雇用は、2050年には100万人に達するとの見通しも。
違いは雇用の人数だけではありません。
地方に巨大な発電所をつくるこれまでに発電方法と違い、自然エネルギーは分散型の設置が得意=地域密着型の雇用をつくります。もちろん、放射能の心配もありません。
ハンブルクから首都ベルリンまでは、特急で1時間強の距離。その車窓には、緑の田園地帯が続き、風力発電用の風車が100基以上も見えました。これらの風車は、地元農家などが土地を提供して企業が建設。発電された電気の売電によって得られた利益は農家に還元されます。
安全性と経済性を考えて脱原発を発表したドイツ。これからエネルギーだけでなく、雇用のシフトも加速しそうです。――
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