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北九州市と九州工業大(同市戸畑区)は本年度から、潮の流れが速い関門海峡で、海中に設置した水車が
回転する力を利用して電気を起こす潮流発電の実証実験に乗り出す。福島第1原発の事故を受け、国内外で
自然エネルギーへの関心が高まる中、市は「環境モデル都市として、実用化に向けた可能性を探りたい」としている。
6月1日に開会する市議会に提案する本年度一般会計当初予算案に、水車や発電機の製作費など1千万円を計上した。
■実用化目指し予算1000万円
市や同大大学院の平木講儒(こうじゅ)准教授(宇宙工学)によると、潮流発電は英国に実用化の例はあるものの、
日本では企業や大学が実験を進めている段階。関門海峡の潮流は、最も速い早鞆瀬戸(はやとものせと)で
秒速4・8メートルとされる。潮の向きが1日に4回、規則的に変わるため、同じ自然エネルギーでも天候に
左右されやすい太陽光や風力発電に比べて発電量を予測しやすく、安定供給につながるという。
今回の実証実験は、昨年度のクリーンエネルギー導入活用法などを探る総務省の「緑の分権改革推進事業」に
採択され、市と同大が事前調査を実施。その結果、航路や漁場を除くと理論上は直径1メートル、
高さ1メートルの水車を32万7千基設置でき、年間で一般家庭約1万6千世帯分の発電が可能と試算できた。
平木准教授は小型モデル機を試作して準備を進めている。実験機の水車は直径1メートル、高さ2メートル程度。
2基を海中に設置し、発電量やさびの付着を検証する。設置場所は、海峡ドラマシップ横の岸壁付近や
関門橋の橋脚付近など、同市門司区の候補地4カ所から1カ所に絞り込む。
市は「実用化はまだ先だが、潮流発電の電気で発光ダイオード(LED)照明をともして市民に見せることが
できれば、クリーンエネルギーのアピールになる」とみる。平木准教授は「できれば5年は実験を続け、
発電システムを確立させたい」と意気込んでいる。
▽画像 潮流発電で設置する水車の試作機を説明する平木講儒准教授
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20110528/201105280015_000.jpg
▽記事引用元 西日本新聞(2011/05/28)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/244473
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