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株式日記と経済展望
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「ポスト福島」の有力なエネルギー資源である天然ガスは、枯渇の
リスクもほとんどなく、確認埋蔵量は20年間で1.5倍に増加している。
2011年4月29日 金曜日
◆<視点>東電の代替発電はLNGに、パイプライン検討も(2) 4月23日 モーニングスター
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20110423-00931822-mosf-bus_all
<世界の発電の主流は原子力からLNGへ>
東京電力 <9501> の福島第一原発の事故により、世界の発電の主流は原子力発電からLNG火力発電に切り替わる可能性が高まった。
福島原発の事故後、米国の格付け大手3社がそろって、今後は世界的に原子力発電に対する安全規制が強まることは確実で、原子力発電は建設のコスト、事故処理のコストを考えた場合、コスト競争力で他の発電方法に劣るとの評価を出した。
残る発電の選択肢は、石油、石炭、LNGとなるが、石油はコスト変動が激しく、コスト高で二酸化炭素(CO2)の排出量も多い。石炭は安価だがCO2排出量が多く、排ガスからCO2を分離して地下に貯蔵するCCSという方法も検討されているが、コストが非常に高くなることや、極めて大きな地質リスクがあることが判明してきている。
太陽光や風力といった新世代の再生可能エネルギーもあるが、発電量に対してコストが高く、特に太陽光発電は火力発電や原子力発電に比べて、著しくコストが高い。また、原理的に稼働率が1割前後しかなく、天候次第で出力が極めて不安定であり、安定電源には向かない。蓄電池を利用して出力を安定させる場合には、さらに大幅なコストアップになる。こうした点からコストも安く、石油、石炭に比べCO2の排出量の少ないLNG火力発電が今後の発電方式として最も有力視される。
<東電内部ではパイプラインの検討必要との声も>
現在、世界には約440基の原子力発電所があり、合計約4億キロワットの発電を行っている。建設中あるいは計画中の原子力発電所は100基で合計約1億キロワット。仮に、建設中あるいは計画中の100基の原子力発電所の3割がLNG火力発電に切り替わったとすると、LNG火力発電で3000万キロワットを発電しなければならない。
LNG火力発電で100万キロワットを発電するためには、100万トンのLNGが必要なため、3000万キロワットでは3000万トンのLNGが必要になる。さらに、福島原発の代替としてのLNGも必要になろう。仮に、LNGに対しする新規需要が5000万トンであった場合に、果たして十分な供給量があるのか。
全世界のLNGの生産能力は年間約2億6000万トン。現在、豪州だけでも既存のLNG鉱区の拡張分も含めて、12件で合計約8000万トンの新規LNG計画が進んでおり、供給能力は十分にある。加えて、北米西海岸、カナダ太平洋岸では膨大な量のシェール・ガスがあり、米国では国内の天然ガス使用分はシェール・ガスで賄えると言われている。シェール・ガスをベースとしたLNG化も進んでおり、数百年分のLNGは十分にあると見られている。
ただ、日本の場合には、天然ガスをLNGとして船舶によって輸入しており、LNG需要が急増した場合には、LNG価格の上昇とともに輸入のための船舶料の上昇など、価格上昇要因がある。こうしたことから、東電内部では、「地理的にもっとも近いロシアのサハリンの天然ガスをパイプラインで直輸入することも、検討すべきではないか」との声も出始めている。(鈴木 透)
◆原発を不要にするシェールガス革命 ロシアがガス供給で日本に手を差し伸べた本当の理由 4月29日 日台 健雄
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5957
まとめ
これまで「ポスト福島」のエネルギーを巡る状況について長文を書き連ねてきたが、最後に要点をまとめておくと、以下のようになろう。
(1)原子力発電は事故がなくてもコスト面で割高であり、安全面だけでなく経済的に見ても合理的な発電方法ではない。
(2)脱原発と再生可能エネルギーへのシフトが望まれるが、現実的には過渡期において他のエネルギー資源に依拠する必要がある。
(3)過渡期のエネルギー源として有力な選択肢は、相対的にCO2排出量が少ない天然ガス火力発電と、天然ガスを原料として蓄熱も可能でエネルギー効率の高い燃料電池。
(4)日本への液化天然ガス(LNG)の供給国は主にアジア・オセアニア、中東、ロシアに分布しており、地域的に多様化しつつある。
(5)世界の天然ガス価格動向は、米国でのシェールガス革命による生産増加を背景に、原油価格とのリンクが外れつつある。
(6)シェールガス革命によって玉突き式にロシアの欧州向け天然ガス輸出が減少し、供給余力が生じている。
(7)天然ガスの確認埋蔵量は20年間で1.5倍に増加しており、今後も技術革新により増加する可能性が高く、枯渇は見込まれない。
(8)円高基調にあることを生かして、積極的に外国でのガス田の権益を確保する戦略的資源外交が求められる。
(私のコメント)
私のような国家戦略研究家にとっては、エネルギー問題は最重要課題であるのですが、福島原発の災害は日本のエネルギー戦略の転機となるだろう。これまでは石炭から石油へと切り替わってきましたが、次のエネルギー資源としては原子力が最有力視されてきた。だから中曽根元総理は日本に初めて原子力発電予算をつけましたが、原子力はエネルギーの鬼っ子であり正当な次世代エネルギーは天然ガスが有力だ。
現に今でも日本の発電割合としては、天然ガスが一番多くて原子力や石炭は天然ガスより少ない。石油は価格や埋蔵量に問題があるし、石炭は公害などの問題を抱えている。原子力はコストが安くCO2を出さないと有力視されてきましたが、扱いが難しく事故を起こせばコストは計り知れなくなる。燃料の始末や廃炉の解体なども問題を抱えている。結果的に天然ガスがエネルギーの主力となるのは明らかだ。
日本の発電電力量比率は2008年度時点で
原子力発電 ・・・・ 26.0%
石油 ・・・・ 10.3%
石炭 ・・・・ 25.2%
LNG ・・・・ 28.3%
水力発電 ・・・・ 7.8%
その他 ・・・・ 2.4%
エネルギーが固体から液体になり、次は気体になる事は整合性がある。CO2も相対的に少なく発電コストも石炭や原子力並みに安い。問題は埋蔵量などの問題ですが、採掘技術の進歩でシェールガスなどの採掘割合が増えている。アメリカなども採掘量が増えた結果世界的にだぶつき気味であり、ロシアなどは天然ガスの売り込み先に困るほどだ。
最近では石油相場の上昇で石炭なども上がってきていますが、天然ガスは連動しにくくなっている。天然ガスは石油のような偏在が少なく世界各地で産出している。しかし天然ガスは気体だからパイプラインで輸送するか、LNGとして船で運ばなければなりませんが、そうなるとロシアからのパイプラインによる輸送が有利になる。
自動車などもガソリンエンジンから電気自動車が有力視されていますが、バッテリーなどの容量の制約があり燃料電池車が主力になるのではないだろうか? 今では非常に高価な燃料電池車ですが、ガソリンが高価になれば電気自動車や燃料電池車が普及するだろう。家庭用でも燃料電池が普及し始めていますが、天然ガスで発電と給湯を賄うことができる。
もちろん自然エネルギーの利用促進も進むのでしょうが、昼間は太陽光発電で電気を賄い、夜は天然ガスを用いた家庭用燃料電池でお湯と電気を賄えば電力会社はいらなくなる。まさに東京電力にとっては福島原発の災害は踏んだり蹴ったりですが、オール電化住宅は間違いであり自動車も住宅も燃料電池が切り札になるだろう。
◆「エネファーム」2020年には270倍に拡大 2010年5月26日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/kouza/kabuka2/03/20100525-OYT8T00841.htm
日本にもメタンハイドレードが海底にたくさんありますが、福島原発の災害が転機となってメタンハイドレードも採掘技術の進歩で利用が出来るようになって、原子力発電は徐々に廃れていくのではないだろうか? アメリカもシェールガスが大量に埋蔵されているし、中国もたくさんあるらしい。日本も世界第6位の広い領海の海底の地下にはシェールガスも眠っているかもしれない。
アメリカにしても中国にしても自国内に100年分以上の天然ガスのエネルギー資源が存在が確認されているわけであり、日本のメタンハイドレードも100年分くらいがあるそうですが、石油が高騰すれば天然ガスの採掘が進んでエネルギー資源の環境がだいぶ変わってくるだろう。天然ガスは電気を発電することも使えるし自動車の動力源にもなりうるから石油の代わりになりうる。
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