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今やるべきことの一つ、それは地熱開発の着手(原発被害の恐ろしさを考えてみよう)
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/282.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 4 月 02 日 05:49:15: 9XFNe/BiX575U
 

今やるべきことの一つ、それは地熱開発の着手

 東電の電力不足を補うために各地の原発の運転促進が言われている。新規着工でさえストップがかからずに、地元説明会を行うだけで強行されようとしている。しかし、これで大丈夫なのだろうか?

 ものつくり日本の基礎を支える産業が電力不足により稼働できず、そのために原発の稼働促進をするとされている。しかし、電力不足を補うなら自家発電施設の増設でも対応できる。油は輸入するしかないが未だに1ドル80円台の円高なのだから、輸入に支障はないはずだ。自家発電のディーゼル設備はある程度量産が効くもののはずだ。更に、西日本の企業が持っている設備を一時的に貸し出したり、または行政が買い取ってそれを被災地域企業に貸与したりすることもできる。

 今回の地震・津波による原発の被害はいまだにはっきりとは公表されていない。そのうちの一つが海水取水設備の被害だ。津波により砂が運ばれて取水口が埋まってしまったり、引き波によって取水口が海面上に露出したり、または、取水のパイプなどが壊れると言う危険性が以前から指摘されてきた。今回の地震では海水取水機能喪失とだけ発表され、具体的な被害状況は公開されていない。更に、真水の取水もできなくなっているがそれが水道管、つまり、福島県内の自治体水道施設の故障のためなのか、または、原発内部の水道管破断によるものなのか、そういったことも明らかになっていない。多分、両方がダメになっている可能性が強い。そうであれば、施設内にバックアップ用の真水のプールがあってしかるべきだったが、そういったものが作られていた様子もない。外部電源喪失についても、原発内の送電鉄塔が倒壊したためとされるが、原発外部の送電鉄塔は無事だったのかどうかは明らかになっていない。地域一帯が停電したのは事実なので、原発施設を含んだ地域一帯が停電したのではないのか?そうであれば、例えば、電源車の配備というようなせいぜい数日分の発電燃料を持つものを整えても、リスク回避にはならないのではないのか。非常用ディーゼル発電施設にしても、津波にさらわれない高所に作れば、原子炉との高度差が大きくなり、これはこれでまたさまざまな設備が増えるだけだ。原子炉は岩盤上に直接作ることになっていて、また、核燃料を海から運び込む関係で、海面からあまり高いところには作れない。

 そもそも、原発を日本のような人口過密とも言える地域に作ること自体が無理なのだ。このもっとも基本的な安全策が日本では守れていない。原発事故による放射能汚染区域の広さから言ったら、どんな岬の先端に作ろうが都市圏にかかってしまい、原発事故は少なくとも数十万人規模の避難民を作ってしまう。浜岡原発が事故れば、3千万人を超える避難民が一瞬にして発生してしまう。大規模地震との同時進行なら、ほぼ確実に避難民救助は不可能になってしまうだろう。浜岡のある地点はほぼ年間を通して西風が吹く。地震発生後数時間後には東京へ放射性のチリが舞い落ちることになり、その中で瓦礫に埋まった道路を数百万、数千万の人間が避難することになる。今回の東北地方太平洋沖地震で福島第一原発の20km範囲内の遺体捜索やその収容は遺体自体が放射能汚染しているため地震後20日が経過した4月1日現在でも行われていない。このことから考えても除染が必要な人が数十万単位で避難するとき、それを受け入れる地域があるようには思えない。

 放射能汚染の怖さはそれが目に見えないことだ。しかも、被曝の影響はすぐに表れる場合は少ない。急性障害と言われるものでさえ、通常は数週間後に症状が現れる。晩成障害という発癌に関わる影響は早くて白血病などの5年から6年、多くは20年ほどたってから症状として現れる。つまり、二重の恐ろしさがあるわけだ。放射線にさらされているのかどうかが自分ではわからない。ましてや、内部被ばくにつながる食物や水、または大気の汚染の場合、匂いや味に変化があるわけではないし、放射線のあるなしを個人で測ることが出来る人は普通いない。つまり、放射線の脅威にさらされているかどうかさえ分からないのが第一点だ。そして、その次に、その影響が即時に現れるわけではなく、数か月、または何十年もたってから現れることだ。更に言えば、発癌や遺伝的な障害が放射能汚染に由来するものだと言う証明も個人ができるわけではない。

 ウランやプルトニウムのようなアルファ線を出す物質を肺に吸い込んだ場合、アルファ線を体外から計測するのは不可能だ。このことも、ヨウ素131による甲状腺癌のみが取り上げられ、ウランやプルトニウムによる発癌症例がないとされる一因であるはずだ。なお、半減期8日のヨウ素131による甲状腺がんの発症は20年ほど経過してからのことが多い。つまり、半減期が短いから影響も短期間で終わると言うことではない。(なお、ウランやプルトニウムの体内被曝を検知することが現在不可能であるわけではない。これらと同時に生成される放射性物質でガンマ線を出すものを検知することで、ウランやプルトニウムの体内被曝を推認することが出来ることはできるようだ。)

 放射能汚染の恐ろしさは他にもある。一度環境中に出てしまうと、基本的にそれを回収することができず、また、汚染の影響が非常に長期間続くことだ。数十キロ四方へは簡単に広がってしまい、しかも数十年から数万年汚染の影響が残ってしまう。

 地震頻発国である日本は54基もの原子炉をかかえている。東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0の超大型地震であり、これによってフォッサマグナや中央構造線が刺激され、別の大型地震が誘発される。東海地震は既に150年以上起こっていず、明日起こっても不思議ではないと言われている。そしてその震源域の真上には浜岡原発がある。原発の廃止には時間がかかる。運転停止をしても安全でないことは今回の福島第一原発の事例で分かったはずだ。原発の廃止には10年単位の時間がかかるのだ。そして、南海、東南海、東海地震の同時発生は今後30年で50%程度はあるとされている。

 原子力発電は非常にリスクが高く、しかも一度事故が起これば、原子力発電によって得ていた利益を数百倍数千倍という規模で上回る損害を与えることになる。車を利用することによって得る利益と自動車事故による損害を比べると、どんなに事故がひどくなろうが、利益のほうが上回るとほとんどの方が考えるだろう。しかし、原発事故の場合、大規模な放射性物質の吐き出しが起こってしまうと、一国の壊滅を意味するほどの損害を与えることになる。この意味で、原子力発電は経済的に合理的なものでは本来ない。

 福島第一原発の事故が起こって既に20日以上が経過するが、原発全廃を言い出す政治家もマスコミもいない。しかし、人類にとって、原発は決してふさわしいものではない。ましてや、地震国日本にとり、これほど危険なものはない。全国の原発の即時停止を言いたいが、少なくとも、地熱発電を大規模に全国で進めるべきだ。

 地熱発電のコストは非常に高く見積もられているようだが、そのほとんどは法規制や環境的な要因によるもので、規制緩和や開発の活発化がされればいっきに安くなるはずだ。地熱発電のいいところは、他の自然エネルギーが天気任せの面が強く、安定した発電ができないのに対し、一年365日24時間、安定した発電ができることだ。しかも、今後の技術開発の余地が多くあり、地域開発と一体となった地熱利用ができる。原発がその危険性から都市部には立地できず、かつ実際に事故ってしまったら非常に広範囲を居住できなくするほどの悪影響を与えるのに対し、地熱は、都市部に立地でき、その温熱を地域冷暖房に生かすこともでき、また、たとえ事故っても火災の危険性さえあまりない。

 原発の即時廃止が電力供給の面や電力会社の財務の関係でできないと言うのなら、少なくとも、原発に代わるエネルギー源である地熱の開発を今すぐに進めるべきだ。地熱資源のトップ5国を見ても、日本以外はみな地熱開発を加速している。日本のみ地熱利用が後退しているのだ。原子力ルネッサンスを言い出したアメリカはその典型で、世界で最も地熱関係の投資が増加している。アメリカは口では原子力と言い、現実には地熱開発をやっているのだ。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<484>>
 

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コメント
 
01. 東京に原発を 2011年4月03日 13:03:56: GoqEZ8CtHCKiM : EwDUCePl4A
Takedさんの地熱推進に賛成です。地熱発電に対して,私の見解は以下の通りです。

地熱発電の主要コスト

1.掘削コスト
2.地上設備
3.発電場所への・からのインフラ
4.災害
5.維持コスト

特に,1.は開発地域の資源位置・地質状況により大いに変わる。ボーリングは石油と同じで1つの敷地から,広い範囲を掘削できるが,遠くへ掘るには長さ分だけのコストだけではなく,遠くへ掘るためのツールが必要でそのコストが大きい。地盤が軟らかければ掘りやすいけど,掘っているときに崩れやすいし,地盤が固ければ掘るのに時間が掛かる。掘削は電気を使うか,重油を使うかでコストも異なる。また,井戸に入れる保護管やそれを固めるセメントなど,色々なコスト向上要因があります。

2,3はたいしたことがないが,管材・電線・土地収用,場合によっては温泉地への補償も入り得ます。

4.なお,地熱発電に適した地域は,日本の場合,地滑り地帯に多くあります。これは当たり前です。地熱地帯は地表に噴気帯などがある(あった)場所にあるので,地熱水によって岩石が粘土(水を含むと膨張)に変質しているからです。
災害で最も怖いのは,そういったものが,地熱開発によって引き起こされたのか,融雪時期や多雨時期の地下水圧変化によって生じたのかをきちっと判断できるようにしておかなければなりません。温泉でも湧出量が減ったとか温度が下がったとか,都合のいいような解釈ができてしまいます。本当は,近くの温泉掘削によるものだったり,ボーリングの施工がまずかったり,自然変動だったり,地震によって変動したり。
ただ,地熱開発とそれによる誘発地震があるのかどうかは,ニューヨークタイムズなどにも取り上げられているようですし,ヨーロッパではそのために地熱開発を中止させられた例もあるようです。

5は,開発地域で大きく異なります。ボーリングした井戸から熱い水が出てくると,その中に含まれる成分から湯あかのようなもの(スケールというようです)が井戸のなかにたまって,それを除去する必要があります。いろんな対策があるようですが,そのようなところに技術開発の余地があるんでしょうね。環境省で公募していたようです。


ところで,開発から発電所建設までの時間が長いのは,まずは掘削が1つの会社でやるからで,複数の会社が複数のボーリングマシンを投入して掘れば,かなり短時間でできる可能性があると思います(敷地が狭く小規模な場合は上記2,3でしょう)。また,発電機をいつでも増減できるユニットタイプで運用すれば色々都合も良くなるのではないかと思います。発電だけでなく熱を直接利用できればもっといいですけど。

太陽光や風力以上に,一気にやるには,掘削会社を増やすしかない。ただ,掘削会社は海外にもあるので,技術者ごと来てもらうのは可能である。

あとは,シェールガスの需要が爆発的であり,そっちに管材・設備がどれだけとられてしまうのか?

原発は,日本では今後難しいけど主要ベースロードであります。本来,今回の巨大地震は想定内で,女川原発のすばらしさが全世界に発信され,インドネシアなどの巨大地震・火山災害国の原発推進派に,拍手で迎えられるはずだったのですが,福島のおかげでそれもダメになるでしょう。そもそも地質学を甘く見ている人たちが信じられない。日本はプレート活動の恩恵を受けている,だから地熱資源も形成されるが,巨大災害も発生する。これが理解されていない。災害を少なくすることは難しい。予知することは,できるかもしれない。火山の噴火はほとんど予知できるようにあったし,地震予知も少しづつ・・・。福島の場合想定外と言ってるが,私からすれば想定外は,隕石落下や宇宙人による破壊ぐらいで,自然災害や戦争などは全部想定内だと思うのです。今ある活断層だけが危険なわけではないと思う。断層はもともとそこになかったし,あるときに地盤に応力がかかって,破壊された痕跡なのだし,そういう意味では活断層だけではなく,どの地域にひずみがたまっているのかを調査して,発電所を建設しなければいけませんね。

去年だったかの国際地質学会であるお方が「Geology underlies everything」と言って賞賛を受けたらしいです。私もそう思います。小学校から災害教育と地質学を必須教育にして,日本ではこなすばらしい純国産のエネルギーがあることを大いに広めておくべきです。

地熱開発は草津温泉から!がインパクトが強いですね。


02. 2011年4月04日 03:55:50: CRer5rROIE
地熱発電開発の脆弱性は、すでに何度も指摘してるように、
学問的にも地熱発生メカニズムの解明が完全になされていないことにある。

たとえば、膨大な投資で或る地域で地熱発電を完成しても、
たちまちその地域の地熱が急激に枯渇することも起こり得る。

もし、そういう事態が生じても「地熱発生メカニズム上、普通に有り得ること」で片付けられてしまう。

また、予測できない地熱活動(爆発・有毒ガス・地磐崩壊)が突発的に起こる危険性もある。
それに比べれば、原発は地震対策さえチャンとしておけば(今回の福島原発の事故にしても、随分以前から津波対策の不十分さをアメリカ側から指摘されていたのを東電が無視していたようだが)、学問上も事業上もシステムとしては完成されている。(ま、だからと言って原発を積極的に推進しろということではないが)。


03. taked4700 2011年4月04日 20:44:50: 9XFNe/BiX575U : COFU16Dm7k
02さんへ、

>たとえば、膨大な投資で或る地域で地熱発電を完成しても、
>たちまちその地域の地熱が急激に枯渇することも起こり得る。
>もし、そういう事態が生じても「地熱発生メカニズム上、普通に有り得ること」で片付けられてしまう。

と言うのは、具体的にどこのことを言われているのでしょうか?今までそういった事例があったでしょうか?

地熱は言うまでもなく、地下のマグマの熱を利用したものです。マグマの熱を直接利用することは現在の技術ではまだ無理で、多くはマグマの熱が岩盤を伝わってきたものを利用しています。つまり、マグマがある限り、急激に地熱資源が、または、熱そのものが急激に衰えることはほぼ100%あり得ません。

>地熱発生メカニズム

と言うことを言われていますが、具体的にどんなものを考えていらっしゃるのでしょうか?単に、熱水が枯渇すると言うことを「地熱が急激に枯渇」という意味で考えられているのでしたが、多分、勘違い、または、以前の古い技術での地熱開発しか想定されていないからです。現在、多分、既に10年以上前からくみ上げた熱水は地下へ戻すことが普通に行われています。地下の熱水を直接利用するフラッシュ発電でさえ、現在はそれが普通に行われています。現在、政府が補助金対象にしているバイナリー発電では地下の熱水をくみ上げることさえしません。

地熱発生メカニズムのどこに、急激に地熱資源が枯渇するような可能性を示すものがあるのか、自分にはよく分かりません。ぜひ、具体的にご教示をお願いしたい。


04. 2011年4月04日 22:50:47: 7SIYGv3ft6
 スイスからです。スイスは世界一の地熱エネルギーの国です。バーゼルが一番取り入れてるはずです。
地熱エネルギーを取り入れたお家が本当にたくさんあります。そんなに深く掘らなくても常時安定した温度のお家です。国の助成金があるみたいですね。
 日本では26%の原子力にすべての助成金がいってたせいか、新エネルギーはたった1パーセントだった記憶があります。

 以前、作者を忘れましたが日本の 地熱 という推理小説を読んだ事があり、その内容は、日本には地熱がふさわしいのに、原発マフィアの陰謀により、とことん潰されてしまうが、禿鷹金融の助けとともに、原発から地熱に向かおうとするものでした。もちろん小説に過ぎませんが、ちょっと気になるんは確かですよね。

 現在、北海道の幌延町に、原子力廃棄物研究所として、地下の資質を調べる施設があります。日本の地下に廃棄物を埋めるのは、ふさわしくなく、あきらめた方がいい案みたいですね。ホームペイジを見たらその地下の施設を訪れた人が地下なのでひんやりしてると思ったら、とても暑いのですねとありました。
 そこから、原子力廃棄研究所の研究から、地熱の研究をおこなったらいいのでは?唐突に思ってしまいました。

 現在の地熱研究は、以前に比べて、随分進んでるのではないですかね。ロザーンヌ工科学院でも研究してます。
 スイスの地熱の普及具合から、もっとリサーチしてみたらいいのかと思ってます。

日本の地熱研究にくわしいかたがいましたら、何でもいいですから教えていただけますか?

 


05. 東京に原発を 2011年4月04日 23:28:23: GoqEZ8CtHCKiM : EwDUCePl4A
私が知識の範囲内で03さんへお答えします(一部,02さんへの補足も)。


03. taked4700 2011年4月04日 20:44:50: 9XFNe/BiX575U : COFU16Dm7k
02さんへ、
>たとえば、膨大な投資で或る地域で地熱発電を完成しても、

→ 「膨大な投資で」は,経済原理に基づくものですので,対投資効果がなければ,そもそもお金は掛けないとっもいます。インドネシア・サラックやUSA・ザガイザースは大規模出力なので,お金もかかりますが,儲かるのでやっています。一方,比較的安価にできる地熱発電があるようです。それは浅い地下から蒸気だけを取り出せるような地域です。それでもやっぱり原発ほど巨大ではないですね。地熱(発電)利用は,ローカルですから,一選択肢です。

>たちまちその地域の地熱が急激に枯渇することも起こり得る。

→ 日本ではまだ確認されていないのではないでしょうか?ただし,温泉と同じで,1箇所集中で開発すると,もちろん共倒れです。コモンズの悲劇です。USA・ザガイザースはかつてそのような状況に陥ったようです。02さんが言われているのはもしかすると,枯渇と言うより「温度が下がって使いものにならなくなる」ではないかと思います。それなら,可能性は十分にあります。そうならないような管理が色んな地域で工夫されているようです。

>もし、そういう事態が生じても「地熱発生メカニズム上、普通に有り得ること」で片付けられてしまう。

→ 普通にあり得ることで片付けられません。なにせ,地熱発電を運営している会社自身がそうならないように努力して,お金を得なければなりませんから。

と言うのは、具体的にどこのことを言われているのでしょうか?今までそういった事例があったでしょうか?

→ 03さん,この答えは私も知りません。たぶん,02さんのおっしゃる「資源の枯渇」は「地熱発電ができなくなる」ということではないでしょうか?日本では,実際に発電出力を縮小したところもありますし,逆に出力増強しているところもあります。地熱資源は無理なく使えば,日本の松川では40年以上継続しているのですから,サステイナブルにちかいです。

地熱は言うまでもなく、地下のマグマの熱を利用したものです。マグマの熱を直接利用することは現在の技術ではまだ無理で、多くはマグマの熱が岩盤を伝わってきたものを利用しています。つまり、マグマがある限り、急激に地熱資源が、または、熱そのものが急激に衰えることはほぼ100%あり得ません。

→ 基本的に今の発電は,(マグマの)熱に温められた流体を熱運搬媒体として利用しています。マグマの熱だけで発電する高温岩体発電は,オーストラリアで利用が始まっていたように記憶しています。ただ,対投資効果は????


>地熱発生メカニズム

と言うことを言われていますが、具体的にどんなものを考えていらっしゃるのでしょうか?単に、熱水が枯渇すると言うことを「地熱が急激に枯渇」という意味で考えられているのでしたが、多分、勘違い、または、以前の古い技術での地熱開発しか想定されていないからです。現在、多分、既に10年以上前からくみ上げた熱水は地下へ戻すことが普通に行われています。地下の熱水を直接利用するフラッシュ発電でさえ、現在はそれが普通に行われています。現在、政府が補助金対象にしているバイナリー発電では地下の熱水をくみ上げることさえしません。

→ 日本では,一般の地熱発電ではくみ上げた熱水は必ず地下に戻しているはずです。そうしないと,枯渇します(地下の圧力を維持できなくなるため)。そういう意味では,ボーリングによってくみ出している温泉は日本にたくさんありますが,そこから排水される熱量は日本の地熱資源を無意味に捨てていることになります。非常にモッタイナイし,地下水の低下を招くかもしれません。
03さん,バイナリー発電は熱水をくみ上げるのが普通です。熱水をくみ上げないで使う技術ももちろなりますが,それは同軸熱交換などの高度な技術で実用化されていないかもしれません。一般家庭の地中熱利用や温泉発電はくみ上げる必要はありません。


地熱発生メカニズムのどこに、急激に地熱資源が枯渇するような可能性を示すものがあるのか、自分にはよく分かりません。ぜひ、具体的にご教示をお願いしたい。

→ 私もよくわかりません。地質学的な時間(何万年とか)で考えれば,おそらく枯渇するかもしれません。現状では,ウラン鉱石のほうがすぐに(数十年後に)枯渇してしまいそうです。海水からでもうまく分離できればいいのですが,対投資効果がないですね。メタンハイドレートは希望があるのですが,どうやって取り出そうかいい案があるんでしょうか?

→ 最後に,「地震対策さえちゃんとやってれば」は同感です。ただ,それが予測できないんです。なにせ,断層がどこでどうやって発生するのか,ひずみがどこで最も多く蓄積しているのか(次に地震の発生する場所),せいぜい歴史や地層に残っている地震痕跡でしか予想できないので。どんなにシステムが完全でも,どんなに強固な建物を造っても,断層が発生する直上に原発を作ってしまっては(現に柏崎がそうだったように),その力を抑制できるほどの建物は造れないのですから。

私は世界でも最も危ない地質テクトニクスをもつ日本に,原発は良くないと思っています。だからといって地熱発電だけではとても代替できない。ほかの自然エネルギーでもどうかと。


06. 東京に原発を 2011年4月04日 23:52:14: GoqEZ8CtHCKiM : EwDUCePl4A
04さんへ

>以前、作者を忘れましたが日本の 地熱 という推理小説を読んだ事があり、その内容は、日本には地熱がふさわしいのに、原発マフィアの陰謀により、とことん潰されてしまうが、禿鷹金融の助けとともに、原発から地熱に向かおうとするものでした。もちろん小説に過ぎませんが、ちょっと気になるんは確かですよね。

→ 真山仁さんの「マグマ」という小説ではないでしょうか?これは,実話に近いように思います。真山さんの元記者魂が発揮されている膨大な情報収集・解析に基づいているように思われます。


>現在、北海道の幌延町に、原子力廃棄物研究所として、地下の資質を調べる施設があります。日本の地下に廃棄物を埋めるのは、ふさわしくなく、あきらめた方がいい案みたいですね。ホームペイジを見たらその地下の施設を訪れた人が地下なのでひんやりしてると思ったら、とても暑いのですねとありました。
 そこから、原子力廃棄研究所の研究から、地熱の研究をおこなったらいいのでは?唐突に思ってしまいました。

→ 原子力廃棄物の廃棄の研究は,むしろ地熱発電で培った技術が利用されていることが多いと思います。岩石と水の反応解析はまさに地熱研究そのものです。


>現在の地熱研究は、以前に比べて、随分進んでるのではないですかね。ロザーンヌ工科学院でも研究してます。
 スイスの地熱の普及具合から、もっとリサーチしてみたらいいのかと思ってます。

→スイスの地熱は「地中熱利用」ではにでしょうか?もちろん著名な温泉もありますが。スイスではたしか,地熱発電をやろうとして深いボーリングを掘ってそこに水を注入した際に,比較的大きな有感地震が起こったため,そのプロジェクト自体が中止になったはずです。げんざい,世界的にその問題解決のための議論がなされていると思います。CO2の地中貯留などもそういった問題はあろうかと思います。

日本の地熱研究にくわしいかたがいましたら、何でもいいですから教えていただけますか?

→ ヨーロッパなら,イタリアの地熱発電があまりにも有名です。ポルトガルのアゾレス諸島(サンミゲール島)には地熱発電所があったはずです。スペインでも日本風の温泉がありますが,風力発電のほうが盛んです(丸紅とかが資本投入していたような記憶があります)。

取りとめもなく書きました。


07. 2011年4月05日 00:24:22: 7SIYGv3ft6
06さん、ありがとうございます。とても詳しいのですね。
スイスのジェオテルミは地中熱利用と訳した方がいいのですね?
とにかく、スイスでは、助成金があるせいか、地中熱利用のお家がますます多くなってて、聞くところに寄ると、そんなに深く掘らなくても、安定した熱を供給できると聞きました、冬などは、セーターを着なければならない温度みたいですが、住んでるかたがたは、とても喜んでました。
06さんの仰る通り、私が読んだ小説は マグマ でした。
そうすると、日本の地熱研究というのも進んでいるのですか?単に政治的な理由で資金を調達するのが難しいということでしょうか?
06さんは、地熱は日本に馴染むと考えられますか?

 スイスに住んでいて、こちらの人たちに、なぜ日本は地震がよくあって津波も来るところに、わざわざたくさんの原発を作ったのか?と、聞かれます。日本人のわたしも全く質問をなげかけます。世界中のひとが、なぜ?と問いかけます。
 福島元県知事がモックス燃料に反対したため、小沢氏や村木さんとまったく同じ方法、つまり、フロッピー元前田検事の調書により福島元県知事を辞めさせてまで、福島の原発にこだわった国策も、世界中のなぜを誘います。

 06さん、エネルギー関係の情報ありがとうございました。


08. 2011年4月05日 00:26:35: 7SIYGv3ft6
07です。私もまったく同じ質問をなげかけます。の間違いでした。

09. 東京に原発を 2011年4月05日 21:48:20: GoqEZ8CtHCKiM : EwDUCePl4A
07. 2011年4月05日 00:24:22: 7SIYGv3ft6
>06さんの仰る通り、私が読んだ小説は マグマ でした。
そうすると、日本の地熱研究というのも進んでいるのですか?単に政治的な理由で資金を調達するのが難しいということでしょうか?

→ 地熱研究は進んでいないと思います。政治的な理由はあると思いますが,それは補助金に頼りすぎる体質があるからです。本当に地熱が発展するためには,補助金に頼らない体質を地熱業界自身が作っていかねばならないでしょう。

>06さんは、地熱は日本に馴染むと考えられますか?

→ 地熱は十分に馴染んでると思いますが,あまりにも知られていないのも事実かも知れません。これも業界のアピール不足だと思われます。


10. 2011年4月05日 23:08:45: KB68e1o4l1
>>02
私もその理屈を何年か前、NHKで聞いたので地熱なんて駄目だと思い込んでいたのです。
でも、どうやらそれは地熱推進を封じ込めるための嘘だったようですね。
NHKならみんな信じちゃうでしょう。

これからも原発推進派はたくさんの嘘を発明していくのかもしれません。


11. 2011年4月06日 18:01:41: 7SIYGv3ft6
東京に原発を さんありがとうございました。ネームはさておき、全ての答えの簡潔さ的確さに、目をみはるばかりです。そうしますと、地熱のアピール不足ということですね。 マグマ の内容から、原子力マフィアの力が緩んだところを突いてアピールしていかなければならないのでしょうか?
 助成金に頼らない体質を地熱業界が作らなければというところですが、国ではなく、地方自治体、町、市などの単位での構想力みたいなものを強化して、町や市の下部的な情報交換を行って、一番見近のグループの単位で、国家行政システムの盲点をついて、改革をすすめて行くというのはどうでしょうかね。地熱にこだわらず、代替エネルギーが、やっと、話題にでても、問題視されない時代にはいったと思われます。
東京に原発を さんは、ご自身のお考えとかはどうなのでしょうか?
ぜひ、御伺いしたく思うのですが、、。

12. 東京に原発を 2011年4月07日 00:43:20: GoqEZ8CtHCKiM : EwDUCePl4A
7SIYGv3ft6 さんへ
>助成金に頼らない体質を地熱業界が作らなければというところですが、国ではなく、地方自治体、町、市などの単位での構想力みたいなものを強化して、町や市の下部的な情報交換を行って、一番見近のグループの単位で、国家行政システムの盲点をついて、改革をすすめて行くというのはどうでしょうかね。地熱にこだわらず、代替エネルギーが、やっと、話題にでても、問題視されない時代にはいったと思われます。
東京に原発を さんは、ご自身のお考えとかはどうなのでしょうか?
ぜひ、御伺いしたく思うのですが、、。

→ 私はこう考えます。

国が適切な固定価格買取制度(FIT)を設定すれば,地熱発電そのものが企業にとって利益のでる事業となります。そうすれば,自ずと開発は進むと思われます。国の補助金をあてに動こうとすると,いつまでもそれに引きずられて開発は遅れると思います。
現状では,有望な開発地域と言われる場所が国立公園内や温泉街の近くなどに集中しているそうなので,また,山岳地の中の開発では電気を送電するための送電線・鉄塔などがないらしいので,そのへんの整備・調整を国が実施すれば,企業(場合によっては自治体自ら)も大喜びで皆さんのもとへ地熱エネルギーを届けるために一生懸命頑張るでしょう。
太陽光発電が48円/kWhで買い取ってもらえてるんだから,そういうニンジンをぶら下げてあげれば・・・・(ちと下品な言い方ですが)。

とはいうものの,地熱開発をする企業・人には,「地熱発電を作るぞ!」という使命感が必要でしょう。その目的は,「国家国民のため」にが基本であるということはもちろんですが,本当に「クリーン・純国産」であることをしっかり刻んで,すべてを「みんなに情報公開」し,「安全対策・管理をクリアに」し,「周辺の方々に愛されるように誠心誠意努力・協力」して,しかも「私利私欲に走らず」に,そんな心意気を今こそ示していかれることを深く深く望んでいます。

地熱発電はベースロードにはなりますが,あくまでローカルエネルギーの一つです。ただし,人口の少ないエリアでは地熱発電所1基あるだけでかなりの人口を賄えてしまいます。地熱のカスケード利用を実施すれば,電気だけでなく,農林水産業すべてに利用可能でしょう。今,被災地(東北地方は火山が多く地熱資源が多いだろう)に食料物資が遠くから運ばれてきますが,地熱を利用して現地で作物を作っていたら,車の燃料も少なくてかつ物資をすぐに持って行けたことでしょう。「地産地消」というやつですが,わたしは逆に「地消地産」を推奨します。地域で食べるものを地域で作れれば,運搬コスト・燃料の節約につなるだけでなく,時間も早く新鮮なものを食べられる上に,それを作る雇用も生まれます。こんな考えはすでに陳腐なのですが,今,東北の方々を見るとき,一層そう思います。

輸入資源に頼る発電は,いつ燃料が急騰し,電気代に跳ね返るかわかりません(総括原価方式ゆえ)。地熱発電もそれに使われる資材/機材/燃料の一部は輸入品原料もあることでしょうから,もちろん高騰する可能性が大きいのですが。
それにしても,火山はおこらせたら危険きわまりないのですが,温泉・地熱,肥沃な土壌,風光明媚なシンボルなど,なんと我々を潤すものなのでしょうか。その火山もプレートの沈み込み帯で発生したマグマが上昇してできたものです。プレートの運動は,地震を引き起こします。すべてが関連しております。

とりとめもなく


13. 2011年4月07日 17:23:03: 7SIYGv3ft6
 東京に原発を さん すばらしい考察ありがとうございました。
 国の適切な固定価格買収制度というのは、現在の国が引き起こした原発事故を見てると、直感的に納得できるものがあります。なんでも、経産省は価格が高いという理由で東電から電気を買っていないらしく、それに対し住民は東電以外から買う可能性を持っていない、、。
 すでに、問題は個別の件で有効な方法を探すというより、国家システムそのものを検証しなければならない限り、問題は先送りされ続けるのではと思います。国民を無視した国の中央集権システムのありかた、また、地方への助成金のせいで、福島の原発銀座ができあがったということも、国の助成金システムの残酷さに驚愕します。
 やはり、日本の官僚システム、や国家経理システムも日本は他の国と違うらしく、戦後の50年代、60年代の日本の官僚さんたちの優秀さが語られてましたが、システムは同じだったのでしょう。ただ、その頃の官僚さんたちには、倫理観みたいなものを、現在の官僚とは違って持っていたのかもしれない。  以前 マグマ を読んで、自分の奥深くの認識の仕方に影響がありました。それは、実は気が付いていたのに、無意識に見ないようにしていた何かのようなものです。日本のある権力構造のまずさを感じていても、何十年といった年月によって築かれたネガチブな構造に対抗することの、個人としての非力さみたいなものを感じて25年前、私はフランスに来たのかもしれない。
 マグマ を読んで、それでも、巧く工夫して闘うべきだったのではないか?
 という一抹の後悔のようなものを感じたのも本当です。それだけ、マグマ の地熱研究のテーマは人間のあり方、繋がり方に訴える者がありました。 ぜひ、たくさんの日本のかたに読んでほしいと強く思います。 マグマ 著者は真山仁です。

14. 2011年4月30日 20:13:36: ldsRVcOa2A
地熱の利用は電力業界だけではなく、ガス業界・石油業界からも目の敵にされています。水が豊富で火山大国の日本が地熱開発の技術を発展させてマグマから直接無限大のエネルギーを得ることは国民の大きな利益ですが、既得権益層は自分たちの利権(利益の源)が無くなる。太陽光や風力発電は脅威ではないのです。日本の地熱発電の技術は世界一です。日本の地層分析能力も世界一です。発電所から出る排熱(熱水)を利用すれば10万キロワットの発電所が30万キロワット分の利用になります。原発や火力発電は排熱利用しませんよね。熱を捨てて、また電気で暖房や温水を作っていますね。火山国日本はそれ自体が水をきれいにする大きなフィルターなのです。地熱なんて開発されちゃうとおれたちが失業しちゃう。だから政治やメディアを巻き込んで・・・知らしむべからず・・・

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