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なぜ原油価格は90ドルを超えたのか?
先週22日、2年2ヶ月ぶりに原油価格の終値が90ドルを超えたそうです。今年は次第に価格が上昇していましたので、90ドル超えも時間の問題とは思っていましたが、原油在庫が市場の予想以上に減ったこと受け、90ドルを突破したようです。
出典:「原油、2年2カ月ぶり90ドル台 NY市場、在庫減少で」(47NEWS、2010年12月23日)
報道では「米原油在庫の減少や欧米の寒波を受けて」とサラリと原因を分析していますが、それではなぜ在庫が減少しているのか。それが問題ですね。もしかしたら、オイルピークの影響が既に出始めたということなのかもしれません。
国際エネルギー機関(IEA)は11月にWorld Energy Outlook 2010を発行し、その中で「従来型」の石油は2006年にその生産量がピークに達したようだと結論づけています。オイルピークはもう来ていたのです。
《参考》
■「World Energy Outlook 2010日本語要約(PDF)」(IEA)
不思議なことにこのニュースは日本ではほとんど報道されていませんので、もしかしたら原油価格が90ドル突破というのはやや驚きをもって受け止められたかもしれません。もっとも、原油価格は今年に入ってから徐々に上昇していますので、その価格をフォローしている市場関係者にとっては当然だったのかもしれませんが...
ちなみに、OPECの一部加盟国は、まもなく100ドル台に乗せるであろうと予測しているようですので、そう考える国々からすれば、90ドルというのはまだ通過点に過ぎないのでしょう。
出典:「原油100ドルに上昇、OPEC一部加盟国が予想−石油消費国は警戒」(Bloomberg、2010年12月27日)
ここでも問題は、90ドルか100ドルかではなく、なんでこのような価格上昇が起きるのか、この先はの展開はどうなるかでしょう。オイルピークは既に過ぎ、私たちは好むと好まざるとにかかわらず脱石油の時代に突入したという認識が重要なのではないでしょうか。
なぜか日本では私たちはそのような時代の大きな流れを知らされないのです。もちろん、それではこれにどう備えるかということについても知らされませんし、事実が知らされなければ考えることもできません。
石油に代わるエネルギーとして、日本では原子力発電が推進されていますが、これには安全上の様々な問題があるだけでなく、そもそも原子力そのものも持続不可能である、オイルピークと同様にウランピークもありますし、もうそれは来ているのだという説すらあります。
■「石油ピークって何?」(もったいない学会)
そう考えると、原子力はとても化石燃料の代替にはなりえません。化石燃料や原子力に頼らなくても、自然エネルギーはかなり潤沢にあります。特に日本では、地熱エネルギーが莫大なポテンシャルを持っているのですが、そのこともあまり知られていませんし、もちろん活用もされていません。詳細は、例えばWikipediaの「地熱発電」の項をご参照ください。
それ以外にも様々な自然エネルギー、再生エネルギーがあります。それぞれに一長一短がありますので、どれをどう使っていくかは議論すればいいのですが、少なくとも石油時代の終わりが始まったことや、次の時代を担うエネルギーとして、原子力ありきで進めるのではなく、多くの選択枝についてきちんとデータを開示した上で、是々非々の議論をする必要があるのではないでしょうか。
大きく時代が動き始めたのです。ここできちんと持続可能な社会のビジョンを描き、そちらへシフトすれば、新しい地平が開けます。反対に、時代が変わりつつあることに気付かなかったり、気付いても見なかったふりをしたのでは自分だけ変化から取り残されてしまいます。私たちは大きな分岐点に立っているのです。
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