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石油の中東依存が脱却できる日も近い。
カーボンニュートラルだから、温暖化云々、言われることもないだろうし。
国を挙げて、早急に、取り組んで貰いたい。
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「藻類」を石油代替に 基礎研究が次世代産業に発展(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E0E2E290E38DE0E3E3E0E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E5E2E3E0E2E3E2E1EAE4E2
筑波大学を中心に、オイル(油)を採取できる藻類の研究が加速している。バイオ燃料にするだけでなく、化学製品の原料にもなり、そのまま石油の代替に使えるのが利点。石油化学産業ならぬ「藻類産業」を目指している。もともとは地味な基礎研究の分野が次世代産業へと大きく発展しようとしている。
13〜14日、筑波大で藻類の国際会議「第1回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット」が開催された。日本と韓国、中国、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、米国、さらに欧州の代表格のオランダから研究者や政府関係者らが参加し、研究成果や政策を発表し合った。
「どの国も熱心。各国ともけっこう取り組みを進めていることがお互いによくわかった」と筑波大の井上勲教授は話す。次回は2年後の予定だが、早くも3カ国が開催地に名乗りをあげた。それだけ会議の成功ぶりと各国の力の入れようがうかがえる。
筑波大では藻類と太陽光発電、風力発電、燃料電池を組み合わせた複合的なクリーンエネルギー実験施設の建設が進んでいる。次世代環境エネルギーの国際研究拠点を目指す。
ここでは例えば、オイル生産に有望な藻類「ボトリオコッカス」を効率的に培養する技術を開発する。培養装置の1つは、ずらりと並んだ藻類培養パイプを支柱で高く持ち上げた構造。太陽の方向を追尾してパイプを向け、藻類の光合成を活発にする。夜間も太陽光発電などの電気で照明を当てて光合成を続ける。
「ボトリオコッカスのオイルは純粋な炭化水素。燃料だけでなく、樹脂など石油化学製品の原料としてもそのまま、既存のプラントで使える」と彼谷邦光特任教授は説明する。邪魔な酸素や硫黄などを取り除く必要がないのも利点だ。
ボトリオコッカスは有機物を含む排水をエサにしてオイル生産効率を高めることもできる。オイルを採取した後に藻類の搾りかすが残るが、これも無駄にしない。
ナノテクノロジーを応用した触媒を開発し、搾りかすから水素を生産することを考えている。水素は燃料電池に使える。さらに渡辺信教授や彼谷特任教授らは最近、新たな有望藻類「オーランチオキトリウム」を発見した。
これは光合成ではなく、もっぱら有機物を食べるタイプで、多くのエサが必要になるが、搾りかすがエサに使える。ボトリオコッカスはオイル生産コストの低減が課題だが、オーランチオキトリウムと組み合わせることで、新たな可能性が開ける。
オーランチオキトリウムは従来の10倍以上の効率で、やはり様々な利用が可能な炭化水素を生産できる。特に「スクアレン」という化粧品などに使われている高価な原料が豊富。「直径30メートル、深さ10メートルのタンクで培養すれば、年間約500トン。日本のスクアレン需要をまかなえるほど」(彼谷特任教授)と見積もる。
これにとどまらず、さらに大量生産して燃料や化学製品原料に利用することを目指す。大規模培養時のオイル生産コストは1リットル当たり50円と研究グループはみており、実用化に向けて有望。ただ、「これは試算なので実証しなければならない。まずタンクで培養実験をして、性質や適した条件を突き止める」(渡辺教授)考え。
その後、実証規模に拡大する予定。エサとなる排水の処理と組み合わせる構想もある。オーランチオキトリウムの搾りかすは相変わらず残るが、これもガス化して利用する案がある。
石油化学産業は原油を出発点に様々な原料を作り、燃料や化学製品に至る。これになぞらえれば、再生可能な光エネルギーと水、二酸化炭素による光合成から燃料や製品を無駄なく作るのが藻類産業の大きな骨格だ。筑波大は今年、企業などと「藻類産業創成コンソーシアム」も結成しており、産業化に向けた研究開発が一気に進むかもしれない。
もっとも、日本でこうした藻類の応用研究が進んでいるのは、長年の基礎研究の蓄積が大きいと言える。にわか研究で都合の良い藻類を見つけられるものではないし、ボトリオコッカスとオーランチオキトリウムで終わりでもない。
「まだまだ探せば、すごい藻類がいると思う。優秀なものを見つけることは、いずれ国を左右する」と井上教授は指摘する。基礎から応用まで一体となった推進が重要になっている。
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