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世界初の水素コミュニティ
記事提供元:http://www.eco-online.org/
記事元ページ:http://www.eco-online.org/lollanddenmark/20080930109.php
ごぶさたしております。デンマーク、ロラン島のニールセンです。前回ブログを始めてから早くも1か月...ブログなのだから、もっと頻繁に更新せねばと反省しております。と、前置きはこのくらいにして、今日はロラン島が取り組むプロジェクトの目玉のひとつ、世界初となる「水素コミュニティ」の近況についてお知らせします。
ロラン市では、ロランCTF(Community Test Facilities地域共同体実験施設)のひとつとして、2007年5月からデンマーク初のデモ水素プラントと燃料電池が稼働を開始。そして、つい先日9月11日に、島西部にある小さな町、ヴェステンスコウ(Vestenskov)のクアト&ブリッタ・ハンセンさんの家に、待ちに待ったミクロコージェネ機がやってきました。これまで使用していた灯油ボイラーを取り外し、かわりに取り付けられた、冷蔵庫2つ分ほどの大きさの最先端設備を目の前に、ハンセンさん夫妻は「新しいことを誰よりも早く体験できるのはワクワクしますね。最近は原油価格がとても不安定ということもあるし、地域でエネルギーの自給自足ができるのはいいことだね」とニコニコ顔。しかも、9月15日には、マーグレーテ2世女王陛下夫妻もロラン島へやってきて、世界初となる水素コミュニティをその目で確かめようと、ハンセン夫妻のもとを訪れたのですから、ロラン島にとっても、ハンセン夫妻にとっても、これ以上うれしいことはありません!さらに、9月20日にはハンセン家でオープンハウスが行われ、たくさんの地域住民のみなさんが見学に訪れました。
そもそも水素コミュニティは、前回お話ししたようなロラン島の需要を50%以上も上回る「過剰な」風力発電供給を、なんとか「貯めて使う」方法はないか、というのが出発点。この余った電気を使って水を分解して水素(と酸素)を作り、燃料電池に貯めることができれば、風のあまり吹かない日のために、エネルギーを貯蔵しておくことができる、というわけです(ロラン島は、平らなデンマークの中でも特に真っ平らで、常に風力発電に適した風が吹いているので、あまり「風が吹かない日」というのは少ないのですが...)。
ハンセン家のミクロコージェネ機は、ヴェステンスコウの町から5kmほど離れたロラン市最大の町、ナクスコウ(Nakskov)の環境リサイクルパークの中にある、電気分解施設とつながっています。ここで作られた水素が各家庭に送られ、必要に応じて電気や暖房となって利用されます。この実験を繰り返しながら、今年の終わりまでにヴェステンスコウではあと4軒の家へミクロコージェネ機を設置する予定。さらに、来年には35〜40軒の家庭にミクロコージェネ機が設置され、晴れて世界初の水素コミュニティが誕生することになっています。
ロランの水素コミュニティについては、以下のホームページでも英語の情報を見ることができますので、のぞいてみてくださいね。
http://hydrogen-community.dk/