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LPG、米国産シェア首位
1〜7月輸入、脱・中東依存進む 競争促進、調達コスト下げ
日本の液化石油ガス(LPG)輸入に占める米国の割合が2016年1〜7月で3割を上回り、昨年首位だったカタールを追い抜いて初めてトップとなった。石油元売り各社は調達先を分散して中東依存度を下げ、競争促進による低コストでの調達と安定供給に取り組んでいる。今後は米国産に加え、輸入先が一段と広がりそうだ。
日本のLPG調達先は多様化している
16年1〜7月の国別シェアは米国が35.0%、カタールが20.1%となった。15年通年は米国が21.2%、カタールが23.5%で、米国のシェアは前年に比べて10ポイント以上上昇している。カタールやサウジアラビアなど、中東への依存度は56.6%にまで低下している。
シェール革命以降、米国ではシェールガスに由来するLPGの生産量が増えている。加えて「米国湾岸のLPG出荷設備がこの2〜3年で増強された」(エネルギーアナリストの伊藤敏憲氏)ことで、輸出環境の整備が進んだことが背景にある。
日本のLPG業界にとって「脱中東」は長年の懸案だった。11年の中東産の割合は88.7%に達した。「中東産シェアが下がれば供給が途絶するリスクが低下する。価格競争を促す効果もある」(JXエネルギー系のENEOSグローブ=東京・千代田)
米国からの輸入は一段と増えそうだ。6月末のパナマ運河の拡幅工事完了に伴って「16年下半期は米国のシェアが一層高まる可能性がある」(LPG元売り)との見方が多い。
輸出国間で価格競争も起きている。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが毎月通知するLPGの輸出価格は、16年8月積みのブタン価格で1トンあたり290ドルと04年3月以来12年半ぶりの安値。LPGの価格は原油価格に連動するが、米国という競争相手の影響でサウジ産のLPG価格はこの2〜3年、安値で推移している。
経済産業省の石油製品需要見通しによると、国内のLPG需要は今後5年間で2.1%増加する見通し。拡大する需要を見据えて、他地域から調達する動きが一段と広がっている。
出光興産系のアストモスエネルギー(東京・千代田)は7月、カナダ西岸から輸出されるLPGの売買に関する了解覚書(MOU)を締結した。スエズ運河など、重要な航路が集まる地域は地政学リスクが高いとみて、他の地域からの調達に取り組む。こうした動きが進めば、LPG調達価格の一段安につながる可能性がある。
[日経新聞9月29日朝刊P.20]
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