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石炭火力新設を一転容認 環境相方針、CO2管理条件に
丸川珠代環境相は全国各地で計画が進む大型石炭火力発電所の建設計画を条件付きで容認する方針を固めた。経済産業省や電力業界が策定する温暖化ガス排出削減計画の進捗状況を環境省が毎年確認し国の温暖化ガス削減目標を超えないよう管理する。これまで大型石炭火力の建設計画に異議を唱えてきたが、環境配慮と経済成長を両立する制度導入を条件に柔軟姿勢に転じる。
国内では東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、原発に代わる電源として割安な石炭を使う新設計画が相次いでいた。日本の温暖化ガス削減目標の前提となる2030年度の電源構成(ベストミックス)は石炭火力の割合を総発電量の26%と設定した。
既存の石炭火力を維持したまま新設計画が実現すると26%の枠を超えてしまう懸念から、環境省は昨年6月に大阪ガスやJパワーなどが出資する「山口宇部パワー」(山口県宇部市)の新設計画を皮切りに計5件の新設計画に異議を唱えてきた。
そこへ浮上したのが最先端技術で二酸化炭素(CO2)排出を極力抑えた発電所の計画を優先審査する新たな枠組みの導入だ。丸川環境相も受け入れ、林幹雄経産相と8日にも会談し合意する。
経産省はまず温暖化ガスの排出削減に向け、電気事業法に新たな指針を設けるなどし、新規参入を含む全ての電力会社に毎年の温暖化ガスの排出実績の開示を求める。公表実績に虚偽報告などがあった場合は改善命令などを出す。
省エネルギー法の告示も変え、発電効率が低い石炭火力発電所を建設できないようにする。最新鋭の設備は認めるが、火力発電全体のうち石炭火力の割合を50%以下までにすることも求める。
また、電力業界は電力販売量1キロワット時当たりの温暖化ガス排出量を2013年度から30年度に35%減らし、0.37キログラムに抑える自主目標を掲げている。各社の温暖化対策をチェックする新たな団体を立ち上げ、確実に達成する仕組みを整える。
政府は30年度の望ましい電源構成(ベストミックス)で火力発電を56%とする方針を掲げている。
電力会社は、この電源構成の達成に向けた計画を毎年作成し、経産相に提出するよう定める。提出しなかったり、達成に向けた努力を怠ったりした場合などはエネルギー供給構造高度化法により罰金を科す方向だ。
環境省は経産省と電力業界の一連の仕組みの順守をチェックし、妥当と判断すれば環境影響評価(アセスメント)法に基づき、新設計画を容認する。今春に策定する地球温暖化対策の実行計画にも新たなチェック体制を盛り込む方針。
環境省は5月以降に環境アセスの審査期限を迎える茨城県鹿嶋市、同東海村、福島県いわき市、同広野町での新設計画は認める見通しだ。
国の温暖化削減計画を守れない事態となれば、環境省は再び環境アセスで新設計画に異議を唱え、最終的には法規制などより強制力を持った制度を導入する方針だ。
[日経新聞2月6日朝刊P.2]
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