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充電速度が10倍以上に 理科大、新型電池に突破口[日経新聞]
2015/11/9 6:30
東京理科大学の駒場慎一教授らは、次世代の蓄電池と期待されるカリウムイオン電池の技術にめどをつけた。黒鉛の電極を使って性能を落とさずに充放電を繰り返すことに成功した。実用化すれば、現在、普及しているリチウムイオン電池に比べて10倍以上のスピードで充放電が可能で、大電流に対応するためパワーを出しやすいと期待される。電気自動車ならば加速力が必要なスポーツタイプなどに適している。
■黒鉛電極で充放電100回以上の繰り返しに成功 負の電圧も観測
駒場教授らは黒鉛をマイナス極に使い、100回以上の充放電を繰り返しても性能が落ちないことを確かめた。電気容量は1グラムあたり244ミリアンペア時。黒鉛を固めるために使う樹脂を工夫したり、カリウムイオンを溶かす電解液の純度を上げたりするなどして実験に成功した。リチウムイオン電池で使われる銅だけでなくアルミの薄膜の上に黒鉛を固めた電極でも作動し、製造コストを抑えることもできる。
また、カリウムイオンを使うと、リチウムイオン電池などではゼロ以下にならない電圧が0.09ボルトとわずかだがマイナスになることを見いだした。これまでプラス側の電圧を上げるしか電池の電圧を高くする方法はなかった。マイナス側の電圧を下げることで電池全体の電圧をリチウムイオン電池などより高くできる可能性がある。
カリウムはリチウムやナトリウムと同じアルカリ金属と呼ばれる元素の一つ。リチウムに比べるとイオンが電解液中を移動しやすいため、短時間に充電したり一度に大量の電気を流して大きなパワーを出したりするのに適している。電気自動車の蓄電池では充電に時間がかかることが課題の一つだが、短時間での充電が可能になることで使い勝手の向上につながる可能性がある。
また、電池の構造がリチウムイオン電池とほとんど同じため同様の製造ラインで生産できるなどのメリットもある。融解温度がセ氏64度と低いことから、リチウムイオン電池のように発火する危険性も少ないという。
一方で、カリウムはリチウムやナトリウムより原子番号が大きいため同じ容量の電池に使うと重くなる。またイオンが大きくなるため、プラス極に使える材料が限られるのも課題だ。世界的にも十分な性能を持つプラス極はまだ開発されておらず、カリウムイオン電池を実現するにはマイナス極だけでなくプラス極の開発が欠かせない。
駒場教授は「プラス極の開発もめどがつきつつあり、来年中にはカリウムイオン電池を実現できると思う」としている。
(電子編集部シニア・エディター 小玉祥司)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO93611450U5A101C1000001/?dg=1
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