http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1619.html
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ドイツの電力市場白書2015
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51911498.html
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51911506.html
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51911508.html
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51911518.html
こんな説明で分かるのかな? これ以上説明するよりも、60ページほどなんで、グリーンブック読んでよ、ということにしておきましょう。
というか、うまい説明もあるじゃん。まあ、こんなに単純化すると、勘違いする輩も出てくると思うけれど。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20130218/266376/?rt=nocnt
ちなみに、北欧、ポーランドはすでに電力市場2.0モデルで行くことにしています。英・仏・伊が容量市場、キャパ市場ですね。
また、このグリーンブックを策定するにあたり、学術的な調査として、以下のように4つの調査報告書がそれぞれの専門研究機関に委託され、
その調査報告書も公表されています。
http://bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=643918.html
http://bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=647998.html
http://bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=647550.html
http://bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=647540.html
http://bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=703576.html
さて、半年にわたるステークホルダーへの公聴会、プラットフォームでの議論、とりわけステークホルダーから700近くのパブリックコメントを精査して、
その結論を取りまとめ、政治的な決断がなされたものが、今回のブログでお伝えしたかった「電力市場白書2015」になります。
これは、2015年7月初頭、つまり先日公表されています。
http://www.bmwi.de/DE/Mediathek/publikationen,did=718200.html
これ、100ページ超えますが、興味ある方は読んで下さいね。日本のエネ白書よりは、読み物としても十分に面白いです。
で、一部の保守州(BW州、BY州)と電力大手からは容量市場が欲しいというコメントが寄せられましたが、
圧倒的な多数で「電力市場2.0」を支持する声が多く、最終的には政府の政治判断も入り、「電力市場2.0」を原則として、
今後の2年間でバタバタといろんな法規制の大改革、同時に市場の進化が行われることになっています。
もちろん、白書公表後にもヒアリングを続け、各法案は国会を通過しなければなりません。
が、このグリーンブック→ホワイトブックという流れは、すでに正義化しているので、このままそれほどの妥協もなく、続けられることかと思います。
電力部門において、とりわけ市場参加者が急増し、草の根の動きも入り、政治的な右左ではなく、上からか下からかという対立構造を続けてきた恩恵で、
ドイツ政府は一つの困難な政治課題を解消する手法として、ここに新しい形を確立させたと言っても過言ではないでしょう。
このブログの最初に、褐炭云々の話をしました。ただし、この白書を読めば、自ずと、短期的な負担はあるものの、
1.2021年には原子力発電所は予定通り、間違いなく廃炉される。
2.2020年過ぎには、一部の新しい褐炭発電は残すものの、基本的には大々的に褐炭発電はドイツから退場いただく。
3.これまで政治時期によって大幅助成促進、助成カット、というストップ&ゴーを続けてきたコジェネも、「コジェネ2.0」となり、
継続的に2020年までは間違いなく、推進されること。
※コジェネ2.0とは、DSM化され、タンク容量も増大し、電力需給の様子次第では電力メインで稼働させることもできるスマートコジェネのことです。
これはPower to Heatと呼ばれ、Power to Gasよりも手間の時点で大々的に普及します。
4.産業用電力のDSMについては、今後、数年でドイツでの産業での働き方を大改革させるほどのインパクトで推進されること。
※産業用の新しいDSMについては、Power to Industry2.0というタイトルがすでにつけられており、IoTとの融合をはかった、
ドイツの経済政策のフラッグシップであるインダストリー4.0にも大きな影響を与える。
ちなみに、IoTは、ドイツ語ではInternet der Dinge(インターネット・デア・ディンゲ)!笑ってしまうほど、ドイツ語らしい、男らしい響きです・・・
5.EVの取り扱いも、今後は多少の助成措置やパイロットプロジェクトでお茶を濁すだけではなく、大幅に進展しそうなシグナルを市場に明確に送っています。
6.稼働率の低下で問題化していた天然ガスタービンの発電所については、2017年頃からの市場の正常化でようやく採算性が取れる明るい見通しが立ってきたこと。
などなど、市場に対する明確なシグナルが発せられることになりました。
この信頼性はかなり高いです。だって、「電力市場2.0」が価格シグナルを出して需給調整が機能するか、しないかは、短期的、逐次的な「政府による介入なし」
「透明性の高いロードマップ」という2つの柱によって成り立つことになりますので、公表してしまった以上、
これはちょっとやそっとでは変更することができないからです。
また、この白書は過程から言って正義ですから、市民の大きな反対運動が何らかの形で持ち上がらない限り(電力系統マスタープランの策定の時のように)、
この流れは止められないものとなりそうです。
ということで、言い忘れたことはないかな? なんか気が付いたら、(その4)を追記しますね。
あっと、言い忘れましたが、今のドイツの電力市場は電力大手によるチキンレース状態です。自身の老朽化した褐炭や原子力を止めてしまえば、
市場は正常化し、残りの発電源の採算性が向上し、自社の悲惨な経営状況も改善するのですが、自身の出力を市場から退場させてしまうと、
その時の利益が下がる。だから皆、赤字に泣きながら、誰が一番に飛び出すのか耐えているわけです。
もちろん、資本が弱いところからこのチキンレースは飛び出すはめになります。だからこそ、電力大手自身も、
他社のフリーライダーを限定的なものにするために、同時に自社でも新しい投資や戦略を描けるように、この白書策定の過程では活発で、
建設的な意見を出し、自社の被害を最小限に食い止める試みが行われています。これ、15年前の電力大手にそのことを言ったら、
絶対に信じてもらえないだろうけど。
そう、再エネを分散された資本で推進する意味は、こうした独占+政治との汚いつながり+不透明性を崩壊させることに繋がるのは、
ドイツの事例では明らかではないでしょうか。また、フランス、イギリス、イタリアで容量市場が出現し、スカンジナビア、オーストリア、ドイツで
電力市場2.0へと進化する、これもそんなところを象徴している出来事だと思いました。
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