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米電力小売り、日本参入 家庭向け1割安く
スパークエナジー、イーレックスと今秋にも合弁
米ナスダック上場の電力小売り、スパークエナジー(テキサス州)は日本で電力小売事業に参入する。今秋にも新電力のイーレックスと合弁会社を設立し、2016年4月の小売り全面自由化にあわせ、家庭向けに既存の電力会社より1割程度安い料金で提供する。外資の小売り参入は珍しく、国内外の企業が入り交じり、市場争奪戦が激しくなりそうだ。
両社は日本での家庭向け電力事業で提携する覚書を結んだ。今後市場環境や採算性などを協議したのち、秋にも正式に事業提携を結ぶ。その時点で合弁会社を設立する計画で、資本金や出資比率は決まっていない。
スパークエナジーは米16州で電力やガスを販売しており、一般家庭など約33万の電力顧客を持つ。自社電源はなく、他社や卸電力取引所から割安な電力を購入して提供している。他社との料金との比較がスマートフォンで一目でわかったり、最適な使い方を助言したりといった、消費者にとって使いやすいサービスをそろえていることで定評がある。
日本でも同様の取り組みを検討するほか、イーレックスが持つ国内約1千店の代理店網などとも連携し、消費者の取り込みを目指す。
電力調達でも米国の経験を生かす。需要を精密に予測して、取引価格が安い時にあらかじめ調達する情報システムの構築を検討する。これにイーレックスのバイオマス発電所や同社が外部から賄った約12万キロワットの電源も使い、割安に電力を販売する。一連の取り組みで家庭向け小売りで17年度に100億円の売上高を目指す。
日立製作所や東芝などが出資したイーレックスは中小ビルなど法人向けに電力販売しているが、家庭向けではノウハウがない。実績のあるスパークエナジーと組んで、他の新電力より競争力の高いサービスを提供できるとみている。
来年4月の全面自由化で、家庭や商店など約8500万の電力需要家が開放され、市場規模は8兆円を上回るとの見方もある。巨大市場獲得に向け、新電力として経済産業省に届け出た企業は650社を超え、商社や石油、通信やCATVなどが参入している。
[日経新聞4月10日朝刊P.12]
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