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M6.8の長野県北部地震と地熱発電
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1486.html
投稿者 taked4700 日時 2014 年 11 月 23 日 00:44:15: 9XFNe/BiX575U
 

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12221082.html
M6.8の長野県北部地震と地熱発電

 結論から言うと、今回の地震と地熱発電開発は無関係です。震度6弱が観測された長野県小谷村では10年程度前から地熱開発をやっています。バイナリー発電を目指していたのですが、熱資源が少ないということでバイナリー発電は既に取りやめになり、新たにより簡単な形の地熱利用の可能性を探っている最中です。このことについては、小谷村のサイトから関連したページを引用しますが、その前に、地震そのものが地熱開発とは関係ないことを示しています。それは余震がある程度広い地域に起こっているからです。11月23日午前0時までに余震が6回起こっていますが、本震を入れて震源地の分布を見ると、北緯36度6分から同8分、東経137度9分から138度0分の地域に広がっています。地熱井戸は4か所程度に掘った様子ですが、どれも一年以上前に掘ったものであり、地下に注水したという話もない様子です。地熱発電で地震が誘発されるというのは、地熱発電では湧出した蒸気や熱水を改めて地下へ戻すことをやっていて、この地下への注水が、岩盤の滑りを促進し、地震発生につながると言われているのです。更に、バイナリー発電は小規模なものがほとんどで、小谷村のものも640キロワットと言いますから、かなり小型です。

 では、なぜ、今回長野県北部で地震が起こったかと言えば、通常の地震発生メカニズムに沿ったもののはずで、もともと長野県北部は地震が起きやすい地域だったというしかありません。糸魚川静岡構造線断層帯の付近ですから、この断層帯が活動したと解釈するのが多分一番妥当です。

 基本的に地熱開発と地震はあまり関係がありません。地震はもともとその地域の地盤にゆがみがあるから発生するわけで、地熱開発によってゆがみがひどくなることはないからです。地震が起こりやすいところで地熱開発をすれば、開発に伴って地震が起こりやすくなることは有り得ますが、普通はせいぜいM3程度の地震までです。地震を怖がって地熱開発をしないことの方が日本の将来に大きな悪影響を与えます。

 以下、小谷村の公式ホームページにある記事です。

http://www.vill.otari.nagano.jp/mura/information/W009H0000032.html
地熱開発促進調査

小谷村では、平成17年3月に「小谷村地域新エネルギービジョン」を定め、地域のエネルギー資源を有効に活用していくための、将来に向けた取り組みを始めました。

この中で、北小谷南部地区の地熱資源は、村の活性化にとって有望な資源と位置付けられており、平成17年度から、この熱資源活用の実現に向けた地熱開発促進調査を進めております。

最新情報

平成23年6月24日

平成21年度の生産試験により地熱資源量が少ないことが判明し、当初目指していた640kW級の地熱バイナリー発電の導入は困難となりました。平成22〜24年度にかけて地熱開発促進調査を継続し、「温泉エコジェネシステム」等の開発状況や、固定価格買取制度、人件費(ボイラータービン技師非選任等の規制緩和)の抑制などの社会的条件調査(情報収集)等を行い、総合的に事業性の判断を行います。

事業経過

最終目標

地熱発電の事業化

資源量等から、当初目指していた640kW級の地熱バイナリー発電システムの導入は困難となりました。今後は温泉エコジェネシステム等、小型の発電システム等の導入について調査・検討していきます。

平成22〜24年度

地熱開発促進調査(NEDO委託事業)の継続

平成20〜21年度調査により、640kWの発電に必要な資源量は確認されませんでした。平成22〜24年度にかけて、温泉エコジェネシステム等の開発状況や社会的条件等を注視し、事業化の検討を行っていきます。

平成20〜21年度

地熱開発促進調査(NEDO委託事業)の新規提案

提案者・・・小谷村・地熱技術開発梶E潟Vーテック。
調査内容・・・640kW級の地熱バイナリー発電システムの導入に向けて、生産能力の向上、長期生産試験、還元井の確保、経済性評価、事業化判断等を行う。

平成19年度

小谷村地域新エネルギービジョン 〜重点テーマ:地熱エネルギー利用の可能性調査〜策定(NEDO補助事業)
地熱開発促進調査(H17〜18調査の継続調査)
酸洗浄、自噴量調査など。

平成17〜18年度

地熱開発促進調査(NEDO委託事業)

北小谷南部地区(下寺)において、3本の調査井を掘削。エアリフトにより、温度115度程度の熱水の継続的生産は確認できたが、ダウンホールポンプによる長期的な資源量評価、低圧還元可能な還元井の確保等に課題を残した。

平成16年度

小谷村地域新エネルギービジョンの策定(NEDO補助事業)

小水力、風力、太陽光、バイオマス等、小谷村で活用できる新エネルギーの調査等を実施。新エネルギーではないが、地熱資源の利用についても調査し、総合利用プランを策定。


http://www.vill.otari.nagano.jp/mura/living/W010H0000092.html
地熱利用システムFS調査業務一般競争入札について
1 入札対象業務
業務名 地熱利用システムFS調査業務

業務箇所 小谷村大字北小谷下寺 他

業務概要 ・現状調査 1式
・利用可能熱量検討 1式
・熱エネルギー導入予定箇所の想定利用量調査 1式
・熱エネルギーの取り出し方法の検討 1式
・熱原能力と熱源設備の検討 1式
・導入コスト、ランニングコスト、採算性の検討 1式
・検討委員会 1式

履行期間 契約日から平成27年3月31日

2 入札に参加できるものの条件
小谷村財務規則104条第1項の規定による。以下、小谷村財務規則抜粋。
(一般競争入札者の資格)

第104条 政令第167条の4第2項各号の規定に該当する者は、同項に規定する期間、一般競争入札に参加することができない。

【1】 日本国内に事業所(本社)を有し、過去において国又は地方公共自治体が発注する500万円以上の地熱エネルギーに関するFS調査業務の履行実績を有すること。

【2】 温泉を湧出しない地熱抗井を間接型熱交換機として使用したシステムの設計又は施工実績を有し、かつ熱採取能力評価可能なこと。
3 入札の日程等
入札参加申請受付
平成26年8月25日から平成26年8月29日午後4時まで
(*以下略)

2014年11月23日00時35分 武田信弘   

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コメント
 
01. 2014年12月03日 08:05:50 : jXbiWWJBCA

地熱発電と温泉は共生できるか

再生エネ普及へ日本のジレンマ

2014年12月3日(水)  宮澤 徹

 太陽光発電を中心にした再生可能エネルギーを送電網へつなぎ込むための接続契約申し込みに対して、九州電力が回答の保留を決めた「九電ショック」。太陽光発電は日照量により発電量が変動し、それが最大になった場合には管内の消費量を上回り、大規模停電の引き金を引きかねないと九電は説明している。そこで、再生エネの中でも、安定した発電ができる地熱発電への注目が集まった。だが、なかなか思うようには普及しないという。その理由について、電力中央研究所の窪田ひろみ主任研究員に聞いた。
(聞き手は宮澤 徹)

窪田 ひろみ(くぼた・ひろみ)氏
1997年 電力中央研究所入所。生物科学部、エネルギー・環境政策領域を経て現職。2012年 横浜国立大学大学院環境情報学府環境イノベーションマネジメント専攻修了、博士(環境学)。地熱発電、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術、化学物質の環境・健康リスクを研究対象とし、リスクコミュニケーションを通じた利害関係者間の相互理解の向上、事業者の環境リスク評価・管理改善に資する研究に従事。
再生可能エネルギーの中で安定した発電が可能といわれる地熱ですが、日本ではどのような状況ですか。

窪田:FIT(固定価格買い取り制度)が始まってから、太陽光発電の申請が爆発的に増え、今はほとんどが太陽光と、風力で占められています。地熱はまだ非常に僅かですが、既存温泉を活用した中小規模(数十kWから数千kW)の地熱発電が近年増えつつある状況です。

 日本の地熱資源量は米国、インドネシアに続く世界3位と報告されています。これだけたくさんの温泉もありますから。しかし、地熱発電の設備容量では8位にとどまります。潜在能力を充分使いきれていないことがわかります。

 国内の電源構成に占める地熱の割合は0.3%ぐらいです。日本全体のエネルギー利用に貢献するレベルとなれば、出力が3万から5万kwといった大規模の設備を建設していくことが望まれます。

なかなか普及しないのはどうしてなのでしょうか。

窪田:近年、国の補助金など経済的支援の充実や、自然公園内での開発について規制緩和がなされました。FITについては、国は地熱や水力を優先させるということで制度の見直しをしています。日本では、地熱発電が可能な場所の多くは国立公園や国定公園内にあります。道路や送電線が通ってないとか、事業コストが見合わないとか、自然公園法、森林法といった法規制の制約などいろいろな事情があり、資源はあっても開発が難しい地域が多いです。

 冷却に使う大量の水を、川や井戸から取ってくることになれば、場所によっては水利権が生じるため、河川法などにも留意する必要があります。

不安がる温泉事業者も

規制や地理的な制約が多いということですね。

窪田:さらに見逃せないのが、特に大規模な地熱発電の場合、温泉事業者の方や自然保護団体の方などとの調整が簡単にはいかない点です。そばに地熱発電設備ができると、温泉が枯れてしまうのではないかという心配などから、反対している温泉事業者もいらっしゃいます。

 地下の状況は場所によって異なります。他の地域の地熱発電設備で問題がないからといって、自分の地域でもうまくいくとは限りません。温泉事業者の方には、例え今うまくいっていても、将来どうなるかは分からないという懸念があります。

 今たくさんの熱水を地下から汲み上げているのだから、将来はうちの温泉にも影響があるのではないか。一旦影響が出始めたら、もう元には戻らないのではないかという懸念が一番大きいですね。

これまで温泉が枯渇した事例はあるのでしょうか。

窪田:日本では地熱発電設備が理由で温泉が枯渇した事例は報告されていません。地下や既存温泉地層の状況をしっかり事前調査した上で、温泉の泉源に影響を及ぼさない地域にしか地熱発電設備の建設許可は下りないことになっています。

 また、発電に使うため汲み上げた熱水を地下に戻しています。ただし、海外では温泉が枯渇した例があります。それは、地下から取り出した熱水を地下に戻してなかったケースです。

温泉のお湯が減ると地熱発電のせいだと思う人がいても不思議はないですね。

窪田:確かにそうです。だから地熱発電設備の周辺にある温泉にモニタリングの設備を置いて、お湯の状況などを計測しています。建設前だけでなく運転後も継続的にしっかりモニタリングをして、影響がないかどうかを評価しています。

 温度や成分、湯量などを測っていますが、その指標が自然現象による変動幅を逸脱してしまった場合は、適切な対応をとれるように管理しています。

観光客による経済効果に期待

海外でも地熱発電への反対はあるのでしょうか。

窪田:海外の場合は温泉事業者というよりは、自然保護団体とか、地元の山を崇拝している宗教関係者が反対する事例があります。最近では、インドネシアでも地元の反対運動が高まったケースがありました。

普及へ向けて、どうやって理解活動を進めていけばよいのでしょうか。

窪田:地熱発電に対する認知度はまだまだ低いです。まずは他の電源も含めメリット・デメリットをよく知った上で、地熱発電の意義や開発の必要性を理解していくことが重要です。

 経済産業省では、地域の方々が地熱発電への理解向上を促進するための補助金を出しており、各地の地元が主体となって立地地域への視察や勉強会が開かれています。また、地熱開発について自治体同士の情報交換を推進させるため、今年から自治体連絡会が設置されました。

 弊所のアンケート調査では、温泉事業者にとって一番の顧客である温泉好きの人のほうが地熱発電への受容性が高いという結果もあります。地熱発電の立地地域では、震災後の設備見学客が増えるなど、観光客による経済効果も見られます。

 地熱資源は、発電だけでなく、温泉をはじめとする直接利用(農水産業、調理、プール、融雪など)による省エネや雇用効果もあります。地域の地熱エネルギーを有効活用しながら地域振興にも役立てるような事業戦略によって、地元にも観光客にもメリットのある活動が増えることを期待しています。

このコラムについて
キーパーソンに聞く

日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141128/274424/?ST=print


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